呼吸器疾患 疾患別研修
(Chronic Obstructive Pulmonary Disease) 慢性閉塞性肺疾患 COPD (Chronic Obstructive Pulmonary Disease)
COPDとは… 喫煙によるタバコ煙などで有害物質を長期に吸引することにより生じた 肺の炎症性疾患である 不可逆的な気流閉塞を示す 気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変が複合的に作用することにより 起こり、進行性である
病態 中枢気道病変 末梢気道病変 肺胞病変(気腫病変) 肺血管病変 気道粘膜下線の増大 気道粘膜の過分泌 壁の線維化など 喀痰 気道の狭窄 気流制限 肺胞病変(気腫病変) 肺胞の破壊 肺血管病変 肺弾性収縮力の低下 内膜や平滑筋の肥厚 気流制限 肺過膨張 ガス交換障害 壁の線維化など 肺高血圧症 右心負荷
プロテアーゼを介した組織破壊から肺を守る。 危険因子 最重要因子 重要因子 可能性の指摘されている因子 外因性因子 タバコ煙 大気汚染、受動喫煙、 職業上の粉塵や化学物質の曝露 呼吸器感染、社会経済的要因 内因性因子 α1-アンチトリプシン欠損症 遺伝子変異、気道過敏性、 自己免疫、老化 α1-アンチトリプシン 欠損 肺の主要な抗蛋白分解酵素。 蛋白分解酵素による組織破壊と気腫の増大を招く プロテアーゼを介した組織破壊から肺を守る。
症状 労作時息切れ、慢性の咳嗽、喀痰が3大症状 COPDが進行すると、肺過膨張によって胸郭が拡張するために、肋骨が 水平となりビア樽状の胸郭となって腹部が突出する「ビア樽状胸郭」が みられる 呼吸機能の低下や低酸素血症による呼吸仕事量の増加により呼吸が困 難になるために、気道内圧を上昇させて呼気時の気道閉塞を防ぎ、肺内 の空気を効率よく吐くために口をすぼめた呼吸をする「口すぼめ呼吸」が みられる
検査 スパイロメトリーの指標 指標 評価/特徴 努力肺活量(FVC) ・最大限に息を吸い込んだ状態から思い切り早く息を吐きだしたときの 空気の総量のこと。 ・COPDが進行すると努力肺活量は低下する。 1秒量(FEV1) ・最大に息を吹き込んだ状態から思い切り早く息を吐きだしたときの、 最初の1秒間で吐きだされる空気のこと。 ・気道狭窄があるときには1秒量は低下する。 1秒率(FEV1/FVC) ・1秒量(FEV1)/努力肺活量(FVC)×100% 対標準1秒量(%FEV1) ・性別、身長、年齢から求めた予測値に対する比率。 ・1秒量実測値/1秒量予測値×100% フロー・ボリューム曲線 (flow-volume曲線) ・気流速度と肺気量の関係を図で表したもので、曲線の形状から COPDを診断できる。 ・スパイロメトリー測定の手技の正当性が確認できる。
検査 呼吸機能検査 1秒率(FEV1%)低下 ピークフロー(PEF)値低下 残気量増加 肺コンプライアンス上昇 スパイロメーター 努力性肺活量のうちの 最初の1秒間に吐き出された空気の量 胸いっぱいに息を吸い込み、 一気に吐き出した空気の量 呼吸機能検査 スパイロメーター 1秒率(FEV1%)低下 ピークフロー(PEF)値低下 残気量増加 肺コンプライアンス上昇 1秒量が努力肺活量に占める割合。基準値は70%以上。 1秒率が低い場合は、気道が狭くなって息が吐きにくくなっている可能性があり。 ピークフロー値:力いっぱい息をはき出したときの息の速さ(速度)の最大値 上昇:肺の弾性収縮力が低下して膨らみすぎ、速く息を吐くことができない状態。 ピークフローメーター
検査 胸部X線所見 動脈血ガス分析 心電図 肺野の透過性亢進 横隔膜低位、滴状心 横隔膜の呼吸性変動減少 胸骨後腔の拡大 PaO2低下 空気が充満しているため 黒っぽく見える。 胸部X線所見 肺野の透過性亢進 横隔膜低位、滴状心 横隔膜の呼吸性変動減少 胸骨後腔の拡大 過膨張した肺は心臓を外から圧迫し、 さらに横隔膜を下に押し下げるため、 心臓の陰影は縦に長く引き延ばされ 立位となる。 動脈血ガス分析 基準値 大動脈や肺動脈は心臓に固定されているため、過膨張した肺により、 心臓は時計軸回転し、右心室はより前面に、左心室はより後方に偏位する。 過膨張し空気を満たした肺が心臓と胸壁の間に入り込むため、QRSの電位は 低くなる。慢性的な低酸素状態により末梢の肺動脈は収縮し、肺高血圧症を 引き起こす。さらに肺の組織破壊や肺における毛細血管の損傷により肺血管 抵抗は増大し、それが長期間持続すると右房拡大や右室肥大を招く。 PaO2低下 PaCO2上昇 PaO2:80~100Torr PCO2:35~45Torr 心電図 右軸偏位:進展すると肺性心(心不全)の所見
病期分類 病期 スパイロメトリー 症状 0 期 リスク群 スパイロメトリー正常 慢性の咳嗽、喀痰。 Ⅰ期 軽症 (軽度の気流制限) FEV₁/FCV<70% FEV₁≧80% 症状がみられないこともあるが、呼吸困難に先行して 慢性の咳嗽、喀痰がみられることもある。 Ⅱ期 中等症 (中等度の気流制限) 50%≦FEV₁<80% 体動時の呼吸困難を自覚し、日常生活にも支障をきたす。 Ⅲ期 重症 (高度の気流制限) 30%≦FEV₁<50% 呼吸困難の悪化とともに呼吸不全、右心不全、体重減少などの合併症状がみられる。 Ⅳ期 最重症 (極めて高度の気流制限) FEV₁<30%あるいは 3FEV₁<50% 呼吸困難の悪化および呼吸不全、右心不全、体重減少などの合併症状がみられる。
(必要時に応じて短時間作用性気管支拡張薬) 安定期の病期別管理 外科療法 換気補助療法 ※増悪を繰り返す症例には、長時間作用性気管支拡張薬に加えて 吸入ステロイド薬や喀痰調整薬の追加を考慮する 酸素療法 吸入ステロイド薬※ 長時間作用性抗コリン薬・β2刺激薬の併用 (テオフィリンの追加) 管理法 長時間作用性抗コリン薬またはβ2刺激薬 (必要時に応じて短時間作用性気管支拡張薬) 呼吸リハビリテーション(患者教育・運動療法・栄養管理) 禁煙・インフルエンザワクチンの接種・全身依存症の診断と管理 病期 0 期:リスク群 Ⅰ期:軽症 Ⅱ期:中等症 Ⅲ期:重症 Ⅳ期:最重症 %FEV₁ ・スパイロメトリーは正常 ・慢性の咳嗽、喀痰 FEV₁/FCV<70% FEV₁≧80% 50%≦FEV₁<80% 30%≦FEV₁<50% FEV₁<30%あるいは 3FEV₁<50%かつ 慢性呼吸不全あるいは 右心不全合併
禁煙 喫煙を続けるかぎり、病気の進行を止めることはできない たばこに対する依存性の強い人はニコチンパッチやニコチンガムなどの ニコチン代替療法や、専門医の指導のもと非ニコチン製剤の飲み薬を 使って、禁煙する方法もある
