CHAPTER 37 Antiarrhythmic Drugs

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CHAPTER 37 Antiarrhythmic Drugs                   グループ 1                   98MB1001 相澤健太郎                   98MB1026 沖津玲奈                   98MB1049 柴原一陽                   98MB1073 萩本繁                   98MB1099 渡辺崇

講義の流れ 1.CASE HISTORYについて 2.心筋梗塞後のケア 3.不整脈の発生機序 4.不整脈の治療 5.不整脈薬~amiodarone~ 6.digoxinとwarfarin 7.amiodaroneとdigoxin、warfarinとの相互作用

1.CASE HISTORY

CASE HISTORYの要点 患者は、55歳の男性で、心筋梗塞の既往歴あり 心室頻拍で、病院に運ばれ、心房細動を起こした digoxin、warfarin、amiodaroneの投与で回復し、退院 退院後も、digoxin、warfarin、amiodaroneの服用を続けた 退院から3週間後、過剰のdigoxinとwarfarinによる症状で、再び入院 digoxinとwarfarinの量を調節し患者は回復

2.心筋梗塞後のケア

心筋梗塞後のケア 心筋梗塞 冠動脈の粥腫の破綻と、引き続く血栓形成による冠動脈 の閉塞によって起こる metoprolol β1選択的遮断薬  冠動脈の粥腫の破綻と、引き続く血栓形成による冠動脈  の閉塞によって起こる metoprolol  β1選択的遮断薬  〈心臓に与える効果〉   1.心拍数減少、血圧低下、心筋収縮力の減少    →心筋酸素消費量の減少、心筋虚血の発生の予防   2.心室細動閾値を上昇させる    →虚血に伴う致死性心室性不整脈を抑える

Metoprololの有効性 ・二重盲験無作為試験で、心筋梗塞3ヶ月の 死亡率を有意に低下させた(36.0%) ・3ヵ年の経過観察で25.0%減少した

虚血心筋に対するβ遮断作用 O2 supply O2 demand collateral flow

2.不整脈の発生機序

不整脈の発生機序 1.Disturbances of impulse formation (興奮生成の異常) 正常自動能の亢進あるいは低下  (興奮生成の異常)  正常自動能の亢進あるいは低下  異常自動能の発生 2.Disturbances of impulse conduction  (興奮伝導の異常)

(二段脈) リエントリー(2) 1 2 一方向性 伝導部 unidirectional block 1 2 (3)

DADによるトリガー活動 [Ca ]i トリガー活動 DAD 2+ 活動電位 によるCICR 自発的 CICR (Caオーバーロード) 電気刺激 活動電位 DAD 2+ [Ca ]i 活動電位 によるCICR 自発的 CICR (Caオーバーロード)

プラトー トリガー活動 EAD 活動電位 Early AfterDepolarization

心室頻拍の発生要因 心室期外収縮 解剖学的要因 機能的要因 1.梗塞 1.虚血 2.線維化 2.再潅流 3.肥大 3.血行動態              心室期外収縮             解剖学的要因                   機能的要因 1.梗塞                        1.虚血 2.線維化                       2.再潅流  3.肥大                        3.血行動態 4.心室瘤                       4.低酸素血症 5.拡張          心室頻拍       5.アシドーシス 6.浸潤                        6.電解質異常 7.炎症                        7.自律神経 8.異方向性伝導                  8.薬剤

心室期外収縮 心電図において、P波を伴わず、wide QRSが特徴

心室頻拍 心室起源(His束分岐部より遠位部の心室内)の頻拍 QRS波が、100 /分以上で3拍以上連続するもの

持続性心室頻拍 心室頻拍が、30秒以上持続するか、30秒以内でも 血行動態が悪化するために、停止処置を必要とするもの 発生機序  発生機序  1.自動能の亢進   例)心筋虚血時のpurkinje細胞の自動能の亢進  2.トリガー活動   EADによるもの  例)QT延長症候群   DADによるもの  例)ジギタリス中毒  3.リエントリー

心房細動 ・心房の不規則で、連続的な興奮により、心室への伝導も 不規則となる不整脈 ・心電図上P波を認めず、基線が揺れるf波の存在と、  RR間隔に規則性を認めない点が特徴 ・絶対不整脈とも呼ばれる

3.不整脈の治療

不整脈の治療 1.抗不整脈薬 短期的には有用であるが、心臓の機能を抑制するので 長期的に使うことは、有害となることもある  短期的には有用であるが、心臓の機能を抑制するので  長期的に使うことは、有害となることもある 2.除細動器(Implantable Cardiovascular Defibrillator)  埋め込み式のもので、心室頻拍が起こるとそれを感知し、  自動的に電気ショックを与える 3.Pacemaker の埋め込み(除脈性不整脈) 4.Catheter ablation  副伝導路をカテーテルを用いて、高周波通電することで  焼き切る

4.不整脈薬~amiodarone~

Amiodarone ・欧米では抗不整脈薬、抗狭心症薬として広く使用 されている。 ・アメリカでは重篤な心室不整脈への使用のみが  されている。 ・アメリカでは重篤な心室不整脈への使用のみが  認められている。  (副作用、薬物動態に問題点有り)

