Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.

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Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. 2009. 5.11 電子計算機工学 Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. Keiichi MIYAJIMA

メモリ(記憶装置)

メモリの構成 メモリセルをたくさん並べることにより構成されている。 セル それぞれに1ビットの情報が入る メモリセルマトリックス

メモリのアドレス メモリにはアドレスが割り振られている アドレス(2進数) 0 (0000) 1バイト(8ビット) 1 (0001) 0 (0000) 1バイト(8ビット) 1 (0001) 2 (0010) 3 (0011) 4 (0100) ・

メモリの内部構造 バッファ アドレス 制御信号 データ 列デコーダ 行デコーダ 制御回路 読み書き回路 メモリセルマトリックス 制御回路 データ 読み書き回路 アドレス情報はデコーダにより2次元のセルに対応される

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

ROM ROM (read only memory) 電源を切ってもデータは消えない(不揮発性) ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM ROM (read only memory) 電源を切ってもデータは消えない(不揮発性) 電源を入れて最初に実行するプログラムなど、消えては困る情報を格納する。 その他、ゲームなど ROMはMASK-ROMとPROM(programmable ROM)とに分けられる

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

MASK-ROM MASK-ROM IC内部の配線によってデータを記憶 内容の後からの変更は不可能 RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM MASK-ROM IC内部の配線によってデータを記憶 内容の後からの変更は不可能 内容の変更はICそのものの作り直しとなるため、大変な作業と莫大な費用がかかる。 内容の変更がなく大量生産する場合は、量産効果により単価が一番安くなる。 安定性に優れている。

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

PROM PROM (programmable ROM) ユーザが後からデータを書き込むことができるROM PROMは大きく分けて ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM PROM (programmable ROM) ユーザが後からデータを書き込むことができるROM PROMは大きく分けて OTPROM (one time PROM) 1回のみ書き込みが行える EPROM (erasable PROM) 何度も書き込みが行える さらにUV-EPROM, EEPROM, フラッシュメモリに分けられる とに分けられる

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

UV-EPROM UV-EPROM (ultra violet EPROM) 記憶内容の消去に紫外線を用いる 紫外線消去型EPROM ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM UV-EPROM (ultra violet EPROM) 記憶内容の消去に紫外線を用いる 紫外線消去型EPROM

EEPROM EEPROM (electrically EPROM) RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM EEPROM (electrically EPROM) 電源電圧より高い電圧をかけることにより、電気的にデータを消去でき、基盤に実装したままデータを消去して書き換えが可能 1ビットだけ書き換えると行ったような、細かい操作は出ない。全てのビットをいったん消去して書き換えなければならない。

フラッシュメモリ フラッシュメモリ EEPROMの欠点を改良したメモリ ブロック単位での消去/書き込みが可能 ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM フラッシュメモリ EEPROMの欠点を改良したメモリ ブロック単位での消去/書き込みが可能 デジタルカメラやゲーム機のメモリカード、PC等に使われるメモリスティックなど現在幅広く使われている。

メモリの種類 大きく分けるとROMとRAMに分けられる ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM

RAM RAM (random access memory) 任意に読み書きできる 電源を切るとデータは消える(揮発性) ICメモリ ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM RAM (random access memory) 任意に読み書きできる 電源を切るとデータは消える(揮発性) RAMはSRAMとDRAMとに分けられる

SRAM SRAM (static RAM) フリップフロップ回路によって構成 電源さえ供給されていれば記憶内容を保持することが可能 ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM SRAM (static RAM) フリップフロップ回路によって構成 電源さえ供給されていれば記憶内容を保持することが可能 読み書きの速度が高速 1メモリセルあたりの回路が複雑であるため、大容量化が難しく、コスト高 キャッシュメモリなど、コストより速度を重視する分野に使用される。

DRAM DRAM (dynamic RAM) コンデンサによって構成 コンデンサなので記憶内容の保持に頻繁なリフレッシュが必要 ROM RAM MASK-ROM PROM OTPROM EPROM UV-EPROM EEPROM フラッシュメモリ SRAM DRAM DRAM (dynamic RAM) コンデンサによって構成 コンデンサなので記憶内容の保持に頻繁なリフレッシュが必要 リフレッシュ中はデータの読み書きができないので動作速度がSRAMより遅くなる 1メモリセルあたりの回路が簡単であるため、大容量化が容易、コスト安 コンピュータの主記憶装置として使われる

