銀河物理学特論 I: 講義2-2:銀河バルジと巨大ブラックホールの相関関係 Magorrian et al 銀河物理学特論 I: 講義2-2:銀河バルジと巨大ブラックホールの相関関係 Magorrian et al. 1998, ApJ, 115, 2285 2009/06/15
どのパラメータとの相関がプライマリなのか?: 当初はバルジの B-band 等級との相関が見つけられたが、その後バルジ部分の速度分散との間の方が相関が良いことが示唆された。 Ferrarese and Merritt 2000, ApJ, 539, L9
どのパラメータとの相関がプライマリなのか?: MBH-LK relation has rms~0.3 dex in logMBH, MBH-Mbulge(=Re*Sigma^2, bulge virial mass) has 0.25 dex in logMBH. Marconi and Hunt 2003, ApJ, 589, L21
どのくらい小さい質量まで成り立っているのか?: SDSS 分光データを用いた暗いSeyfert1 の探査。銀河の中心部分の速度分散の測定と合わせると MBH-Sigma 関係とコンシステントになっている。 Barth et al. 2005, ApJ, 619, L151 Greene & Ho 2004, ApJ, 610, 722
どのくらい小さい質量まで成り立っているのか?: M31 の中の星団 G1 の HST/STIS による観測。中心での速度分散は 30km/s で推定されるブラックホール質量は MBH=18000Msolar。 Gebhardt et al. 2005, ApJ, 634, 1093 Gebhardt et al. 2002, ApJ, 578, L41
どのくらい小さい質量まで成り立っているのか?: HST STIS による M15 中心部のブラックホール探査。中心で速度分散と回転速度の二乗和が 14km/s と上がっており、推定されたブラックホール質量はMBH=3900Msolar。 Gerssen et al. 2002, AJ, 124, 3270
どのくらい小さい質量まで成り立っているのか?: HST WFPC2 の画像を用いた M15 中心部の星の固有運動探査。そこから推定される速度分散は中心部で 15km/s。N-body 計算 (Baumgardt & Makino 2003, MNRAS, 340, 227) の結果と比較するとブラックホールは必要なし。上限値は 500Msolar。 McNamara et al. 2003, ApJ, 595, 187
活動銀河中心核でも同じ関係が成り立つのか?: VLT/SINFONI による Centaurus A の中心部分の速度場の観測。推定されたブラックホール質量は 5.5x10^7 Msolar。 Cappellari et al. 2009, MNRAS, 394, 660
活動銀河中心核でも同じ関係が成り立つのか?: 反響マッピングに基づいて求められた AGN のブラックホール質量と母銀河の速度分散の関係。同じ関係が成り立っているとして良い。 Onken et al. 2003, ApJ, 585, 121 Ferrarese et al. 2001, ApJ, 555, L79
散らばりはどれくらいあるのか?: そもそも MBH-Mbulge 関係はどれくらい小さな散らばりで成り立っているのか。イントリンジック(観測の不定性をのぞいた)は 0.3-0.4 dex と推定される。 Gultekin et al. 2009, ApJ, 698. 198