宇宙プラズマ相互作用の大規模シミュレーション

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神戸大・理 2009 年度 地球および惑星大気科学実習 (2009/07/17) 資料をもとに作成.
相対論的場の理論における 散逸モードの微視的同定 斎藤陽平( KEK ) 共同研究者:藤井宏次、板倉数記、森松治.
宇宙の「気温」 1 億度から –270 度まで 平下 博之 ( 名古屋大学・理・物理 U 研 ).
宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z. 発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展.
2013 年度課題研究 P6 Suzaku によるガンマ線連星 LS I の観測データの解析 2014 年 02 月 24 日 種村剛.
YohkohからSolar-Bに向けての粒子加速
Nagai laboratory.
平成20年度 核融合科学研究所共同研究 研究会 「負イオン生成および負イオンビーム加速とその応用」 プロセスプラズマのPIC計算のモデリング
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
(Fri) Astrophysics Laboratory MATSUO Kei
第6回 制動放射 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
地球内部磁気圏探査に向けた 高エネルギーイオン観測器の設計
座長:岩田陽介 代理発表:新堀淳樹 池田昭大・山崎洋介・伊藤祐毅・麻生直希・足立潤・粕谷紳太郎・筒井寛典・井口恭介
成層圏突然昇温の 再現実験に向けて 佐伯 拓郎 神戸大学 理学部 地球惑星科学科 4 回生 地球および惑星大気科学研究室.
磁気モーメントを用いた 磁力線再結合域の推定
原始惑星系円盤の形成と進化の理論 1. 導入:円盤の形成と進化とは? 2. 自己重力円盤の進化 3. 円盤内での固体物質の輸送
相対論的輻射流体力学における 速度依存変動エディントン因子 Velocity-Dependent Eddington Factor in Relativistic Photohydrodynamics 福江 純@大阪教育大学.
降着円盤磁気流体シミュレータの開発(2) 輻射磁気流体ソルバー
日本物理学会年次大会・総合パネル討論「現代プラズマ科学の 最前線:学際連携によるプラズマ理工学のさらなる展開」
In situ cosmogenic seminar
相対論的衝撃波での粒子加速 プラズマの不安定性による磁場の生成と粒子加速について 国立天文台 加藤恒彦.
非一様空間格子幅・時間ステップ幅 および衝突効果 寺田 直樹 名古屋大学太陽地球環境研究所.
文献名 “Performance Tuning of a CFD Code on the Earth Simulator”
「すざく」搭載XISのバックグラウンド ――シミュレーションによる起源の解明
修士論文中間発表 ERG衛星搭載用 高エネルギー電子観測器の設計
地球近傍における陽子・ 反陽子の空間分布 I I
愛媛大学 理学部物理学科 & 宇宙進化研究センター
すざく衛星による、2005年9月の太陽活動に起因する太陽風と地球大気の荷電交換反応の観測
現実の有限密度QCDの定性的な振る舞いに
太陽風プロトンの月面散乱による散乱角依存性の研究
フレアにおける Haカーネルと 硬X線/マイクロ波放射
静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待
電磁流体力学乱流の高精度・高並列LESシミュレーションコード開発研究
PIC/MCによる窒素RFグロー放電シミュレーション
Jh NAHI 横田 理央 (東京工業大学) Hierarchical low-rank approximation methods on distributed memory and GPUs 背景  H行列、H2行列、HSS行列などの階層的低ランク近似法はO(N2)の要素を持つ密行列をO(N)の要素を持つ行列に圧縮することができる。圧縮された行列を用いることで、行列積、LU分解、固有値計算をO(NlogN)で行うことができるため、従来密行列の解法が用いられてきた分野では階層的低ランク近似法
天体からのcoherent emissionの実例
フレア・CMEトリガーメカニズムの数値シミュレーション
基礎宇宙物理学 II 電磁流体力学入門 第1回 天体活動現象入門 2011年4月8日.
研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状
超並列宇宙プラズマ粒子シミュレーションの研究
2. 浮上磁場とリコネクション 様々な太陽のジェット現象 -----宮越 2. 対流現象を粒子で追いかける -----野澤
開放端磁場における低温プラズマジェットに関する研究
重要な効果 ブラックホールや中性子星(パルサー)磁気圏 銀河団スケールの加速(L×Bが大きい) 1020 eV以上
新潟大学集中講義 ープラズマ物理学特論ー (天体電磁流体力学入門) 2004年1月19日ー1月21日
極冠域電離圏における低エネルギー降下電子の起源について
サーマルプローブを用いたイオン温度計測の新しいアプローチ
偏光X線の発生過程と その検出法 2004年7月28日 コロキウム 小野健一.