医療用医薬品 ニコチネルTTS チャンピックス(一般名:バレニクリン) 4週間 第1~3日目 2週間 第4~7日目 2週間 第8日目以降 禁煙する1週間前から 服用開始 ニコチネルTTS 経皮吸収ニコチン製剤 4週間 チャンピックス(一般名:バレニクリン) ニコチネルTTS30を1日1回1枚、24時間貼付 α4β2ニコチン受容体部分作動薬 2週間 第1~3日目 0.5mgを1日1回食後に経口投与 ニコチネルTTS20を1日1回1枚、24時間貼付 第4~7日目 0.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与 2週間 ニコチネルTTS10を1日1回1枚、24時間貼付 第8日目以降 1mgを1日2回朝夕食後に経口投与 ※なお、最初の4週間に減量の必要が生じた場合は、 ニコチネルTTS20を貼付する。 本剤は10週間を超えて継続投与しないこと。 ※本剤の投与期間は12週間とする。
一般用医薬品 ニコチネルパッチ ニコレットガム 6週間 2週間 第1類医薬品 第②類医薬品 6週間 ニコチネル パッチ20を1日1回、 1枚を起床時から就寝時まで貼付 タバコを吸いたいと思ったとき、1回1個をゆっくりと間をおきながら、30~60分間かけてかむ。通常、1日4~12個から始めて適宜増減するが、1日の総使用個数は24個を超えないこと。禁煙になれてきたら(1ヵ月前後)、1週間ごとに1日の使用個数を1~2個ずつ減らし、1日の使用個数が1~2個となった段階で使用をやめる。なお、使用期間は3ヵ月をめどとする。 2週間 ニコチネル パッチ10を1日1回、 1枚を起床時から就寝時まで貼付
ワクチン接種 COPD患者では、ウイルスや細菌による気道感染症が重症化し増悪の 原因となることからインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種 が勧められる
非薬物療法 呼吸リハビリテーション COPD患者では、呼吸困難のために運動を避けるようになり運動機能が 低下して呼吸困難が悪化するため、運動療法で運動耐容能を改善させ ることが重要 運動療法は、呼吸リハビリテーションの中核にあり、運動耐容能を改善 し呼吸困難を軽減して患者のQOL・ADLを改善する 患者の体力や症状に合わせて定期的に継続して行う
栄養療法 COPD患者では、中等症以上で体重減少または除脂肪体重(LBM)の減少が 多くみられ、栄養療法を行う必要がある 栄養療法を行うための栄養評価には、体重測定、%標準体重(IBW)や体重 脂肪(BMI)を指標として用いる ※除脂肪体重=全体重-体脂肪 (すなわち、筋肉、骨、内臓などの総量のこと) COPD患者にやせ型が多い理由 ・肺がうまく換気できずに呼吸筋の仕事量が増加する ・食事量が低下する ・胃腸の動きが低下する ・抑うつ状態になる ・動かないことにより筋肉が萎縮する ・食事時の呼吸の乱れや誤嚥などのために食欲が低下する
酸素療法 COPDで慢性呼吸不全の患者では、酸素を供給するために酸素療法を行う 安定期では、在宅酸素療法(HOP)を行う 1日15時間以上酸素を吸入する長期酸素療法(LTOT)によって患者の生存率が 上昇する HOTによるメリット ・活動的になれる ・心臓への負担を軽減する ・息切れが改善する ・入院回数を減らすことができる ・長生きができる ・生きがいのある生活を送ることができる etc...
薬物療法 抗コリン薬(副交感神経遮断薬) β2刺激薬 キサンチン誘導体 吸入ステロイド薬 配合薬 去痰薬
抗コリン薬(副交感神経遮断薬) 気道平滑筋のムスカリンM3受容体に対するアセチルコリンの結合を阻害 して気管支収縮抑制作用を発現する β2遮断薬よりも、気管支拡張効果は強い 吸収率が低く、常用量の使用であれば全身性の副作用はほとんど問題 にならない 副作用:口渇、嘔気、頭痛、心悸亢進、排尿困難、咽喉刺激感、便秘など 禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大等による排尿障害のある患者
短時間作用型(SAMA) 長時間作用型(LAMA) 作用時間が6~9時間 作用時間が12~24時間 アクリニジウム (エクリラ) (エロゾル) (エロゾル) (ジャヌエア) (エリプタ) アクリニジウム (エクリラ) チオトロピウム (エンクラッセ) 気管支喘息への 適応なし イプラトロピウム (アトロベント) オキシプロピウム (テルシガン) (カプセル) (カプセル) (レスピマット) グリコピロニウム (シーブリ) ウメクリジニウム (スピリーバ)
デバイスの違い 定量噴霧吸入器(MDI) ドライパウダー吸入器(DPI) 患者さんの状況に合わせて 使いやすいものを選択することが大切 必要な量の薬が霧状になって出てくるため、それを吸い込むタイプの吸入器 吸入器に充填されている粉末状の薬を、自分で吸い込むタイプの吸入器 ゆっくり吸入 吸う力が弱くても使える 強く、速く吸入 吸い込む力が必要 噴霧剤(ガス)が使われている 噴霧剤(ガス)が使われていないため 匂いや刺激臭が少ない 薬を出すタイミングと 息を吸い込むタイミングを 合わせる必要がある 自分のタイミングで吸入できる ネブライザーやスペーサーなどの吸入補助器具の使用
β2刺激薬 気管支平滑筋のβ2受容体を刺激し気管支平滑筋を弛緩させて気管支 を拡張させる 抗コリン薬よりも気管支拡張効果の立ち上がりが速やか 内服薬、注射薬、MDI、DPI、貼付薬、ネブライザーなど剤形が多い 副作用:心悸亢進、振戦、頭痛、めまい、高血糖、血清K値低下など 高血圧、心疾患、甲状腺機能亢進症、糖尿病の患者には注意して使用
剤形が多様 錠剤・カプセル 顆粒・散剤 シロップ 貼付 注射 吸入 インダカテロール(オンブレス) クレンブテロール(スピロペント) サルブタモール(ベネトリン、サルタノール他) サルメテロール(セレベント) ツロブテロール(ホクナリン、ベラチン) テルブタリン(ブリカニール) フェノテロール(ベロテック) プロカテロール(メプチン) ホルメテロール(オーキシス) イソプレナリン(プロタノールL、アスプール) イソプロテレノール・プロナーゼ(イソパール・P) エフェドリン トリメトキノール(イノリン) dl-メチルエフェドリン(メチエフ) メトキシフェナミン 剤形が多様
サルブタモール(ベネトリン、サルタノール他) 発作時に使用(リリーバー) 発作を予防 (コントローラー) β2刺激薬の吸入薬 短時間作用型(SABA) 長時間作用型(LABA) サルブタモール(ベネトリン、サルタノール他) フェノテロール(ベロテック) プロカテロール(メプチン) イソプレナリン(アスプール) トリメトキノール(イノリン) インダカテロール(オンブレス) サルメテロール(セレベント) ホルモテロール(オーキシス) ※気管支喘息に適応なし
キサンチン誘導体 非特異的なホスホジエステラーゼ阻害作用により細胞内のcAMP濃度を 増加させ気管支平滑筋を弛緩させる テオフィリンの有効血中濃度は5~20μg/mL、中毒域は20μg/mL以上 発熱時にはテオフィリンの血中濃度が上昇するので、減量するなど注意 主としてCYP1A2により代謝される 副作用:痙攣、意識障害、横紋筋融解症、高血糖症、動悸、頻脈、不眠、 消化器症状(悪心・嘔吐、腹痛、食欲不振)など
