村岡和幸 (大阪府立大学) & ASTE 近傍銀河 プロジェクトチーム

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村岡和幸 (大阪府立大学) & ASTE 近傍銀河 プロジェクトチーム

近傍銀河観測の目的 (ミリ波)サブミリ波帯の(multi-)line観測から、 星間物質・分子雲のさまざまな性質や物理量 (質量・密度・温度・金属量・運動・進化段階 etc...)をパラメータとして、 銀河中の星形成則を(総合的に)理解する。 ASTEでは、特に高励起の輝線(J=3-2 以上)を使い、高温・高密度の分子ガスの分布や星形成との関係を調べている。  (ただし、CI(3P1-3P0)の観測も進めている)

2010 – 2011年の近傍銀河観測 2010年 (CATS345 & Band8 QM) 2011年 (CATS345) M 33 Magellanic Clouds 2011年 (CATS345) M 83 NGC 6822

Magellanic Clouds d = 50 – 60 kpc Low-metallicity environment Young and massive star forming clusters => Relation between properties of ISM and star/cluster formation ASTE observations: 12CO(3-2) & 13CO(3-2) Determination of physical properties (temperature and density) of dense molecular clumps CI(3P1-3P0) Evolution and/or photo-dissociation effects

(1) LMC: 12CO(3-2), 13CO(3-2), & 13CO(1-0) HII領域も若い星団も付随しない 小規模HII領域のみ付随 若い星団 大規模HII領域が付随 Type I (GMC225) 100 Tkin (K) Type II (N206D) 10 103 104 n(H2) (cm-3) Type III (30Dor, N159) GMCの進化段階 クランプの密度上昇、温度上昇 (Fukui 2006, Kawamura et al. 2009) (Minamidani et al. 2008, Minamidani et al. 2011) 150 pc

(2) SMC: 12CO(3-2), 13CO(3-2) 13CO(1-0) obs.: on-going (with Mopra) (Kizawa, Minamidani, Onishi et al. ) 13CO(1-0) obs.: on-going (with Mopra) Temperature, density <= LVG model Comparison with star formation signatures Evolutionary sequence and properties Comparison with LMC, M.W., … Contour: NANTEN 12CO(1-0) (Mizuno+2001) N12A 12CO(3-2) N12A 13CO(3-2)

(3) Band8QM CI observation: LMC Evolution and/or photo-dissociation effects on dense molecular clumps Observed four CO peaks (N159W, E, S, GMC225) : total 24hrs => Detected from all observed peaks Image : I.I. (CI) Red contour : I.I. (12CO3-2) White : CI Red : 12CO3-2 N159W Relatively intense CI emission from GMC225 => young phase ? Comparison with models

M 33 (D = 840 kpc) OTF Observations Target object M33 主要GMC HII領域 NGC604 Receiver CATS345 BAND8 QM Line 12CO(3-2) CI(3P1-3P0) Period 2010年6月~9月 145 時間 (26 日) 2010年11月 12時間 (3日) Velocity resolution 2.5 km/s Tsys 150 ~ 500 K 1500 ~ 5000 K Noise level 10 ~ 40 mK (Ta*) 70 mK (Ta*) Not detected

CO (3-2) & CO(1-0) map 非常によく似た分布 Color: CO(3-2) Grey: CO(1-0)

CO(3-2)/CO(1-0)比はGMCにより大きく異なる Grey: Hα Red: CO(1-0) contour (Onodera et al. in prep.)