Amiodaroneの作用1 1) Potassium channel-blocking action 心機能への作用 性質を持たない。   外向き電流の減少 → APD(action potential duration)の延長   (どんな心拍数でも効果が見られる)    他のAPD延長薬の様に “reverse use-dependence” の   性質を持たない。 他のClass III の薬は     低心拍数:APD延長効果が高め     高心拍数:APD延長効果が低め      となり、polymorphic ventricular tachycardia (torsade de pointes) を引き起こす可能性がある。

Polymorphic ventiricular tachycardia (torsade de pointes) 原因1:キニジンやソタロールなどのQT延長薬 原因2:家族性要因(HERG遺伝子の突然変異) 特徴:QT区間の延長     プラトー相の際の内向き電流の増加     外向き電流の減少 症状:目眩、一過性の意識喪失

Amiodaroneの作用2 長い活動電位 頻繁な活動電位 を示す組織で明らかな効果 高めの拡張期電位  2) sodium channel-blocking action    (活性化したチャネルに低親和性、不活性化チャネルに高親和性)   長い活動電位   頻繁な活動電位     を示す組織で明らかな効果   高めの拡張期電位  ナトリウムチャネルをブロックすることで相対的にカリウムの透過性が上昇し、異常自動能を持つ細胞でphase4のスロープを減少させる。

Amiodaroneの作用3 3) Calcium channel-blocking action (作用は弱め)   内向きカルシウム電流を減少させる(総流入量が減少)                ↓  相対的に外向きカリウム電流が増加するので、  異常自動能を持つ細胞で、phase4の上昇速度が遅くなり、  心拍数が減少する。  さらに、カルシウム電流に依存する組織(AV結節)の  伝導性を減少させる。(PR間の延長)

Amiodaroneの作用4 4) βadrenoreceptor-blocking aciton(非競合的) SA node の発火頻度↓  ノルアドレナリンによる陽性変時作用をブロックし間接的にPhase4の脱分極を抑える。 以上により SA node の発火頻度↓ 房室間の伝導↓ 心房の不応期↑ AV node の不応期↑ 心室の不応期↑↑

Hemodynamic properties αadrenoreceptor-blocking effects calcium channel-inhibiting effects による血管拡張と血管平滑筋の収縮力低下 ・心筋の収縮力は減少するが、血行動態的には影響が  みられない 静脈注射時には ・血圧低下 ・冠動脈の血流量上昇

Amiodaroneの毒性 ・累積した服用量が増すほど、毒性も増す (400mg/day 以上の長期間服用は制限) ・作用する部位が多いので副作用も多い。

心臓に対する毒性 ・症候性の徐脈 ・心ブロック (SA node やAV nodeに病気を持つ人) ・心不全の誘発

心臓外に対する毒性 ・pulmonary fibrosis ・corneal microdeposits←ヨード ・skin pigmentation changes ・photosensitivity ・hyper or hypothyroidism← ヨード ・liver toxcity ・gastrointestinal intolerance ・neuropathy ・再生不良性貧血

局所麻酔薬様構造 (イオンチャネル遮断薬) Amiodarone

Pharmacokinetics & Dosage ・Amiodaroneの半減期は13~103日と非常に長い。   多量に投与しても薬が効力を持ち始めるまで   15~30日以上かかる。   (毒性が出て使用を中断しても、毒性がなくなるまで時間 がかかる) ・ 2週間 0.8~1.2g を毎日投与し、その後は200mg~400mg を毎日投与  ・漸減療法を用いる Amiodaroneと併用すると薬物相互作用を示す薬  warfarin, theophylline, quinidine, procainamide, flecainide

6.digoxinとwarfarin

Digoxinの抗不整脈作用 1.副交感神経の刺激によるもの 中枢性に迷走神経の刺激 ↓ 心臓でmuscarinic receptorの刺激        ↓ 心臓でmuscarinic receptorの刺激 徐拍、洞房伝導遅延、房室伝導遅延     抗不整脈 ※atropine などの muscarinic receptor 遮断薬との併用は危険!!(頻拍を起こすので)

Digoxinの抗不整脈作用 2.房室ブロック ↓ 心筋細胞間の抵抗が増加 これに迷走神経の刺激が加わる ↓ 房室間の伝導が障害を受ける  digoxinは、細胞内のCa濃度を上昇させる          ↓   心筋細胞間の抵抗が増加  これに迷走神経の刺激が加わる          ↓  房室間の伝導が障害を受ける  房室ブロックにより心室の拍動が下がる

強心薬としてのdigoxin ↓ 細胞内Na濃度↑ Na/Ca交換機構の作用↑ 細胞内Ca濃度↑ 心筋収縮力↑ 作用機序            Na/K ATPaseの抑制                 ↓             細胞内Na濃度↑            Na/Ca交換機構の作用↑             細胞内Ca濃度↑              心筋収縮力↑ 

Digoxinを抗不整脈薬として使うときの危険性 Ca過負荷   digoxinが中毒域に達すると細胞内に過剰にCaが蓄積                  ↓   筋小胞体からのCa遊離(CICRによる)   遅延後脱分極(DAD)が発生      閾値より下→静止膜電位が正常よりも脱分極             →伝導の抑制      閾値より上→活動電位の発生             →トリガー活動→不整脈