テオフィリンと併用注意の薬剤等 キサンチン誘導体 アミノフィリン(ネオフィリン、アプニション) ジプロフィリン テオフィリン(テオドール、テオロング、スロービッド、アプネカット) プロキシフィリン(モノフィリン) テオフィリンと併用注意の薬剤等 キサンチン系薬、中枢神経興奮薬、交感神経刺激薬(β刺激薬)、ハロタン、ケタミン、シメチジン、 メキシレチン、プロパフェノン、アミオダロン、エノキサシン、ピペミド酸、シプロフロキサシン、 ノルフロキサシン、トスフロキサシン、パズフロキサシン、プルリフロキサシン、エリスロマイシン、 クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、チアベンダゾール、チクロピジン、ベラパミル、ジルチアゼム、 フルボキサミン、フルコナゾール、ジスルフィラム、デフェラシロクス、アシクロビル、バラシクロビル、 インターフェロン、イプリフラボン、シクロスポリン、アロプリノール、ザフィルルカスト、リファンピシン、 フェノバルビタール、ランソプラゾール、リトナビル、フェニトイン、カルバマゼピン、ジピリダモール、 ラマトロバン、リルゾール、タバコ、セイヨウオトギリソウ含有製品 タバコはCYP1A2を誘導するので 喫煙・禁煙によりテオフィリンの血中濃度が変動
吸入ステロイド薬 炎症細胞の肺・気道内への浸潤を抑制し、かつ炎症細胞自体の遊走お よび活性化を抑制する。また血管の透過性、気道分泌、気道過敏性、 サイトカインの産生を抑制する COPDの適応はないが、Ⅲ期以上で増悪を繰り返す場合に使用が推奨 されている 副作用:口腔・咽喉頭症状(不快感、刺激感)、嗄声、口腔カンジダ症など
吸入ステロイド薬 シクレソニド (オルベスコ) フルチカゾン (フルタイド) ブテゾニド (パルミコート) ベクロメタゾン (キュバール) (インヘラー) (ディスカス) (ロタディスク) (エアゾール) シクレソニド (オルベスコ) フルチカゾン (フルタイド) (タービュヘイラー) (吸入液) (エアゾール) (ツイストヘラー) ブテゾニド (パルミコート) ベクロメタゾン (キュバール) モメタゾン (アズマネックス)
配合薬(吸入) 抗コリン薬・β刺激薬配合 剤 アノーロ (ウメクリジニウム・ビランテロール) ウルティブロ (エリプタ) (カプセル) (レスピマット) アノーロ (ウメクリジニウム・ビランテロール) ウルティブロ (グリコピロニウム・インダカテロール) スピオルト (チオトロピウム・オロダテロール)
β刺激薬・吸入ステロイド配合剤 ※COPDに適応なし アドエア (サルモテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル) シムビコート (エアゾール) (ディスカス) (タービュヘイラー) アドエア (サルモテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル) シムビコート (ホルモテロール・ブテゾニド) (エアゾール) (エリプタ) フルティフォーム (ホルモテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル) レルベア (ビランテロール・フルチカゾンフランカルボン酸エステル)
去痰薬 COPD患者では、痰が多く喀痰に困難を生じる 痰量の多い患者は少ない患者に比べて1秒率(FEV1)の経年的な低下が 大きくなるため、痰への対処が重要 気道分泌促進薬、気道粘液溶解薬、気道粘液修復薬、気道潤滑薬など に分類できる
気道分泌促進薬 主に気道の漿液性分泌とリソソーム様顆粒の分泌を促進することで、 リソソーム酵素によって痰を溶解し、痰の粘液を低下させる 肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌促進作用、線毛運動亢進 作用もある エプラジノン(レスプレン) 桜皮エキス(プロチン) ブロムヘキシン(ビソルボン) 気道粘液溶解薬 粘液のムコタンパク質のジスルフィド結合(-S-S-)を開裂し、粘液の粘度を 低下させて喀痰の排出を容易にする アセチルシステイン(ムコフィリン) アンモニア・ウイキョウ精 L-エチルシステイン(チスタニン) L-メチルシステイン(ペクタイト、ゼオチン)
気道粘液修復薬 気道粘液溶解薬 粘液構成成分を調整(喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化) 喀痰粘度低下作用あり 気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復促進作用もあり L-カルボシステイン(ムコダイン) フドステイン(クリアナール、スペリア) 気道粘液溶解薬 気道粘液分泌促進作用と線毛運動亢進作用を示す 肺表面活性物質(肺サーファクタント)の分泌促進作用により、気道壁を 潤滑にして痰の滑りをよくさせる アンブロキソール(ムコソルバン)
増悪期の管理 COPDの増悪とは、息切れの増加、咳の喀痰の増加、胸部不快感・違和感の 出現あるいは増強などを認め、安定期の治療の変更あるいは追加を要する 状態をいう 増悪は患者のQOLや呼吸機能を低下させ、生命予後を悪化させる 増悪の重症度の評価は、症状、病歴、徴候・身体所見、パルスオキシメーター (動脈血ガス分析)などの臨床検査に基づいて総合的に評価する 呼吸不全を呈している患者や病期がⅢ期(高度の気流閉塞)以上の患者では、 入院加療が勧められる
増悪時の薬物療法 気管支拡張薬 短時間作用型β2刺激薬(SABA)の吸入が第一選択 ガス交換の悪化による低酸素血症に注意 短時間作用型β2刺激薬(SABA)の吸入が第一選択 短時間作用型β2刺激薬(SABA)の吸入だけで十分な効果が得られない 場合は、吸入抗コリン薬の併用が行われる 短時間作用型β2刺激薬(SABA)の心循環系の副作用が問題になるとき は、吸入抗コリン薬が第一選択となる 吸入気管支拡張薬の投与が奏効しないときは、テオフィリン薬(経口投与 ないし多くはアミノフィリンの静脈注射)を併用
ステロイド薬 抗菌薬 ステロイド薬の経口または経静脈投与などの全身投与は、増悪から回復さ せるまでの時間を短縮し、肺機能をより早く回復させる 安定期の病期がⅢ期(高度の気流制限)以上の増悪症例、入院管理が必要 な症例、外来管理でも呼吸困難が高度な症例では、ステロイド薬の使用が 勧められている プレドニゾロン30~40mg/日を10~14日間が目安 抗菌薬 喀痰量や喀痰の膿性の増加があれば、細菌性気道感染症の可能性が高く、 抗菌薬の投与が推奨される
気管支喘息
気管支喘息とは… 気道粘膜の慢性炎症性疾患で可逆性の気道狭窄と気道過敏性亢進が 生じ、その結果、気道狭窄による痰と喘鳴を伴った発作性の呼吸困難を 繰り返す病態 長期罹患した患者では、気道上皮基底膜直下の線維化、平滑筋の肥厚、 粘膜下腺の過形成などからなる気道のリモデリングが見られ、非可逆 的な気流制限と持続的な気道過敏性の亢進をもたらし、喘息が難治化 すると考えられている
