金田 雅司 for the NA44 collaboration 広島大学 理学研究科

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金田 雅司 for the NA44 collaboration 広島大学 理学研究科 CERN SPS 中心衝突における 化学平衡 金田 雅司 for the NA44 collaboration 広島大学 理学研究科 イントロダクション K と p の 横方向質量分布 粒子比 まとめと結論

E x p a n s i o n イントロダクション シナリオ K-,K+, p,p 比から議論 粒子比 粒子生成機構を反映している 化学平衡に注目  K-,K+, p,p 比から議論 シナリオ 高エネルギー  原子核衝突 E x p a n s i o n 化学平衡状態? 熱平衡のフリーズ・アウト 温度:130~150MeV Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

The NA44 Collaboration I. G. Bearden1, H. Bøggild1, J. Boissevain2, J. Dodd3, B. Erazmus4, S.Esumi5,A, C. W. Fabjan6, D. Ferenc7, D. E. Fields2, A, Franz6, J.J.Gaardhøje1, O, Hansen1, D. Hardtke8, H. van Hecke2, E. B. Holzer9, T. Humanic8, P. Hummel9, B. V. Jacak2, R. Jayanti8, M. Kaneta5, M. Kopytine2, M. Leltchouk3, T.Ljubicic7, B. Lörstad10, N. Maeda5,B, A. Medvedev3, M. Murray11, S. Nishimura5,C, H. Ohnishi5, G. Paic4,6, S. U. Pandey8, F. Piuz6, J. Pluta4, V. Polychronakos12, M. Potekhin3, G. Poulard6, A. Sakaguchi5,D, J. Simmon-Gillo2, J. Schmidt-Sørensen10, W. Sondheim2, M. Spegel9, T. Sugitate5, J. P. Sullivan2, Y. Sumi5, W.J.Willis3, K. Wolf11, N. Xu2,E and D. S. Zachary8 1 Niels Bohr Institute, DK-2100 Copenhagen, Denmark. 2 Los Alamos National Laboratory, Los Alamos, NM 87545 USA. 3 Department of Physics, Columbia University, New York, NY 10027, USA. 4 Nuclear Physics Laboratory of Nantes, 44072 Nantes, France. 5 Hiroshima University, Higashi-Hiroshima 739, Japan. 6 CERN, CH-1211 Geneva 23, Switzerland. 7 Rudjer Boskovic Institute, Zagreb, Croatia. 8 Department of Physics, Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA. 9 Technical University, A-1040, Vienna, Austria. 10 Department of Physics, University of Lund, S-22362 Lund, Sweden. 11 Texas A&M University, College Station, TX 77843, USA. 12 Brookhaven National Laboratory, Upton, NY 11973, USA. A Now at Universität Heidelberg, Physikalisches Institut, 69120 Heidelberg, Germany. B Now at Department of Physics, Florida State University, Tallahassee, FL 32306-3016, USA. C Now at Institute of Physics, University of Tsukuba, Tsukuba, Ibaraki 305, Japan. D Now at Department of Physics, Osaka University, Toyonaka, Osaka 560, Japan. E Now at Lawrence Berkeley National Laboratory, Berkeley, CA 94720, USA. Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

粒子識別 K と p についての例  Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

NA44 アクセプタンス Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

横方向質量分布 centrality: top 8.5% Inverse slope [MeV] dN/dy y K+ K- p 237±3 21.3±0.8 238±3 11.5±0.4 303±6 25.3±1.0 281±8 1.6±0.1 2.4-3.6 2.3-2.9 (系統誤差; <4% <10% ) Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

化学平衡状態にあるハドロンガス Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

実験からの粒子比をモデルと比較 Tch mq ms = 170~180 MeV = 80~ 90 MeV = 20~ 24 MeV 注1: L (L) から p (p) の崩壊によるdN/dyへの影響は   モンテカルロ・シミュレーションによって見積もられた。 注2: 中心ラピディティ付近での粒子比が、   全空間での粒子生成比と等しいと仮定している。 Tch mq ms = 170~180 MeV = 80~ 90 MeV = 20~ 24 MeV Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

鉛+鉛衝突でのTch, mq, msを 他の衝突系での値と比較 同じ計算方法同士での結果を比べると、 SPSエネルギー領域 AGSエネルギー領域 Tch: mq : 170~200MeV 120~140MeV 60~120MeV 160~200MeV SPS S+A SPS Pb+Pb AGS Si+Au ms : 約0MeV  約30MeV  約60MeV Tch とmq  は、ビームエネルギーに依存し、 msは衝突系とビームエネルギーに依存している。 Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

まとめ NA44 グループの鉛+鉛 衝突実験より Tch: 170~200MeV 120~140MeV mq : Inverse slope [MeV] dN/dy K+ K- p 237±3 21.3±0.8 238±3 11.5±0.4 303±6 25.3±1.0 281±8 1.6±0.1 これらの粒子比から  粒子発生源での化学平衡を  仮定する事により Tch mq ms = 170~180 MeV = 80~ 90 MeV = 20~ 24 MeV Tch: mq : SPSエネルギー領域 AGSエネルギー領域 170~200MeV 120~140MeV 60~120MeV 160~200MeV ms : 約0MeV  約30MeV  約60MeV SPS S+A SPS Pb+Pb AGS Si+Au Masashi Kaneta / Hiroshima univ.

結論 SPSのエネルギー領域での実験結果は、 ハドロンガスが化学平衡に達し (T~170MeV)、後に冷却してから    ハドロンガスが化学平衡に達し (T~170MeV)、後に冷却してから    熱平衡に達した (T~140MeV)  という描像を支持している。 Tch と mq は、 に依存している。 しかし、より詳細な議論をするためには、 各粒子のdN/dy分布 他のストレンジ粒子との生成比   を考慮する事が必要。 Masashi Kaneta / Hiroshima univ.