岩澤全規 理化学研究所 計算科学研究機構 粒子系シミュレータ研究チーム 2015年7月22日 AICS/FOCUS共催 FDPS講習会
大阪市立大学 宇宙物理(重力)研究室 D2 孝森 洋介
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
Marco Ruggieri 、大西 明(京大基研)
プラズマの渦構造 ーその宇宙論的起源を考えるー
B5 プラズマ B5 実験テーマ 2018年度は後期のみ プラズマ 物質の第4の状態 外部の場とともに荷電粒子自身が作る電磁場が相互作用
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強結合プラズマ 四方山話 − 水素とクォーク、高密核融合、 クーロンクラスター、そして粘性 −
惑星と太陽風 の相互作用 惑星物理学研究室 4年 深田 佳成 The Interaction of The Solar
P5 田中貴浩(教授)、細川隆史(准教授)、瀬戸直樹(助教) 担当:天体核研究室の教員
地球近傍における宇宙線陽子・反陽子空間分布シミュレーション
天文・宇宙分野1 梅村雅之 「次世代スーパーコンピュータでせまる物質と宇宙の起源と構造」
「大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの共同利用・共同研究拠点化」に向けた要望書・意見書のお願い
研究紹介:山形大学物理学科 宇宙物理研究グループ 柴田研究室
γ線パルサーにおける電場の発生、粒子加速モデル
電離圏イオン流出現象 山田学,渡部重十(北大・理) プラズマ圏・内部磁気圏研究会(2002/03/13)
教育学部 自然環境教育課程 天文ゼミ 菊池かおり
超弦理論の非摂動的効果に関する研究 §2-超弦理論について §1-素粒子論研究とは? 超弦理論: 4つの力の統一理論の有力候補
核融合プラズマ研究のための超並列粒子シミュレーションコード開発と その可視化
核融合プラズマ研究のための超並列粒子シミュレーションコード開発と その可視化
大規模粒子法による大型クルーズ船の浸水解析
B5 プラズマ B5 実験テーマ 2017年度は後期のみ プラズマ 物質の第4の状態 外部の場とともに荷電粒子自身が作る電磁場が相互作用
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宇宙プラズマ相互作用の大規模シミュレーション jh180018-NAJ 三宅 洋平 (神戸大学・代表)、中島 浩(京都大学)、加藤 雄人(東北大学)、小路 真史(名古屋大学) 臼井 英之(神戸大学)、大村 善治(京都大学)、岩下 武史(北海道大学)、深沢 圭一郎(京都大学) 佐伯 拓哉(神戸大学) 超並列宇宙プラズマ粒子シミュレーションの研究 宇宙プラズマ粒子シミュレーション 全粒子シミュレーションによる人工衛星・ 宇宙プラズマ相互作用の大規模シミュレーション  (三宅洋平、臼井英之、佐伯拓哉、中島浩、岩下武史) ダイナミックに変動する宇宙プラズマ環境の真理解明 人類の宇宙利用に向けた衛星工学シミュレーション メニーコアクラスタ上での性能評価・分析 プロセス間通信方式の検討 プラズマ粒子の 運動方程式 KNL Haswell KNC AMD ノードあたりの演算性能 ノード数 106 particles/sec. 演算性能 様々な通信方式での性能評価 per-node throughput [GB/sec] #processes/node [Nakashima et al., Proc. 31st IPDPS, 2017] ring-LH red+bcast-LH native-2P 格子点上の電磁場Maxwell 方程式 計算領域 今年度の課題 EMSES-OhHelp for MICコードのマルチノード性能のさらなる向上 陰解法ソルバーの導入 極域電離圏中衛星プラズマ環境 の大規模シミュレーション解析  → 5 TByteの問題規模 一辺1000 gridの3次元空間+1011 個の荷電粒子 ↓ 超並列(分散メモリ×メニーコア)環境への対応が不可欠 ノード間並列 均等領域分割+動的負荷分散OhHelp ノード内並列 マルチカラースケジューリング SIMDベクトル処理 粒子所属セルを基準にした ループ構造への改変 低コスト粒子binning H25~26年度 H26~24年度 H27, 28年度 H29年度 ハイブリッド実装 H30年度: ハイブリッド実装シミュレータの性能ボトルネックの洗い出しと最適化、特にプロセ ス間通信 ©ISEE, 名古屋大学 地球および惑星における放射線帯・ 相対論的エネルギー電子加速過程の研究 (加藤雄人、大村善治、深沢圭一郎) 太陽系システムの非磁化・弱磁化天体と 太陽風プラズマの相互作用のシミュレーション研究 (三宅洋平、臼井英之、協力:名古屋大・西野真木) 地球および惑星磁気圏で自然発生するプラズマ波動・コーラス放射の励起過程ならびに相対論的電子の加速過程を再現 シース ウェイク 磁力線 波動励起 天体からの 粒子流出 III. 弱磁場の影響 (磁気異常) II-A. 自由エネルギー輸送 II-B. 荷電粒子(物質)輸送 I. 固体プラズマ境界圏の物理(電場形成・粒子反射・吸着・加速 ⇒非熱プラズマ生成) 月・小惑星や水星などの、非磁化・弱磁化天体と太陽風プラズマの相互作用現象を、電子・イオンの粒子運動論効果を含めて再現 電子ハイブリッドモデル:放射線帯の素過程計算 放射線帯電子の加速を引き起こすコーラス放射発生条件の探索 温度異方性 高温電子の数 1.6 x10-3 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 4 5 6 7 8 9 コーラス放射が発生し得るパラメータ範囲 表層の静電環境と上空の電磁じょう乱の相関を解明 Bottom-sunlit: +20 V Bottom-shadow: - 40 V @min. Surface-sunlit: +5 V Katoh et al. (JGR 2018) 宇宙天気研究の最重要課題・放射線帯電子フラックス増加量と時間スケールの定量評価