病態 気道粘膜の慢性炎症性疾患で可逆性の気道狭窄と気道過敏性亢進が 生じ、その結果、気道狭窄による咳と喘鳴を伴った発作性の呼吸困難を 繰り返す 長期罹患した患者では、気道上皮基底膜直下の線維化、平滑筋の肥厚、 粘膜下腺の過形成などからなる気道リモデリングが見られ、非可逆的な 気道制限と持続的な気道過敏性の亢進をもたらし、喘息が難治化する
分類 好発年齢 特徴 外因型 (アトピー型) 内因型 (非アトピー型) ・小児期(10歳以下) ・男児は女児に比べ発症率が高い ・アレルゲンが明らかで、遺伝的素因が強いもの (アレルゲンとしてはハウスダストやダニが多い) ・Ⅰ型アレルギー反応に伴うことが多い 内因型 (非アトピー型) ・成人期(40歳以上) ・アレルゲンが不明なもの ・遺伝的な素因は少ない ・ウイルス感染、温度変化などの要因が示唆されている
症状 慢性的に存在する気管支の炎症である「慢性期」と、刺激物質への曝露 をきっかけとして急激に起こる喘息発作である「急性期」がある 喘息の発作時には、喘鳴を伴う発作性の呼吸困難、胸苦しさ、咳(夜間、 早朝に出やすい)が認められる 症状は季節性の場合と持続性の場合があり変動しやすく、環境因子の 刺激によって誘発される 症状は反復してみられ、安静時にも出現する
診断 以下の項目を目安として診断する 発作性呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳(夜間、早朝に出現しやすい)の反復 可逆性の気道制限 ・発作が無症状期を挟んで反復し、安静時でも出現すること ・安静時には呼吸困難がなくても、運動、労作時に呼吸困難(息苦しさ)を感じること 可逆性の気道制限 ・気道制限は自然に、あるいは治療により寛解する ・ピークフローが20%以上の日内変動を示していること ・β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200mL以上増加していること
気道過敏性の亢進 アトピー素因の存在 気道炎症の存在 ・健常者が反応しない程度の刺激によっても気道収縮反応を起こすこと ・アセチルコリン、その誘導体メサコリン、あるいはヒスタミンなどに対して気道収縮反応の 亢進を示すこと アトピー素因の存在 ・種々の環境アレルゲンに対する特異的IgE抗体が存在すること (特異的IgE抗体の存在はアトピー素因の存在を示す) 気道炎症の存在 ・喀痰中、末梢血中の好酸球の増加、好酸球顆粒内タンパク高値の証明、喀痰中の剥離 した気道粘膜上皮(クレオラ体)の証明、呼気中の一酸化窒素(NO)濃度の上昇を示すこと 気道に炎症が起きると炎症性サイトカインが分泌され、 気道上皮で誘導型一酸化窒素合成酵素(INOS)という一酸化窒素(NO)を作る酵素が増え、 大量のNOが産生される
気管支喘息と鑑別すべき疾患 鑑別診断疾患の除外 ・症状が他の心肺疾患によらないことを確認する ・COPDは鑑別すべき重要な疾患であるが、喘息と明確に区別することが困難な場合がある 気管支喘息と鑑別すべき疾患 上気道疾患 喉頭炎、喉頭蓋炎、Vocal Cord Dysfunction(VCD) 中枢気道疾患 気管内腫瘍、気道異物、気管軟化症、気管支結核、サルコイドーシス 気管支~肺胞領域の疾患 COPD、びまん性汎細気管支炎、肺線維症、過敏性肺炎 循環器疾患 うっ血性心不全、肺塞栓閉塞症 アンギオテンシン変換酵素阻害薬などの薬物による咳 その他の原因 自然気胸、迷走神経刺激症、過換気症候群、心因性咳嗽 アレルギー性呼吸器疾患 アレルギー性気管支アスペルギルス症、 アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)、好酸球性肺炎
パルスオキシメーターによる酸素飽和度(SpO2)のモニター 検査 検査項目 特徴 スパイロメトリー 喘息の診断、重症度分類、治療の判定に用いる。 (COPDのスライド参照) ピークフロー (最大呼気流速度) どこでも測定できる便利な指標。 性、年齢、身長から求めた標準予測値や、自己最良値に対する割合で評価する。 %PEF:PEF測定値/PEF予測値or自己最良値×100% 血液ガス分析 ガス交換機能を総合的に判断する検査。 喘息発作強度の判定、特に喘息重症発作時にはスパイロメトリーによる呼吸機能検査が困難な場合が多いため、血液ガス分析が重要となる。 動脈血酸素分圧 (PaO2) ・肺における血液酸素化(静脈血の動脈血化)能力の指標であり、PaO2低下は呼吸 不全を示す ・気道狭窄が進行するとPaO2は1秒率に比例して低下する 静脈血二酸化炭素分圧 (PaCO2) ・肺胞の換気能力の指標である ・PaO2が低下すると対償性過換気でPaCO2は低下するが、気道狭窄がきわめて高度 になると換気不全となりPaCO2は一見正常化したあとに増加する パルスオキシメーターによる酸素飽和度(SpO2)のモニター ・動脈血酸素飽和度(SaO2)は生体の酸素化能の指標となる ・パルスオキシメーターは透過光を用いることでSaO2を非侵襲的かつ連続的に測定 できる
薬物治療 喘息症状を長期的に改善維持していく「長期管理」と発作時に行う「発作治療」 がある 治療薬は長期管理のために継続的に使用する「長期管理薬(コントローラー)」と 発作治療のために短期に使用する「発作治療薬(リリーバー)」の2種類に分けら れる。同じ薬剤でも製剤形態や投与方法によって「長期管理薬」としても「発作治 療薬」としても位置づけられる場合がある 治療薬の判定にはピークフロー値が有用である。喘息患者の管理においては ピークフロー値を1日2回(起床時および就寝前)毎日測定する必要がある
長期管理 治療の開始時に、症状または受診時の症状と治療状況を総合して喘息の 重症度を分類する 治療前の臨床所見による喘息重症度の分類 重症度※ 軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型 喘息症状の特徴 頻度 週1回未満 週1回だが 毎日ではない 毎日 強度 症状は軽症で短い 月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる 週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる 日常生活に制限 短時間作用性吸入β2刺激薬頓用が ほとんど毎日必要 治療下でも しばしば増悪 夜間症状 月に1~2回未満 月2回以上 週1回以上 しばしば PEF FEV1※※ %FEV1 %PEF※※ 80%以上 60%以上80%未満 60%未満 変動 20%未満 20~30% 30%を超える ※いずれか1つが認められればその重症度と判断する ※※呼吸機能は気道閉塞の程度を客観的に示し、その変動は気道過敏性と関連する。 %PEF=(PEF測定値/PEF予測値または自己最良値)×100