Digoxinの心臓以外の臓器への作用 消化器症状:食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢 視覚障害(色覚異常を含む) 精神神経症状:失見当識、幻覚

Warfarin 抗凝固薬として作用 (作用機序) 不活性型VitaminKが活性型VitaminKに還元されるのを 阻害 ↓  抗凝固薬として作用  (作用機序)   不活性型VitaminKが活性型VitaminKに還元されるのを   阻害   ↓   肝でのVitaminK dependent carboxylaseによる凝固因子   のγ-カルボキシル化が起こらない   ↓     活性のない凝固因子(prothrombin、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ) 

不整脈治療におけるwarfarinの役割 心房細動の患者は、血栓塞栓症を引き起こしやすいので、 その予防のために、warfarinを用いる ※warfarinとaspirinでは、warfarinの方が、予防効果が高い  というデータがある 副作用 出血(頭蓋内など) ただし、INR=2.0~3.0を維持すれば、出血はほぼ見られない (INR≧5.0となると、出血のリスクは著しく上がる) いかに、INRを一定に維持するかが重要!!   

INR (International Normalized Ratio) INR=(PTpatient/PTnormal)ISI =PTratio ISI PT:prothrombine time ISI:International Sensitivity Index 市販されているthromboplastinは、効力が一定ではないので 使うthromboplastinによって、PTが変わってくる                 ↓ 正確にwarfarinの効果を測定するために、得られるPTratioを、ISI(検査室のthromboplastinの感度)で補正したものがINR 

7.amiodaroneとdigoxin、warfarinとの相互作用

Amiodaroneのpharmacokinetics ・経口のbioavailability            0.22~0.86 ・分布容積                   18~148[l/kg]  →血漿タンパクとの結合率が非常に高い ・肝臓で、脱メチル化された後、排泄される ・特に肝臓の組織に多く沈着 ・半減期     20~50日

Digoxinのpharmacokinetics ・経口のbioavailability        約 0.75 ・分布容積               4~7[l/kg] ・86%は肝臓で代謝された後で、残りは未変化のままで  排泄される ・半減期    36~48h

Amiodaroneとdigoxinとの 相互作用         肝臓の酵素の働きを抑制         腎尿細管でのdigoxin分泌を抑制         甲状腺機能低下により薬物代謝抑制 →digoxinの血中濃度が上昇し毒性を発揮 →中枢症状、消化器症状、AV block、徐脈

Warfarinのpharmacokinetics ・経口でほぼ完全に吸収される ・血中では、多くがアルブミンと結合 (ただし、活性を持つのはfreeのwarfarin) ・肝のcytochrome P450で代謝され排泄される → amiodaroneがP450を阻害するために血中 Warfarin濃度が増加したと考えられる

Amiodaroneと他の薬物との 相互作用  quinidine    →QT延長、Torsade de pointes  procainamide →AV block、血圧低下、催不整脈 〈Ⅰb 抗不整脈薬〉  phenytoin   →運動失調、眼振、嗜眠 〈Ⅰc 抗不整脈薬〉  flecainide   →AV block

Amiodaroneと他の薬物との 相互作用 〈Ⅱ型抗不整脈薬(β―blocker)〉  propranolol →徐脈、血圧低下  〈Ⅳ型抗不整脈薬(Ca―channel blocker)〉  diltiazem  →AV block、血圧低下 〈麻酔薬〉  atropine非感受性徐脈、血圧低下  →手術時に注意

Amiodaroneの危険性 Amiodaroneは危険な薬物である!! ・多くの重大な副作用 ・多くの薬との相互作用 ・半減期が非常に長い ↓ 他の抗不整脈薬が使えない危険な状況でのみ使用   常に血中濃度のmonitoringを要する

問題1 Amiodaroneが他の薬物の薬物動態に影響 を与える機序として考えられるのは以下の うちどれか A 肝臓の薬物代謝酵素阻害作用 B 腎クリアランスの低下作用 C 血漿タンパクとの結合における競合的拮抗作用 D 甲状腺機能低下作用 選択肢 1.Aが正しい 2.A、Cが正しい 3.A、C、Dが正しい 4.すべて正しい

問題2 Warfarinについて述べた以下の文のうち 正しいものを1つ選びなさい 1.Warfarinは、凝固因子そのものに結合して  その機能を阻害する 2.心房細動患者における血栓塞栓症の予防には、  Warfarinよりもaspirinの方が効果が高い 3.Warfarinを用いるときには、出血のriskをできるだ け少なくするために、INRを2.0~3.0に保つ 4.digoxinと薬物相互作用を起こし、代謝が抑制さ れる

問題3 抗不整脈薬amiodaroneについて述べた 次の文のうち誤っているものを1つ選びなさい 1.カリウムチャネルを遮断することで、APDの  延長を引き起こす 2.甲状腺の機能に影響を与える 3.半減期は2~3日である 4.毒性が強いので、他の抗不整脈薬が  効かないような状態のときに最終手段  として用いる