Type Ia SN 2014J D140003 高木 勝俊 ・ Zheng et al. 2014 2014/04/21 雑誌会 Type Ia SN 2014J ・ Zheng et al. 2014 ・ Goobar et al. 2014 ・ Tsvetkov et al. 2014 ・ Kelly et al. 2014 D140003 高木 勝俊
超新星(supernova)とは 超新星 重力崩壊 型の爆発 I型 II型 Ia型 Ib/Ic型 II P型 II L型 白色矮星 の核爆発 雑誌会 2014 / 04 / 21 2 超新星(supernova)とは 爆発後 爆発前 星が一生の最期に起こす大爆発 スペクトルの特徴で分類 超新星 SN 1987A no H H 重力崩壊 型の爆発 I型 II型 Si no Si Ia型 Ib/Ic型 II P型 plateau He no He II L型 linear 白色矮星 の核爆発 Ib型 Ic型 II n型 narrow (Filippenko 1997)
Ia型超新星の最近 連星系を成している白色矮星が伴星からの質量降着で爆発 伴星の正体不明 雑誌会 2014 / 04 / 21 3 Ia型超新星の最近 連星系を成している白色矮星が伴星からの質量降着で爆発 伴星の正体不明 Single Degenerate or Double Degenerate ?? 観測でできそうなこと ・ できるだけ爆発直後から観測したい ・ できるだけ長くまで観測したい ( しかもできるだけ精度よく ) ターゲットになりそうなもの ・ 本質的に明るいIa型 → 期待薄 ・ とても近いIa型
これまでの近傍Ia型超新星 極大での絶対等級が -19等 極大での見かけの等級が ~10等 数Mpc 以内(10年に1度) 雑誌会 2014 / 04 / 21 4 これまでの近傍Ia型超新星 極大での絶対等級が -19等 極大での見かけの等級が ~10等 数Mpc 以内(10年に1度) 数Mpc以内に現れたIa型 SN 1972E ( 2.5 ~ 8.0 Mpc ) SN 1986G ( 3.8 ± 10.1 Mpc ) SN 2011fe ( 6.4 ± 0.7 Mpc ) SN 2011fe (大学間連携) 早くから観測できたものの例 SN 2013dy ( ~13 Mpc ) (Zheng+ 2013)
Ia型超新星 SN 2014J M82 ( ~3.5 Mpc ) に出現 発見日 2014年1月21日 SN 2014J 雑誌会 2014 / 04 / 21 5 Ia型超新星 SN 2014J M82 ( ~3.5 Mpc ) に出現 発見日 2014年1月21日 SN 2014J M82 (棒渦巻銀河?) 板垣さん、坪井さん、菅野さんなど 1/15-21にM82を撮っていたが見逃していた SN 2014Jは、UT 2014年1月21日19時20分に、ロンドン大学天文台のスティーブ・J・フォッシーによって発見された。 当時実習のために学生指導を行っていたフォッシーは、学生が選んだM82にカメラを向けた。すると、今まで存在しなかった明るい天体がある事に気づいた。 別のカラーフィルターや望遠鏡に切り替え、見間違いや機器ノイズ等のエラーである可能性を無くして報告した。 既に論文が7編くらい ① Zheng et al. 2014 ② Goobar et al. 2014 ③ Tsvetkov et al. 2014 ④ Kelly et al. 2014 (Wikipedia, 一部略)
かなた+HOWPolで撮ったSN 2014J 非常に強いReddening E(B-V)MW = 0.14 mag 雑誌会 2014 / 04 / 21 6 かなた+HOWPolで撮ったSN 2014J 非常に強いReddening ⊕ ⊕ ⊕ E(B-V)MW = 0.14 mag S Si Si E(B-V)host ~ 1.2 mag RV host < 2 Ca 20140122 (Goobar+ 2014) ※ AV = RV * E(B-V) DIB Diffuse Interstellar Bands 濃いダスト成分を示唆 DIB Na I D (Host)
超基本パラメータを求めたい 初期観測で知りたいパラメータ ・ 極大日 ・ 極大等級 ・ rising time ・ Δm15 雑誌会 2014 / 04 / 21 7 超基本パラメータを求めたい Rising time ~月 ~年 Δm15 初期観測で知りたいパラメータ ・ 極大日 ・ 極大等級 ・ rising time ・ Δm15 B band LC 発見 爆発日 極大日 極大15日後
① Zheng et al. 2014 1月のうちにArXivにあがっていた 爆発日を高精度で推定 1月 14.75 ± 0.21 日 雑誌会 2014 / 04 / 21 8 ① Zheng et al. 2014 1月のうちにArXivにあがっていた 爆発日を高精度で推定 1月 14.75 ± 0.21 日 (First Detectの0.8日前) Atel掲載の、光度曲線のズレから求めたE(B-V)total を採用してderreden spectraを求めた
② Goobar et al. 2014 母銀河での吸収量の見積もり 有意な時間変化が無いことを確認 雑誌会 2014 / 04 / 21 9 ② Goobar et al. 2014 超初期に見られる C,Oの吸収が無い? 光度曲線の形から、E(B-V)host = 1.22, and RV = 1.4 と推定 DIBのEWから、AV = 2.5 と推定 母銀河での吸収量の見積もり 有意な時間変化が無いことを確認
③ Tsvetokov et al. 2014 雑誌会 2014 / 04 / 21 典型的なIa型スペクトル 10 ③ Tsvetokov et al. 2014 spec 典型的なIa型スペクトル Normal “unreddened” SN Ia 2011feとのカラーのズレ具合からE(B-V)を推定 典型的なIaの極大絶対等級との差からRVを推定 1月24日 3月3日 極大1ヶ月後までのLC = 典型的なIa型 極大日推定 → rising time 推定 19.2d E(B-V)host = 1.16 mag, and RV host ~ 1.5 赤化を強く受けたIa型では普通 (Wang et al. 2008)
④ Kelly et al. 2014 - 1 Upper limit から計算したSED RS Ophに似ている(かも) 雑誌会 2014 / 04 / 21 11 ④ Kelly et al. 2014 - 1 Keck (+AO) で位置を特定 → HST画像 Upper limit から計算したSED Keck HST RS Ophに似ている(かも)
④ Kelly et al. 2014 - 2 今回決めたlimit RS Ophは除外 RG, BRGも除外 U Scoはアリ 雑誌会 2014 / 04 / 21 12 ④ Kelly et al. 2014 - 2 RS Ophは除外 RG, BRGも除外 U Scoはアリ He-donor star や V445 Pupも一部アリ MS 今回決めたlimit RS Oph : 回帰新星 U Sco : 回帰新星 V445 Pup : 古典新星
ま と め ❐ 史上2番目(実質1番目)の近傍に現れた ❐ 発見は遅れたものの爆発直後のデータある。爆発日推定。 雑誌会 2014 / 04 / 21 13 ま と め ❐ 史上2番目(実質1番目)の近傍に現れた ❐ 発見は遅れたものの爆発直後のデータある。爆発日推定。 ❐ 普通のIa型 but 強いreddeningを受けている ❐ 爆発前のHSTにprogenitor systemは写っていない <感想> ・ たったこれだけで論文が7本も… ・ 素早さで優位に立つのは厳しそう ・ Keckをすぐに使えるあたり、質でも優位に立つのは厳しそう → 勝ちきるのは難しい ※ 偏光データで論文化予定(Kawabata? Maeda? et al. in prep.)