平成28年度(前期) 総合研究大学院大学 宇宙科学専攻 第7章 参考資料 宇宙の階層構造と星形成史 Cosmic Hierarchical Structure and Star Formation History 2016. 6. 28 平成28年度(前期) 総合研究大学院大学 宇宙科学専攻 飛翔体天文学特論II 松原英雄(ISAS、JAXA)
宇宙は膨張している ハッブルの法則 宇宙には始まりがあった“ビッグバン” H0 : ハッブル定数 距離:D 後退速度 : V V = H0×D H0 : ハッブル定数 宇宙には始まりがあった“ビッグバン”
Redshift due to Expansion (IR) (UV) Colour at 5billion light years away Colour at rest-frame Light from distant objects on the Hubble flow is redshifted as: λ=λ0(1+z) z:redshif t → Gamma-ray photons when the Universe is 0.4 millon years old is now redshifted to millimeter-wave (z~1000)
WMAP Observations of the CMB q ~ 70 q ~ 0.20 WMAP Wilkinson Microwave Anisotropy Probe (2001 at L2) Probe the CMB fluctuation Spectrum below the horizon scale : q ~ 900 - 0.2 (l=2-1000 @ Spherical harmonics q=180o / l )
WMAP Observations of the CMB Red - warm Blue - cool
WMAP Observations of the CMB fundemental 1st harmonic
What WMAP found? The content of the Universe: Baryon 4% + Cold Dark Matter (CDM) 20% + Dark Energy 76% From Detailed shapes and relative amplitude of fluctuation peaks By considering Acoustic Oscillation in Baryon-photon fluid The Hubble Constant : 73 km sec-1 Mpc-1
Planck (launched in 2009)
赤方偏移と宇宙年齢・ルックバックタイム の関係
宇宙の階層構造 階層 質量 (M8 ) 大きさ 密度 ( g/cm3 ) 星 ~ 1 ~ 106 km 1 銀河 ~ 1011 ~ 10 kpc ~10-25 銀河団 ~1013~14 ~ 5 Mpc ~10-28 超銀河団 ~1015~16 ~100 Mpc ~10-30 宇宙全体 ~1021~23 ~3000 Mpc
重力を支配するダークマター 光を出さない。しかし万有引力は持っている。 正体は未だ不明。 銀河の回転運動を調べていくと、“何かがある”ことは間違いない。 大きなスケールになるほど顕著: 太陽の近く:光っている物質の2-3倍 我々の銀河系(銀河中心~太陽系まで):10倍 銀河団:30-100倍 (その一部はX線で光るホットガス)
宇宙の構造形成の歴史 (現在の標準的な考え方だと) 宇宙誕生から1-2億年: 1億~10億太陽質量のダークマターの固まり(矮小銀河クラス)が出現。 宇宙誕生から5-10億年: 千億~一兆太陽質量のダークマターの固まり(普通の銀河) が出現 宇宙誕生から10-30億年: 銀河団規模の固まりがようやく出現
Large-scale Structure Formation (CDM) © Moore et al. (1999, private communication with T. Kodama)
ダークマターハローの質量関数
7-12Gyrs ago: `the Violent Era’ Cosmic Star formation History (UV & optical) Hopkins & Beacom (2006) Star-formation activity was much more strong in the past!
Cosmic Star-Formation revealed so far (Burgarella+ 2014, Madau & Dickinson 2014) 図1. 最先端の観測装置で得られた宇宙の星形成史の理解の現状(Madau & Dickinson 2014に加筆)。若い星からの紫外線(UV)のデータ点に比べ、塵の赤外線熱放射(IR;塵に吸収された星のエネルギーの再放出)のデータ点が一桁大きい。また約80億年前から現在に向かって急激に星形成率が低下している。 IR bright (dust-obscured) star-formation is ~30 times stronger than UV-bright one
However, galaxy merger is not the only mechanism triggering the intense star formation ! Elbaz et al. (2007) Morphology of LIRGs at z=1
主系列銀河とスターバースト銀河 Star-formation Main Sequence and Starburst Star-Formation Rate [Msun/yr] Main-Sequence 星形成率と質量からsSFRでスターバーストを定義 Stellar Mass [Msun] Rodighiero et al.2011
反階層的進化(ダウンサイジング) 金属度 (可視光スペクトル線より導いたもの) 形成した星の質量の現在の質量に対する割合 [ % ] 金属度 (可視光スペクトル線より導いたもの) 形成した星の質量の現在の質量に対する割合 [ % ] 我々の銀河系 我々の銀河系 Maiolino, Nagao, et al. (2008) Perez-Gonzalez et al. (2008)
銀河はどうやってできたのか? (現在の標準的な考え方) 大変小さな 赤ちゃん銀河 星が爆発的に 誕生している 赤外線で輝く銀河 銀河の 衝突・合体 「銀河風」により星の母胎である星間雲が吹き飛んでしまうと… 星々が年老いて楕円銀河に
生まれたての銀河はみつかったか?(1) ライマンα輝線銀河 水素原子(宇宙で最も多い元素)の数多いスペクトル線の中で最も基本的なライマンα(波長121.566nm)輝線を頼りに地上大望遠鏡による「広くかつ深い探査」で発見。 約百億年前の宇宙で大規模構造が見つかっている! 25” = 190 kpc SSA22 “Blob1” (Steidel et al. 2000) のすばる画像 (Matsuda et al. 2004)
生まれたての銀河はみつかったか?(2) サブミリ波銀河 波長800ミクロン~1ミリで、専用の地上望遠鏡を用いて探査することで発見。2009年に打ちあげられたハーシェル宇宙天文台で数全個に。 小さな原始銀河が衝突・合体していく過程で、星形成が活発に起こる。そして生まれたばかりの星はとても明るい。 するとそれによって星間物質中の塵が暖められ、赤外線を強く放射する。 サブミリ波では、この塵からの赤外線が赤方偏移(z=2~3)したものを捉えているのである。
星形成が活発な銀河は 「高光度赤外線銀河」 チリがなかったとしたらこのくらい明るい(星の光) 銀河の明るさ あたたかいチリからの赤外線 星の光は、チリに吸収されて、 くらくなってしまう 0.1 1 10 100 波長〔ミクロン〕
Herschel launched (14 May 2009) & discovered numerous submm galaxies! Credit: ESA