治療は、喘息重症度の分類に基づいて段階的に行うことが推奨されている 現在の治療を考慮した喘息重症度の分類 治療ステップについては 次のスライド参照 現在の治療における患者の症状 現在の治療ステップ ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 コントロールされた状態* ○症状を認めない ○夜間症状を認めない 軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型 軽症間欠型相当** ●症状が週1回未満 ●症状は軽度で軽い ●夜間症状が月2回未満 軽症持続型相当*** ●症状が週1回以上、しかし毎日ではない ●月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ●夜間症状が月2回以上 中等症持続型相当*** ●症状が毎日ある ●短時間作用性β2刺激薬がほとんど毎日必要 ●週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ●夜間症状が週1回以上 最重症持続型 重症持続型相当*** ●治療下でもしばしば増悪 ●症状が毎日ある ●日常生活が制限される ●夜間症状がしばしば *: 同一治療継続3~6ヶ月で ステップダウンを考慮する **: 各治療ステップにおける治療内容を強化する ***: 治療のアドヒアランスを確認し、必要に応じ是正してステップアップする
喘息の長期管理における重症度に対応した段階的薬物治療(治療ステップ) 治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4 長 期 管 理 薬 基 本 治 療 吸入ステロイド薬 (低用量) (低~中用量) (中~高用量) (高用量) 上記が使用できない場合、 以下のいずれかを用いる ・LTRA ・テオフィリン徐放製剤 (症状がまれであれば必要なし) 上記で不十分な場合には 以下のいずれか1剤を併用 ・LABA(配合剤の使用可) 上記に下記のいずれか1剤、 あるいは複数剤を併用 上記に下記の複数を併用 上記のすべてでも管理不良の場合は下記のいずれかあるいは両方を追加 ・抗IgE抗体2) ・経口ステロイド薬3) 追 加 LTRA以外の抗アレルギー薬1) 発作治療4) 吸入SABA LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬 LABA:長時間作用性β2刺激薬 SABA:短時間作用性β2刺激薬 1)抗アレルギー薬とは、メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬、トロンボキサンA2阻害薬、Th2サイトカイン阻害薬である 2)通年性吸入抗原に対して陽性かつ血清総IgE値が30~70IU/mLの場合に適応 3)経口ステロイド薬は短期間の間欠投与が原則。他の薬剤で治療内容を強化し、かつ短期間の間欠投与でもコントロールが得られない場合は、必要最小量を 維持量とする 4)軽度の発作までの対応
コントロール状態の評価 治療開始後はコントロール状態を評価して症状のコントロールが不十分であれば、現在の治 療ステップをアップして次の段階に進む 治療が奏効して良好な状態が3~6ヶ月持続していればステップダウンを考慮する ステップダウンは喘息症状が悪化しないように注意して行う ステップダウン ステップアップ コントロールレベル 状態 コントロール良好 (すべての項目が該当) コントロール不十分 (いずれかの項目が該当) コントロール不良 喘息症状(日中および夜間) なし 週1回以上 コントロール不十分の項目が 3つ以上当てはまる 発作治療薬の使用 運動を含む活動制限 あり 呼吸機能 (FEV1およびPEF) 正常範囲内 予測値あるいは自己最高値の 80%未満 PEFの日(週)内変動 20%未満 20%以上 増悪 年に1回以上 月に1回以上* *:増悪が月に1回以上あれば他の項目が該当しなくてもコントロール不良とする
発作治療 喘息症状では、わずかな喘鳴や胸苦しさから、会話、歩行不能の高度発作 に至るまで、広範囲のばらつきがある。したがって、発作時の治療では、喘 息発作強度の判定をすみやかに行い、強度に対応した治療を行う
喘息発作(急性増悪)の強度に対応した管理法 治療目標:呼吸困難の消失、体動、睡眠正常、日常生活正常 PEFが予測値または自己最良値の80%以上、酸素飽和度>95%* 平常服薬、吸入で喘息症状の悪化なし 喘息発作(急性増悪)の強度に対応した管理法 発作強度** 呼吸困難 動作 検査値 治療 自宅治療可、救急外来入院、ICU管理 喘鳴/ 胸苦しい 急ぐと苦しい 動くと苦しい ほぼ普通 PEF:80%超 SpO2:96%以上 PaO2:正常 PaCO2:45mmHg β2刺激薬吸入、頓用 テオフィリン薬頓用 自宅療養可 軽度 (小発作) 苦しいが横になれる やや困難 中等度 (中発作) 苦しくて横になれない かなり困難 かろうじて歩ける PEF:60~80% SpO2:91~95% PaO2:60mmHg超 PaCO2:45mmHg未満 β2刺激薬ネブライザー吸入反復 ボスミン(0..1%アドレナリン)皮下注 アミノフィリン点滴静注 ステロイド薬点滴静注 酸素 抗コリン薬吸入考慮 救急外来 1時間で症状改善→帰宅 4時間で反応不十分 2時間で反応なし 入院治療→高度喘息症状治療へ 高度 (大発作) 苦しくて動けない 歩行不能 会話困難 PEF:60%未満 SpO2:90%以下 PaO2:60mmHg以下 PaCO2:45mmHg以上 アミノフィリン持続点滴 1時間以内に反応なし→入院措置 悪化→重篤症状の治療へ 重篤 呼吸減弱 チアノーゼ 呼吸停止 会話不能 体動不能 錯乱 意識障害 失禁 PEF:測定不能 上記治療継続 症状、呼吸機能悪化で挿管 酸素吸入にもかかわらずPaO250mmHg以下および/または意識障害を伴う急激なPaCO2の上昇→人口呼吸、気管支洗浄、全身麻酔を考慮 直ちに入院、ICU管理 *:気管支拡張薬投与後の値を参考とする **:発作強度は主に呼吸困難の程度で判定し、他の項目は参考事項とする。異なった発作強度の症状が混在するときは発作強度の重い方をとる。
治療薬 長期管理薬 発作治療薬 β2刺激薬 キサンチン誘導体(経口) 副腎皮質ステロイド性薬 抗アレルギー薬 抗IgE抗体 配合剤 β2刺激薬(吸入) キサンチン誘導体 副腎皮質ステロイド性薬 アドレナリン(皮下注) 抗コリン薬(吸入)
β2刺激薬 ※詳しくは、COPDのスライド参照 吸入ステロイド薬と併用することによって、ステロイドがβ2受容体数を増加させ、 β2刺激薬はステロイド受容体の核内移行を促進してステロイド作用を増強する 長期管理薬 発作治療薬 クレンブテロール(スピロペント) 経口 サルブタモール(ベネトリン、サルタノール他) 経口 サルメテロール(セレベント) 吸入 ツロブテロール(ホクナリン、ベラチン) 経口、貼付 テルブタリン(ブリカニール) 経口 フェノテロール(ベロテック) 経口 プロカテロール(メプチン) 経口 イソプロテレノール・プロナーゼ(イソパール・P) 経口 エフェドリン 経口 トリメトキノール(イノリン) 経口 dl-メチルエフェドリン(メチエフ) 経口 メトキシフェナミン 経口 サルブタモール(ベネトリン、サルタノール、アイロミール) 吸入 フェノテロール(ベロテック) 吸入 プロカテロール(メプチン) 吸入 イソプレナリン(アスプール) 吸入 トリメトキノール(イノリン) 吸入 1回2吸入 1日4回まで
