銀河物理学特論 I: 講義3-4:銀河の化学進化 Erb et al. 2006, ApJ, 644, 813

Slides:



Advertisements
Similar presentations
星間物理学 講義4資料: 星間ダストによる散乱・吸収と放射 1 星間ダストによる減光 ( 散乱・吸収 ) 過程、放射過程 のまとめ、およびダストに関わるいろいろ。 2011/11/09.
Advertisements

COBE/DIRBE による近赤外線 宇宙背景放射の再測定 東京大学, JAXA/ISAS D1 佐野 圭 コービー ダービー.
日本学術会議マスタープランへの提案 ガンマ線バーストを用いた初期宇宙探査計画 HiZ-GUNDAM 主査: 米徳 大輔(金沢大学) HiZ-GUNDAM WG 光赤天連シンポジウム「光赤外将来計画:将来計画のとりまとめ」( 2016/02/09 – 10 国立天文台.
銀河物理学特論 I: 講義1:近傍宇宙の銀河の 統計的性質 遠方宇宙の銀河の理解のベースライン。 SDSS のデータベースによって近傍宇宙の 可視波長域での統計的性質の理解は飛躍的 に高精度になった。 2009/04/13.
宇宙大規模構造の最近の話題 計60分 松原隆彦 (名古屋大学) 東北大学 21COE研究会
星間物理学 講義3資料: 星間ガスの熱的安定性 星間ガスの力学的・熱的な不安定性についてまとめる。星形成や銀河形成を考える上での基礎。
スケジュール 火曜日4限( 14:45-16:15 ),A棟1333号室
星形成銀河の星間物質の電離状態 (Nakajima & Ouchi 2014, MNRAS accepted, arXiv: )
Cosmic web 交差点の X 線探索: 衝突銀河群 Suzaku J の発見
低質量X線連星(X線バースト天体)における元素合成
論文紹介06: 最近のγ線観測とGLASTとの関連
X線観測で探る 巨大ブラックホールと銀河 の共進化
巨大ブラックホールと銀河 の共進化 上田佳宏 (京都大学理学研究科).
JAXA宇宙科学研究所 海老沢 研、辻本 匡宏 西はりま天文台 森鼻 久美子
H2O+遠赤外線吸収 ラジオ波散乱 微細構造遷位 ラジオ波 赤外線 X-線 H3+ 赤外線吸収 γ-線 塵遠赤外発光 再結合線
AOによる 重力レンズクェーサー吸収線系の観測 濱野 哲史(東京大学) 共同研究者 小林尚人(東大)、近藤荘平(京産大)、他
銀河物理学特論 I: 講義3-3:光度関数の進化 分光探査サンプルによる Lilly et al. 1995, ApJ, 455, 108
1: Hokkaido Uni., 2: NROJ, 3: Hokkaigakuen Univ.
神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義1 銀河を構成する星、星間物質(ガス、ダスト) 1. 太陽系から銀河系へ空間スケール 2
ガンマ線バースト (GRBs) ガンマ線で明るい ( keV) スパイク状の強度変動 継続時間の長いもの短いもの click
電離領域の遠赤外輻射 (物理的取り扱い)      Hiroyuki Hirashita    (Nagoya University, Japan)
Damped Lya Clouds ダスト・水素分子
WISHによる超遠方クエーサー探査 WISH Science Meeting (19 July 三鷹
スケジュール 水曜3限( 13:00-14:30 ),A棟1333号室 10月 11月 12月 1月 2月 10/08 11/5 や②
WISHによるhigh-z QSOs 探査案 WISH Science Meeting (10 Mar. 三鷹
銀河物理学特論 I: 講義1-1:近傍宇宙の銀河の 統計的性質 Kauffmann et al
銀河物理学特論 I: 講義1-2:銀河の輝線診断 Tremonti et al. 2004, ApJ, 613, 898
信川 正順、小山 勝二、劉 周強、 鶴 剛、松本 浩典 (京大理)
104K以下のガスを考慮したTree+GRAPE SPH法による 銀河形成シミュレーション ~Globular Cluster Formation in the Hierarchical Clustering Universe~ 斎藤貴之(北大) 幸田仁(NAOJ) 岡本崇(ダーラム大) 和田桂一(NAOJ)
神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義6 特別編 観測装置の将来計画
銀河物理学特論 I: 講義2-2:銀河バルジと巨大ブラックホールの相関関係 Magorrian et al
銀河物理学特論 I: 講義1-4:銀河の力学構造 銀河の速度構造、サイズ、明るさの間の関係。 Spiral – Tully-Fisher 関係 Elliptical – Fundamental Plane 2009/06/08.
平成26年度(後期) 総合研究大学院大学 宇宙科学専攻
星間物理学 講義3資料: 星間ガスの力学的安定性 星間ガスの力学的な安定性・不安定性についてまとめる。星形成や銀河形成を考える上での基礎。
神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義5 銀河の形成と進化 1. 銀河の金属量の進化 2. 銀河の構造の進化 3. 環境と銀河の進化
Signatures of GRB host galactic Dust in the Afterglows
銀河物理学特論 I: 講義3-1:遠方銀河の探査 どのようにしてサンプルを作成するか。
第6章 参考資料 銀河とその活動現象 Galaxies and their activities
銀河物理学特論 I: 講義1-3:銀河性質と環境依存性 Park et al. 2007, ApJ, 658, 898
村岡和幸 (大阪府立大学) & ASTE 近傍銀河 プロジェクトチーム
2.地球を作る物質と化学組成 1)宇宙存在度と隕石 2)原始太陽系星雲でのプロセス:蒸発と凝縮
坂本強(日本スペースガード協会)松永典之(東大)、 長谷川隆(ぐんま天文台)、 三戸洋之(東大木曽観測所)、 中田好一(東大木曽観測所)
UMiわい小銀河の赤色巨星 すばるHDSによる観測 (2001-2004) 定金晃三(大阪教育大)
実習課題B 金属欠乏星の視線速度・組成の推定
星間物理学 講義1: 銀河系の星間空間の世界 太陽系近傍から銀河系全体への概観 星間空間の構成要素
COSMOS天域における ライマンブレーク銀河の形態
論文紹介 Type IIn supernovae at redshift Z ≒ 2 from archival data (Cooke et al. 2009) 九州大学  坂根 悠介.
前田 啓一 東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系(宇宙地球部会) 2004年5月27日 HDSゼミ@国立天文台
2018/09/13 分子雲: 星間ダスト進化と 惑星形成を架ける雲 (Molecular clouds: connecting between evolution of interstellar dust and formation of planets) 野沢 貴也 (国立天文台 理論研究部)   
超新星爆発におけるp核の合成 ~重力崩壊型超新星の場合~
鉄輝線で解明したSgr A* の活動性: 京都大学 小山勝二 ブラックホールSgrA*の時空構造を鉄輝線で解明する
星間物理学 講義2: 星間空間の物理状態 星間空間のガスの典型的パラメータ どうしてそうなっているのか
星間物理学 講義4資料: 星間ダストによる散乱・吸収と放射 2 銀河スケールのダスト、ダストの温度、PAH ほか
銀河物理学特論 I: 講義2-1:銀河中心の巨大ブラックホールと活動銀河中心核
銀河物理学特論 I: 講義3-5:銀河の力学構造の進化 Vogt et al
セイファート銀河中心核におけるAGNとスターバーストの結び付き
星間物理学 講義1の図など資料: 空間スケールを把握する。 太陽系近傍から 銀河系全体への概観、 観測事実に基づいて太陽系の周りの様子、銀河系全体の様子を概観する。それぞれの観測事実についての理解はこれ以降の講義で深める。 2010/10/05.
Cosmological simulations of galaxy formation
COE外国出張報告会 C0167 宇宙物理学教室 D2 木内 学 ascps
The Baryonic Tully-Fisher Relation
「すざく」でみた天の川銀河系の中心 多数の輝線を過去最高のエネルギー精度 、統計、S/Nで検出、発見した。 Energy 6 7 8
星間物理学 講義6資料: 衝撃波1 超新星残骸などに見られる衝撃波の物理過程について
楕円銀河の星の種族 J.-C.Cuillandre (CFHT).
星間物理学 講義 3: 輝線放射過程 I 水素の光電離と再結合
銀河物理学特論 I: 講義3-6:銀河とブラックホールの共進化 Alexander et al
COSMOS天域における 高赤方偏移低光度クェーサー探査
星間物理学 講義7資料: 物質の輪廻と銀河の進化 銀河の化学進化についての定式化
ASTE搭載用ミリ波サブミリ波帯 多色ボロメータカメラ光学系の開発 竹腰達哉 北海道大学修士課程2年 Collaborators:
形成期の楕円銀河 (サブミリ銀河) Arp220.
Z=0.24 の Hα輝線天体でみるSFR(UV), SFR(Hα), SFR(MIR) 相互の関係
Presentation transcript:

