新規経口抗凝固薬の検査室による 評価:凝固検査間の適合性や変動 性の方法

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新規経口抗凝固薬の検査室による 評価:凝固検査間の適合性や変動 性の方法 T.A. Helin, A. Pakkanen, R. Lassila, and L. Joutsi-Korhonen May 2013 www.clinchem.org/content/59/5/807.full © Copyright 2013 by the American Association for Clinical Chemistry 1

序論 新規経口抗凝固薬(NOACs) * 現在、市販されているNOACs :トロンビン阻害剤であるダビガトラン(Dabi)とXa因子阻害剤であるリバーロキサバン(Riva)とアピキサバン 予測可能な薬物動態と薬力学 → 日常的なモニタリングが不要 特別な状況下(例えば、出血、血栓症、肝臓または腎機能障害、術前)において、生物活性評価は重要となる 様々な臨床症状に対し、適切または治療域以下/治療域以上のレベルは定義されていない 凝固検査を実施している検査ラボにとって、外部品質評価(EQA)がきわめて重要である * 論文参照: Eby CS. Warfarin replacements: Good for patients, challenging for laboratories. Clin Chem 2013;59:732

序論 我々は、ダビガトランとリバーロキサバンの凝固スクリーニング検査と特異的アッセイに対する効果について調査した 我々はヨーロッパの検査ラボにおいて、NOAC特異的アッセイの有用性について検討し、向上/推進させることを目的とした

疑問 どの検査法がNOACsの効果を検討するために、利用可能であるか? これらの検査法の有益性は、何であるか? 薬物を混ぜた血清サンプルならびに患者サンプル中の薬物レベルを検出する際、これらの検査法の感受性および特異性はどのようであるか?

資材と方法:ダビガトランサンプル ヒト血漿サンプルを120 μg/L、300 μg/Lのダビガトランと混ぜた後、凍結乾燥した 2011年7月に、サンプルはEQAオーガニゼーションラボクオリティによって、115のヨーロッパの検査ラボに運ばれた(ポーランド、フィンランド、リトアニア、ラトビア、エストニア、アイスランド) 検査ラボには、トロンビン時間(TT)などの検査ラボで行っている特異的なアッセイだけでなく、凝固スクリーニング検査であるプロトロンビン時間(PT)、国際標準化比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定するよう求めた

資材と方法:リバーロキサバンサンプル ヒト血漿サンプルは、60、146、305 μg/Lのリバーロキサバンを添加し、凍結乾燥した 2012年1月に、サンプルはラボクオリティによって38のヨーロッパの検査ラボへ運ばれた(フィンランド、ノルウェー、アイスランド、デンマーク、スウェーデン、エストニア、リトアニア) 検査ラボにはスクリーニング検査でサンプルを分析するよう求めた:PT/INR、APTT、検査ラボで行っている抗-Xaなどの特異的アッセイ 特異的アッセイをさらに評価するため、18のフィンランド検査ラボに抗-Xa測定のためのキャリブレーターを送った:キャリブレーター濃度は0、 15、 60、100、150 μg/L

資材と方法: 患者サンプル In vitroサンプル測定に加え、患者サンプルを測定した リバーロキサバンを使っている患者(整形外科の患者)10例のサンプルと、ダビガトランを使っている患者(整形外科または心房性細動の患者)10例のサンプルをヘルシンキ大学病院検査室において分析した NOACの凝固を評価するために特異的アッセイが実施された:ダビガトランに対して希釈したTTとリバーロキサバンに対して抗-Xa PT、INR、APTTのスクリーニング検査が実施された

疑問 In vitroの混ぜた薬剤サンプルと、患者血清サンプルとの間の違いは何か?

NOACサンプルの結果まとめ Dabi Table 2. INRはダビガトランに対し、変動係数(CV)が高く、NOACに非感受性であった。APTTは高用量のダビガトランに感受性があるようであったが、リバーロキサバンには非感受性であった。リバーロキサバン:特異的抗-Xa測定は8r簿だけで実施可能であった。2つの低濃度の結果は正確であったが、高用量においては(>150 μg/L、最も高用量のキャリブレーターポイント )、多くの研究所が誤って低い濃度を報告した。ダビガトラン:特異的TT測定は11研究所だけから報告され、全ての結果は基準範囲以上であった(データは示していない)。

ダビガトランサンプルでのINRおよびAPTTの結果 B) Figure 1. 試薬を用いた研究室の数は括弧内に示している。 オーレン法の試薬はクイック法の試薬よりも低いINR値と小さい変動(P < 0.001)を示した。 APTTの基準上限はベースラインをシュミレーションするために用いた。ほとんど全ての研究所(70/72)が、最も低いダビガトラン濃度においても、基準上限を超える値を報告した

リバーロキサバンサンプルでのINRおよびAPTTの結果 B) Figure 2. A) 2研究室だけがINRにクイック法試薬を使用した。 B) 最も低いリバーロキサバン濃度において、ほとんどの試薬群のAPTT結果は参照範囲内であった。最も高いリバーロキサバン濃度において、ほとんど全ての研究室が基準上限値を超える値を報告した。

患者サンプル ダビガトラン (n=10) リバーロキサバン (n=10) 測定された濃度の平均値は119 μg/L 120 μg/Lのダビガトランを混ぜたサンプルでのINR平均値は1.16(P < 0.01)であったが、患者サンプルでのINR平均値は1.08であった APTT平均値は患者サンプルでは39.8秒、混ぜたサンプルでは54.2秒であった(P < 0.001) → 患者サンプルにおいてAPTT延長は小さかった リバーロキサバン (n=10) 測定された濃度の平均値は63 μg/L 患者サンプルでのINR平均値は1.00であり、混ぜたサンプルと有意な差はなかった APTT平均値は27.3秒(正常)であり、有意な差はなかった

疑問 NOACsをモニタリングする時に、どちらの検査法を用いるべきか? それぞれの検査法の良い点と悪い点は何か?

結論 NOACsの効果を評価する際、スクリーニング検査であるPT/INRとAPTTは信頼できない INRはNOACsの効果に対し比較的、不活性である 我々の患者サンプルで認められたように、APTTはダビガトランに感受性があるが、有意なダビガトラン濃度においてさえも、APTT延長はわずかであった これらのアッセイは広く使われているので、検査ラボは用いている試薬のアッセイ結果に対するNOACsの効果を知るべきである* TTや抗-Xaなどの特異的アッセイは正確な結果を示すが、これらのアッセイは一般的に利用可能性は低い * 論文参照: Eby CS. Warfarin replacements: Good for patients, challenging for laboratories. Clin Chem 2013;59:732

Thank you for participating in this month’s Clinical Chemistry Journal Club. Additional Journal Clubs are available at www.clinchem.org Download the free Clinical Chemistry app on iTunes for additional content! Follow us 訳者:間下 有子