ツロブテロール(ホクナリン)の貼付剤について 貼付剤は、吸入や経口が困難な症例に有用 ホクナリンテープは、貼付12時間後に約74%の薬物が皮膚へ移行していることが報告されている。また、皮膚吸収(血清中濃度)に関して患者と健常成人はほぼ同等と推測されている。健常成人に24時間貼付した時の薬物の皮膚移行率が82~90%であることより、貼付12時間後の皮膚移行は24時間貼付時の約85%に相当する。 この成績から、就寝前に貼付した場合、起床後にはがれても有効性に大きな影響はないと考えられる。皮膚移行率から考えると、貼付後12時間を経てはがれた場合では再貼付する必要はないと思われるが、患者さんの症状に合わせ、先生の判断で再貼付される場合もある。なお、再貼付した場合でも経口剤より最高血中濃度が高くなることはないので問題はない。
キサンチン誘導体 気管支拡張作用とともに抗炎症作用を有する 血中濃度の管理が重要 併用注意の薬剤等が多いため注意 長期管理薬 発作治療薬 ※詳しくは、COPDのスライド参照 気管支拡張作用とともに抗炎症作用を有する 血中濃度の管理が重要 併用注意の薬剤等が多いため注意 長期管理薬 発作治療薬 アミノフィリン(ネオフィリン) 経口 テオフィリン(テオドール、テオロング、スロービット) 経口 プロキシフィリン(モノフィリン) 経口 アミノフィリン(ネオフィリン) 注射 ジプロフィリン 注射 プロキシフィリン 注射
副腎皮質ステロイド性薬 小児の成長を阻害する作用があるため、小児には漫然と長期間投与しない 長期管理薬 発作治療薬 ※詳しくは、COPDのスライド参照 小児の成長を阻害する作用があるため、小児には漫然と長期間投与しない 長期管理薬 発作治療薬 ベクロメタゾン(キュバール) 吸入 フルチカゾン(フルタイド) 吸入 ブテゾニド(パルミコート) 吸入 シクレソニド(オルベスコ) 吸入 モメタゾン(アズマネックス) 吸入 ヒドロコルチゾン(コートリル) 経口 デキサメタゾン(デカドロン) 経口 プレドニゾロン(プレドニン) 経口 メチルプレドニゾロン(メドロール) 経口 ベタメタゾン(リンデロン) 経口 etc… ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(ソル・コーテフ) 注射 プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(水溶性プレドニン) 注射 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム(オルガドロン) 注射 メチルプレドニゾロンコハク酸ナトリウム(ソル・メドロール) 注射 ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(リンデロン) 注射 etc…
抗コリン薬 迷走神経の機能が亢進している内因性気管支喘息に有効性が高い 単独ではなく補助的に用いられる 発作治療薬 ※詳しくは、COPDのスライド参照 迷走神経の機能が亢進している内因性気管支喘息に有効性が高い 単独ではなく補助的に用いられる 発作治療薬 イプラトロピウム(アトロベント) 吸入 オキシトロピウム(テルシガン) 吸入
抗アレルギー薬 ケミカルメディエーター遊離抑制薬 肥満細胞からのケミカルメディエーター(ヒスタミン、 ロイコトリエンなど)遊離を阻害する アレルゲン吸入前に用いると、Ⅰ型アレルギーは 抑制されるので予防的に用いられる 作用発現には2~3週間を要するため、少なくとも 4~8週間、毎日規則正しく用いる必要がある クロモグリク酸ナトリウム(インタール) トラニラスト(リザベン) ペミロラストカリウム (アレギサール、ペミラストン) アンレキサノクス(ソルファ)
抗ヒスタミン薬 第1世代 抗ヒスタミン薬 作用 特徴 抗コリン作用、中枢抑制作用が強いのが欠点 H1受容体遮断作用 ヒスタミンによる平滑筋収縮、毛細血管透過性亢進による浮腫、知覚神経末端刺激薬によるかゆみなどに拮抗する 中枢抑制作用 中枢内のH1受容体遮断により眠気、全身倦怠感などの原因となる 抗コリン作用 抗ヒスタミン薬の副作用である口渇、排尿困難、眼内圧上昇などの原因となる 局所麻酔作用 蕁麻疹の瘙痒を抑えるのに寄与する 制吐作用 内耳→嘔吐中枢の経路(前庭神経核のムスカリン受容体)を遮断し、動揺病、乗り物酔いに有効である 第1世代 抗ヒスタミン薬 ※気管支喘息に適応なし 抗コリン作用、中枢抑制作用が強いのが欠点 アリメマジン(アリメジン) クレマスチン(タベジール) クロルフェニラミン(ポララミン、クロダミン、ネオレスタール) ジフェニルピラリン(ハイスタミン) ジフェンヒドラミン(レスタミン) ジフェンヒドラミン塩酸塩(レスタミン、ベナ) ジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩(ベナパスタ) シプロヘプタジン(ペリアクチン) トリプロリジン(ベネン) プロメタジン(ヒベルナ、ピレチア) ホモクロルシクリジン(ホモクロミン)
抗アレルギー性 抗ヒスタミン薬(第2世代) 非鎮静性 抗ヒスタミン薬(第2世代) ヒスタミンH1受容体遮断作用の他に、ケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエンなど) 遊離抑制作用及びケミカルメディエーター拮抗作用をもつ 気管支喘息の発作予防にも用いられる 眠気がみられる アゼラスチン(アゼプチン) オキサトミド(セルテクト) ケトチフェン(ザジテン) 非鎮静性 抗ヒスタミン薬(第2世代) 抗コリン作用や中枢抑制作用に伴う眠気が弱くなっている 肥満細胞からのケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエンなど)遊離抑制作用も有する ※気管支喘息に適応なし エピナスチン(アレジオン) メキタジン(ニポラジン、ゼスラン) エバスチン(エバステル) エメダスチン(レミカット) オロパタジン(アレロック) セチリジン(ジルテック) フェキソフェナジン(アレグラ) ベポタスチン(タリオン) レボセチリジン(ザイザル) ロラタジン(クラリチン) ※特に眠気の副作用が少なく、添付文書において自動車運転に関する注意書きの記載はない
トロンボキサン関連薬 ロイコトリエン関連薬 トロンボキサン合成酵素を阻害あるいはトロンボキサンA2受容体を遮断し、トロンボキサンA2 による気管過敏性を抑制し、気管支収縮も抑制する オザグレル塩酸塩(ドメナン、ベガ) セラトロダスト(ブロニカ) ラマトロバン(バイナス) ※気管支喘息に適応なし ロイコトリエン関連薬 ロイコトリエンの作用に拮抗し、気管支平滑筋のLTC4、LTD4による収縮を抑制する プランルカスト(オノン) モンテルカストナトリウム(キプレス、シングレア) イブジラスト(ケタス)
