重力崩壊型超新星爆発の起源 固武 慶 (東大理) 共同研究者 山田章一(早稲田理工) 大西直文(東北大工) 佐藤勝彦(東大理)

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重力崩壊型超新星爆発の起源 固武 慶 (東大理) 共同研究者 山田章一(早稲田理工) 大西直文(東北大工) 佐藤勝彦(東大理) 固武 慶 (東大理) 共同研究者 山田章一(早稲田理工) 大西直文(東北大工) 佐藤勝彦(東大理) 沢井秀朋(早稲田理工) 滝脇友也(東大理) 長滝重博(東大理) @理論懇 2004年 

1.Introduction

非常に多岐にわたる天体、宇宙物理現象と関連 があることが分かる。 重力崩壊型超新星爆発 ニュートリノ天文学 重力波天文学 超新星ニュートリノ 重力波 ガンマ線バースト 非常に多岐にわたる天体、宇宙物理現象と関連 があることが分かる。

球対称の仮定のもとでは、爆発は しないとの考えが最近は支配的である! ところが、その重要性にも関わらず、 爆発のメカニズムは未だ、完全には理解されていない                  (凡そ40年間に亘る問題) (Rampp et al. 2002) (Wilson 1982) この爆発を再現するために、近年では、 一次元球対称の仮定の下で、 Hydrodynamics : General Relativity + Radiation Transfer Input Physics : the state of art microphysics 球対称の仮定のもとでは、爆発は しないとの考えが最近は支配的である! (Liebendoerfer et al. 2001)

そこで、我々は多次元の効果(回転)に注目する なぜなら、 観測事実:    ・大質量星はmain sequenceで回転     している。(Vs~200 km/s)    ・ SN1987A における、リング状      の星周物質の存在    ・ SNのenvelopeにおける偏光      軸比 1:2 (for SN 1987A) (HST Image) 回転のニュートリノ 加熱に及ぼす効果 について調べる 必要がある

回転のニュートリノ加熱に及ぼす効果 Ref; Anisotropic Neutrino Radiation in Rotational Core Collapse 固武、山田、佐藤 (ApJ, 595, 304,2003) Gravitational Collapse of Rotating Massive Stars 固武、 山田、佐藤 (Nuclear Phys. A 718, 629c, 2003)

SET UP 1.Numerical Scheme 2. Input Physics :Electron capture : Neutrino Leakage Scheme

Numerical Scheme for Hydro Hydro: ZEUS Code (Stone and Norman ,92) EOS: Shen et al. 98 Self Gravity: MICCG Method ZEUS can reproduce numerical tests (Sod test etc..)

Concept of NLS. Neutrino sphere 鉄のコア Free escaping region Diffusion region 鉄のコア

初期条件 シェル状回転則: シリンダー状回転則: Slow Moderate Rapid MSL(Moderate Shell Long) がcanonical なモデル  Heger et al. (‘01)

Time Evolution 回転軸 水平軸 Bounce 前 Bounce から 5ms Bounce から 10ms Bounce から 40ms (Shock Stalls)

Final Configurations Shock stalls !

Neutrino Sphereの形状 球対称モデルとの比較 Neutrinosphere 上の温度 Moderate Rapid

Heating rates outside the neutrinosphere 球対称モデル 回転moderate, 微分回転弱い 回転moderate,微分回転強い 回転早い、微分回転強い 極付近を球対称に比べよく暖める。

Detailed estimation of neutrino emissivity Multigroup Flux Limited Diffusion Scheme (MGFLD) 固武, 大西, 山田, 佐藤 (2004) in prep Reactions Neutrino Emissivity (hydro を static として計算)

対流不安定領域の評価 不安定性の起源:Solberg & Hoiland Instability Ledoux instability 回転軸方向で対流が起き易い ->Jet like explosion を示唆

小まとめ (1) 遠心力の効果で、neutrino sphere が 扁平にな り、極方向の温度が高くなる。 Neutrino Leakage Schemeで回転コラプスの 数値計算を行った。 その結果、 (1) 遠心力の効果で、neutrino sphere が 扁平にな           り、極方向の温度が高くなる。 (2) 非球対称なニュートリノ放射は、回転軸方向を    より強く暖めることが分かった。 (3) さらに、その領域が対流不安定なことから、   これは、Jet 状の爆発を示唆する。  (<- Shimizu et al. 94 の初期条件をassist)  

Gravitational Radiation from Axisymmetric Rotational Core Collapse 回転する超新星コアからの重力波の放出 Gravitational Radiation from Axisymmetric Rotational Core Collapse 固武、山田、佐藤、 PRD, 68, 044023, 2003

Standard Model 重力波の波形の時間発展 中心密度の時間発展 微分回転強い+Cylindrical Rotation この回転則のモデルは、second peak の 符号が 負

検出器のdetection limit との比較 有意な違いがある Second peak も、First LIGO の検出 限界の中にある。 重力波の観測により、不定性の大きな回転 星の進化モデルに制限を与えられる可能性 を示唆。

On-going Studies

その1.マグネター(強磁場中性子星)の形成メカニズムを探る。 磁場の効果:Magnetorotational Core Collapse 固武, 沢井, 山田, 佐藤 submitted to ApJ. 10^16 G 10^14G Magnetar 10^12G 回転軸付近に磁気圧が卓越 -> magnetic Buoyancy -> magnetar 形成にもジェット状爆発が付随する 可能性を示唆。 (Zhang et al. 2002)

その2;回転するProtoneutron star 内における対流の ニュートリノ加熱に及ぼす効果 (固武, 大西, 山田,佐藤,2004 in prep) 回転していない場合(Keil et al. ‘96) Ledoux stability criteria では、回転している場合は ? Neutrino transfer を MGFLDで、 扱い流体計算を行っている。

その3、ガンマ線バーストの初期条件を探る Physical properties of the birth place of GRBs (滝脇、固武、長滝、佐藤, 2004 in prep) GRB => 宇宙一 violent な爆発現象 回転を伴いながら重力収縮して、爆発しそこねた 超新星爆発がその中心天体とされている。 WHY ? > Compactness Problem を避けるため Collapsar の初期モデル ここで、(特殊)相対論的効果を考えると、

(preliminary ) この問題に対する我々の Approach 我々のモデルもcollapar の初期モデルとして考えられる。 かつ、MacFadyen & Woosley のモデルより現実的な数値計算をしている! BH が生まれる寸前の状況 BH を作った後の時間発展 (preliminary )

課題 回転、磁場 + 多次元ニュートリノ輸送 重力崩壊型 超新星爆発 重力波の観測 の起源の解明 超新星ニュートリノの 観測 回転、磁場 + 多次元ニュートリノ輸送 重力崩壊型 超新星爆発 の起源の解明 重力波の観測 超新星ニュートリノの 観測  マグネター生成のメカニズム ガンマ線バーストの中心天体の 解明(コラプサーモデルの妥当性) We are trying to clarify all those subjects by step-by-step approaches.