非局所クォーク模型Gaussianバリオン間相互作用とその応用

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非局所クォーク模型Gaussianバリオン間相互作用とその応用 福川賢治(京都大)、藤原義和(京都大)、鈴木宜之(新潟大) Contents 1.Introduction 2.Formulation 3.Gaussian近似の手法 4.Deuteron binding energy & NN phase shifts 5.Triton & hypertriton binding energy 6.Summary & Future work

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) 1.Introduction ・核力から核構造へ QCD (quark & gluon) →bare NN interaction→(Hyper) nuclear structure しかし、 QCDの低エネルギーでの非摂動性→第一原理的には核力は複雑        →有効模型の有用性 我々のSU(6)クォーク模型バリオン間相互作用は  (バリオン8重項)を統一的 に記述することができる。しかし、potentialには特殊関数(虚数を引数とする誤 差関数)が含まれているため、その取り扱いは容易でない。 クォーク模型では非局所性はessential。 ←(3q)‐(3q)クラスターRGM (resonating groupingmethod, 共鳴群法) 非局所性を壊さずクォーク模型Gaussianバリオン間相互作用を作る最初 の研究。 Gauss型相互作用作成の動機 バリオン少数多体計算をより容易にし、変分計算への適用を目指す。 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) 2.Formulation References (review articles on our interaction ) Y. Fujiwara, Y. Suzuki and C. Nakamoto: Prog. Part. Nucl. Phys. 58 439(2007) ①SU(6)クォーク模型相互作用 ・(3q)‐(3q)波動関数 (3q)内部波動関数Φ(3q)はbを広がりパラメーターとする     調和振動子で表し、spin, color, flavor自由度を含む。  は相 対波動関数。 ・有効クォーク模型Hamiltonian     (3q)‐(3q)RGM                   バリオン間相互作用 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) ②Basic Born kernel Schrödinger方程式の形に書き換えたRGM方程式 Basic Born kernel β,Ω はそれぞれ中間子、力の種類を表す. (local momentum & momentum transfer) 下線部をGaussianの重ね合わせで書いた。 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) ③Nonlocal Gaussian potentials 中間子交換ポテンシャルのdirect 項   Exchange項 はGaussian関数で展開される。 運動量の入れ替えに対称なkernelに関しては、 と を各相互作用タイプと力の種類ごとに決定する。 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) 3. Gaussian近似の手法  ①Exchange kernelsの一般形 = (spin-flavor-color factor)×(運動量の多項式) ×(運動量のGaussian)×(運動量の特殊関数) ・特殊関数の例 下線部をGauss-Legendre quadratureを用いて近似した。 x ∝b |q±k| etc. 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) ②Gaussian 近似の物理的解釈 ・exchange kernelの空間部分の例                          -1              1                              t=0            :分点の値 : 積分の重み ・ の絶対値が大きいほど、相互作用は短距離 . ・Interaction typeと分点ごとにexponential factorは異なる  Exponential factorsの数は約2N。 examples 5 points→13 types, 7 points→17 types, 10 points→25 types 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

4.Deuteron bindng energy & NN phase shifts Deuteron binding energy 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)  NN phase shifts at =150 MeV We find that an accuracy of about 0.7 degree is achieved for 7-point formula and about 0.1 degree for 10-point formula. 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) 5 Triton binding energy (above) & Λ separation energy of hypertriton (below) 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)

少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008) 6.Summary & Future work Summary ①非局所Gaussianバリオン間相互作用を、Gauss-Legendre 積分公式をquark-exchange kernel に適用することにより作成 した。 ②Born kernel, deuteron binding energy ,NN phase shifts, triton binding energy等を計算した。   10点公式による近似でNNの位相差が0.1度で抑えられることを示した。    Future work ① Gaussian potentialを少数多体系の変分及びFaddev計算に 適用する(n+d散乱への適用を進めている)。 ②Energy依存性の無いrenormalized RGM kernelやG-matrix相互作用についても、Gaussian potentialを作成するつもりである。問題は、これらの相互作用が解析的な形では掛けていないことである。 少数粒子系の物理の現状と今後の展望(Dec. 23-25, 2008)