Th2サイトカイン阻害薬 ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体 Th2細胞のIL-4、IL-5産生を抑制するとともに、肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離阻害 作用も有する スプラタスト(アイピーディ) ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体 IgEと結合し、IgEと高親和性受容体(FcεRI)の結合を競合的に阻害し、好塩基球及び肥満細胞 の炎症細胞の活性化を抑制する 凍結を避け、2~8℃で保存。 溶解は注射用水で行う。 オマリズマブ(ゾレア)
アドレナリン皮下注 交感神経のα、β受容体に作用し、気管支筋に対して弛緩作用を表し、 気管支を拡張させて呼吸量を増加させる 喘息においては、肥満細胞から抗原誘発性の炎症性物質が遊離するこ とを抑制し気管支分泌物を減少させ、粘膜の充血を減らす効果もある 副作用:肺水腫、呼吸困難、心停止など アドレナリン(ボスミン)
処方解析
処方1 大森 梅太郎 生年月日:昭和58年7月9日 33歳男性 Rp1) シムビコートタービュヘイラー 60吸入用 1個 オオモリ ウメタロウ 大森 梅太郎 前回喘息と言われ、 アドエアっていう円盤の薬を吸ってたが、 むせてだめだった。 発作が起きたとかではないが、 昔からたびたび喘息と言われてた。 今回、先生が、むせにくい薬にするって言ってたけど、 何が違うんだ? 生年月日:昭和58年7月9日 33歳男性 Rp1) シムビコートタービュヘイラー 60吸入用 1個 1日2回 1回2吸入 10歳頃に初めて喘息といわれた。 今までは風邪を引いたときしか症状がでなかったが、ここ2ヶ月程度咳が続くことが 多くなり、最近は1週間に2、3度夜間に悪化することがあり受診した。 アドエアの使用方法は理解しており、吸入は毎回行っていたが、むせてしまい 薬が吸えていないのではないかと思い、使用して2週目で再受診した。 処方1です。 ①患者さんは東京はやてさん、60歳の男性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③ここに、今回の検査値を示します。 ④ペニシリン系の薬剤での副作用歴があります。 ⑤1年前に高血圧と診断され、薬物治療を行っています。 ⑥患者さんは、「血圧がなかなか下がらず、先生からホルモン検査を勧められたので受けてきました。病名は良く分からなかったが、副腎かなにかが悪いんだって。階段を上るときとか前よりしんどくないかって先生に言われた。そう言われればそうだけど、年のせいじゃないのかな?」と話しています。 ⑦前回処方からの相違点は、セララ錠の追加です。 既往歴:アトピー性皮膚炎 併用薬:セルテクト錠、ボアラ軟膏、ヒルドイドソフト軟膏
アドエアとシムビコート フルチカゾン プロピオン酸エステル + サルメテロール ブデソニド + ホルモテロール ・どちらも炎症を抑えるステロイドと、気管支を広げるβ2刺激薬の2種類の薬が入っている ・どちらも少ない副作用で非常に高い効果があり、厳密な使い分けが必要なほどの違いはない ・フルチカゾンの方が、ブデソニドよりも免疫抑制・抗炎症作用が約10倍ほど強いが、作用が強い分、 副作用のリスクも高く、より慎重に扱わなければいけない ・デバイスの違いとして、アドエアには、MDIのエアゾールとDPIのディスカスの2タイプがあるが、 シムビコートはDPIのタービュヘイラーのみである
アドエアの方が粒子径が大きいため、むせやすいと考えられる 通常は1回1~2吸入を1日2回(合計2~4吸入) 粒子径 粒子径 4.4μm 2.4μm アドエアの方が粒子径が大きいため、むせやすいと考えられる 最大4吸入 維持療法:最大8吸入 頓服併用:最大12吸入 サルメテロールは量を増やしても効果はそれほど変わらないが、 ホルモテロールは量を増やすことで気管支拡張効果も高くなる特徴 (用量依存性)を持っている。つまり、サルメテロールを使っている アドエアの吸入量は増やすことはできないが、ホルモテロールを 使っているシムビコートは症状に合わせて吸入量を増やすことが できる。 頓服の使用方法 ①発作が起きた際に追加で1吸入 ②数分経っても治まらない場合には更に1吸入を追加する ③1~2を繰り返し、1回の発作につき最大6吸入まで、 1日最大12吸入まで増量可能 より粒子径の小さいシムビコートに変更することで、むせにくくし、治療効果を上げる。 患者さんが吸入器をしっかり使用できているのかが喘息の治療に大きな影響を与える。
処方2 川崎 鶴夫 生年月日:昭和14年3月20日 77歳男性 Rp1) スピリーバレスピマット2.5μg 60吸入用 1キット カワサキ ツルオ 川崎 鶴夫 生年月日:昭和14年3月20日 77歳男性 先生にCOなんとか、ローマ字の病名を言われた。 治るのかな? タバコは止めるようにとDrが言っていた様な気がする。 2種類機械があるそうだが、使いやすい方でいいと言われた。 何が違うんだ? どんな薬が出るんだい? Rp1) スピリーバレスピマット2.5μg 60吸入用 1キット 1日1回朝 1回2吸入 関節リウマチは治療を始めて7年程。現在は下記の併用薬で治療中。 朝方手のこわばりが見られるが、昼頃までには消失する。 喫煙は35歳くらいから今まで。 喫煙は体に悪いということは理解しているが、禁煙を考えたことはない。 咳が続いているのと、歩いているときに息切れの症状が強くなった為受診した。 処方1です。 ①患者さんは東京はやてさん、60歳の男性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③ここに、今回の検査値を示します。 ④ペニシリン系の薬剤での副作用歴があります。 ⑤1年前に高血圧と診断され、薬物治療を行っています。 ⑥患者さんは、「血圧がなかなか下がらず、先生からホルモン検査を勧められたので受けてきました。病名は良く分からなかったが、副腎かなにかが悪いんだって。階段を上るときとか前よりしんどくないかって先生に言われた。そう言われればそうだけど、年のせいじゃないのかな?」と話しています。 ⑦前回処方からの相違点は、セララ錠の追加です。 既往歴:慢性関節リウマチ 併用薬:リウマトレックスCap、プレドニゾロン錠、ガスター錠 嗜好品:タバコ25本/日
スピリーバの2タイプの吸入器 ハンディヘラー レスピマット (カプセル) チオトロピウム(抗コリン薬) 1日1回1カプセル 1日1回2吸入 適応 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解 適応 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解、気管支喘息(重度持続型の患者に限る)