銀河物理学特論 I: 講義3-4:銀河の化学進化 Erb et al. 2006, ApJ, 644, 813 2009/07/06

Mass-metallicity relation of z~3 LBGs: 近赤外線での輝線分光観測による金属量決定。 Maiolino et al. 2008, A&A,488, 463

Mass-metallicity relation of z~3 LBGs: 銀河の星質量と金属量(酸素の組成比に直した場合)の赤方偏移依存性。この関係は赤方偏移に依存して進化し、高赤方偏移では金属量が下がることが示唆されている。 Maiolino et al. 2008, A&A, 488, 463

Metallicity from IS absorption lines: 銀河のスペクトルにみられる星間吸収線による金属量決定。 Savaglio et al. 2004, ApJ, 602, 51

Metal abundances of damped-Lya galaxies: Damped Lya system に付随する金属吸収線を用いてそれぞれの金属の組成量を推定する。 Z=2.8110 system Fe, Si, Zn, Ni, S, Mg, Cr, C, N, O Z=4.0803 system Fe, C, Si, Al, Ni Z=0.8598 system Fe, Mn, Zn, Cr, Mg Lu et al. 1996, ApJS, 107, 475

? Metal abundances of damped-Lya galaxies: Fe/H は同じ年齢の銀河系内の星に比べると小さい。組成比は銀河系のハローの星に近く、Type-II 超新星の寄与が大、Type-Ia 超新星の寄与は小さい。 ? Lu et al. 1996, ApJS, 107, 475

Metal abundances of Gamma-ray Burst Absorption systems: GRB に見られた DLA に付随する金属吸収線を用いてそれぞれの金属の組成量を推定する。 Prochaska et al. 2007, ApJ, 666, 267