スピリーバ ハンディヘラーの使い方 ①吸入直前にブリスター(アルミシート)を 1カプセルだけ取り出す ⑤吸入口に息を吹きかけないように息を 吐いてから吸入口をくわえ、ゆっくりと 深くカプセルがふるえる音が聞こえる 速さで吸い込む ②次のカプセルまではがれない ように底面のアルミシートを 番号順にゆっくりはがす ※緑色のボタンを押したまま吸入しない ※カプセルのふるえる音を確認する ③キャップを開けて吸入口を持ち上げ、 カプセルをセットし、「カチッ」と音が するまでしっかり閉める ⑥吸入口から口を離して息を止め、 ゆっくりと吐き出す ⑦カプセル内の薬剤を吸入するため、 もう一度⑤、⑥を繰り返す。吸入後は カプセルを廃棄する ④側面の緑色のボタンを確実に1回だけ 押し、カプセルに穴をあける ※吸入後、吸入口を押し倒して開け、 容器ごと逆さまにし、残った薬が 手に触れないように廃棄する ※緑色のボタンは 複数回押さない
スピリーバ レスピマットの使い方 ①キャップを閉じた状態で安全止めを ③キャップを閉じた垂直の状態で透明ケースを 押しながら透明ケースを外し、 カートリッジを本体に挿入する ③キャップを閉じた垂直の状態で透明ケースを 「カチッ」と音がするまで 時計回りに180度 回転させ、 キャップを開ける ※商品名表示面を手前にして持つ ④息を吐いてから通気孔をふさがないように 吸入口をくわえ、ゆっくりと 深く吸い込みながら 噴霧ボタンを押す ②固い台などでカートリッジを垂直に して「カチッ」と音がする までゆっくり 押し込み、 透明ケースを戻す ⑤吸入口から口を離して息を止め、 ゆっくりと吐き出す 吸入器を最初に使うときはテスト噴霧を行う キャップを閉じた垂直の状態で透明ケースを「カチッ」と音がするまで時計回りに180度回転させ、キャップを開ける 本体を下に向け噴霧ボタンを押しテスト噴霧をする ⑥1回2吸入のため③~⑤をくり返す
COPDの治療には禁煙が重要である。 喫煙を続けるかぎり、病気の進行を止めることはできない。 禁煙の大切さを伝え、無理なく禁煙できる方法を一緒に考えていくことが大切。 77歳、慢性関節リウマチの既往あり。 2つの吸入器(ハンディヘラー、レスピマット)を患者さんに実際に手をとってもらい、使いやすい方、正しく使用できる方を選択する。 この患者さんは、慢性関節リウマチにより、朝方、手のこわばりが見られるが、 昼頃までにはこわばりが消失すると話していることから、 昼以降であれば、朝よりも手が不自由なく動くと思われる。 スピリーバは1日1回の吸入であればよく、時間の指定はないので、 朝の吸入ではなく、昼か夕の吸入に変更できないか、処方医に提案する。
処方3 井戸 弘明 生年月日:平成25年10月1日 3歳男性 Rp1) Rp2) Rp3) Rp4) パルミコート吸入液0.5mg 30管 イ ド ヒロアキ 小児喘息で1年ほど前から受診している。 本人は粉薬も嫌がらず服用でき、コンプライアンスは良好。 薬の管理は母親が行っている。 今回症状の悪化のため早めの受診。 症状が落ち着いている日もあるが、 発作がひどくなり夜眠れないことも数回あった。 井戸 弘明 生年月日:平成25年10月1日 3歳男性 Rp1) Rp2) Rp3) Rp4) パルミコート吸入液0.5mg 30管 1日1回吸入 既往歴:気管支喘息 メプチン吸入液ユニット0.3ml 20本 ※前回まではオノンDS、ムコダインDS、プルスマリンADS、 メプチンDSが処方されていた。 発作時 1日0.2ml インタールに混ぜて 最近、調子悪く、痰がひっかかった咳をする。 発作もたびたび起きている。 今回から吸入を家でもするようになった。 インタール吸入液1% 20本 処方1です。 ①患者さんは東京はやてさん、60歳の男性です。 ②処方内容はここに示す通りです。 ③ここに、今回の検査値を示します。 ④ペニシリン系の薬剤での副作用歴があります。 ⑤1年前に高血圧と診断され、薬物治療を行っています。 ⑥患者さんは、「血圧がなかなか下がらず、先生からホルモン検査を勧められたので受けてきました。病名は良く分からなかったが、副腎かなにかが悪いんだって。階段を上るときとか前よりしんどくないかって先生に言われた。そう言われればそうだけど、年のせいじゃないのかな?」と話しています。 ⑦前回処方からの相違点は、セララ錠の追加です。 発作時 1日1本 メプチンを混ぜて吸入 ムコダインDS 50% プルスマリンADS 1.5% メプチンDS 0.005% 360mg 0.7g 0.45g 1日3回毎食後 7日分
パルミコート吸入液の使用方法 吸入ステロイド (長期管理薬) ③アンプルを垂直に立て、 上部をねじり切って開封する。 ①アンプル上部を持ち、前後にさくように 1回分のアンプルを切り離す。 ※容器の下部から切り離すと容器の口が 開封することがあるので、下から切り 離さないこと。 ④アンプルの開口端をネブライザー の薬液ボトルの中に入れ、薬液 すべてを搾り出す。 パルミコート吸入液 ⑤薬液ボトルをネブライザーにセットし、吸入を始める。 霧状になった薬液がネブライザーから出なくなるまで 吸入する。 ②使用直前にアンプル上部を持ち、 泡立てない程度の強さで円を描くように アンプルを振り、粒子をよく再懸濁させる。 ⑥吸入後は必ずうがい、口すすぎを行う。 フェイスマスクを使用する場合は、顔を洗う。 ネブライザー
メプチン吸入液ユニットの使用方法 β2刺激薬 抗アレルギー薬 (発作治療薬) (今回は希釈液として使用) ①メプチン吸入液ユニット、インタール吸入液の1回分のアンプルをそれぞれ切り離す。 ②まずインタール吸入液のアンプルを開封し、ネブライザーの薬液ボトルの中に入れる。 ③メプチン吸入液ユニットを開封し、薬液ボトルのインタール吸入液に必要量を滴下する。 ※メプチン吸入液が酸性であるために、メプチン吸入液にインタール吸入液を滴下 した場合は変化を起こす可能性がある為、インタール吸入液にメプチン吸入液を 滴下する。 メプチン吸入液ユニット インタール吸入液 ※1本0.3mL全量で約6滴なので、0.2mL必要であるときは約4滴となる。 ④薬液ボトルをネブライザーにセットし、吸入を始める。 霧状になった薬液がネブライザーから出なくなるまで吸入する。 混ぜない!! ※パルミコート吸入液は懸濁液なので,メプチン吸入液ユニットやインタール吸入液 などの他の吸入液とは混合しないこと。 ネブライザー
ネブライザーの手入れ 毎回 1週間に1度 長期管理薬と発作治療薬の2種類処方されていることを説明する。 吸入薬の使い方を説明する。 ①吸入後,ネブライザー先端部(ガラスのネブ球または薬液カップ+マウスピースなど)をチューブから外す。 ②ネブライザー先端部は,洗剤を入れたお湯で洗浄する。 ③その後、きれいな水でよくすすいでから水気を切り、自然乾燥させる。 1週間に1度 ①ネブライザー先端部を部品ごとに分解する。 ②食器用洗剤を2、3滴入れた水を使って10分間煮沸消毒するか、ミルトンを用いて消毒する。 ③全ての部品をきれいな水で最低2分間すすいでから水気を切り、自然乾燥させる。 ※感染症にかかっている時には、毎回煮沸またはミルトン消毒を行う。 ※ネブライザー先端部やチューブ等がカビで黒ずんだ場合には、新しいものに交換する。 長期管理薬と発作治療薬の2種類処方されていることを説明する。 吸入薬の使い方を説明する。 正しく使用できているか確認する。