メモリの階層構造 高速 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ 大容量 ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット)

キャッシュメモリ 参照の局所性(referential locality) ノイマン型のコンピュータでは、 最近参照された命令やデータ、 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 ノイマン型のコンピュータでは、 最近参照された命令やデータ、 またその近くにある命令やデータ またすぐに、参照される確率が高い 参照の局所性(referential locality)

キャッシュメモリ CPU メインメモリDRAM 低速・大容量 この局所性の性質に着目 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 この局所性の性質に着目 メインメモリDRAM 低速・大容量 CPU

キャッシュメモリ CPU キャッシュメモリSRAM 高速・小容量 メインメモリDRAM 低速・大容量 この局所性の性質に着目 (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 この局所性の性質に着目 キャッシュメモリSRAM   高速・小容量 メインメモリDRAM 低速・大容量 CPU キャッシュメモリの性能はキャッシュアルゴリズムの善し悪しによって変化する

キャッシュメモリ キャッシュアルゴリズム LRU (least recently used)方式 読み出しの時、一番よく使われているものは CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 キャッシュアルゴリズム 読み出しの時、一番よく使われているものは LRU (least recently used)方式 キャッシュメモリを複数のブロックに分けて管理し、空きブロックがなくなったら、もっとも長い間参照されなかったブロックを追い出して新しいデータと置き換える。

キャッシュメモリ キャッシュアルゴリズム ライトスルー (write through)方式 ライトバック (write back)方式 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 キャッシュアルゴリズム 書き込みの時 ライトスルー (write through)方式 キャッシュメモリと同時にメインメモリにも書き込みを行う 書き込みに関しては、メインメモリのアクセス時間とおなじなので、高速化されない ライトバック (write back)方式 キャッシュメモリのみに書き込みを行う いずれ、メインメモリにデータを書き込まなければならないので、その動作が複雑になる

キャッシュメモリ メイン メモリ CPUコア 1次キャッシュ、2次キャッシュ (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 1次キャッシュ、2次キャッシュ キャッシュメモリも1つだけでは十分な効果が得られなくなってきている メイン メモリ CPU CPUコア L2     キャッシュ L1キャッシュ

仮想記憶 + 仮想記憶 参照の局所性(referential locality) ハードディスクの安価さ CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 主記憶装置では比較的安価で大容量なDRAMが使われているが、さらに大容量のメモリを安価に実現したい 参照の局所性(referential locality) + ハードディスクの安価さ 仮想記憶

仮想記憶 仮想記憶の方式: ページング方式 セグメント方式 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 仮想記憶の方式: ページング方式 セグメント方式

仮想記憶 ページング方式: CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ A(ページ) A A B(ページ) B D C(ページ) C (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 ページング方式: CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ 単一の仮想アドレス空間 A(ページ) A A 物理アドレス空間 B(ページ) B D C(ページ) C C D(ページ) D ハードディスク E(ページ) E E F(ページ) F B F ページという固定されたブロックに分割

仮想記憶 1 セグメント方式: CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ 1 2 3 4 4 物理アドレス空間 セグメント1 (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 セグメント方式: CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ 1 1 物理アドレス空間 セグメント1 プログラムごとの仮想アドレス空間 2 3 3 セグメント2 4 ハードディスク セグメント3 セグメント4 4 2 セグメントという可変長ブロックに分割

仮想記憶 仮想記憶の方式: ページング方式 セグメント方式 マッピングの単位が固定長なので、メモリの管理が簡単 メモリの管理が複雑 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 仮想記憶の方式: ページング方式 マッピングの単位が固定長なので、メモリの管理が簡単 セグメント方式 メモリの管理が複雑 プログラムのサイズに適したマッピングが行われるため効率がよい 複数のプログラムを完全に独立して動作させることが可能

仮想記憶の注意点 1 スワップ (swap): CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ 1 2 3 4 4 物理アドレス空間 (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 スワップ (swap): CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ 1 1 物理アドレス空間 セグメント1 プログラムごとの仮想アドレス空間 2 3 3 セグメント2 4 ハードディスク セグメント3 セグメント4 4 2

仮想記憶の注意点 1 スワップ (swap): CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ 1 2 3 4 4 セグメント1 (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 スワップ (swap): CPU 仮想メモリ アドレス変換表 メインメモリ 1 1 セグメント1 プログラムごとの仮想アドレス空間 2 2 3 スワップ セグメント2 4 ハードディスク セグメント3 セグメント4 4 3

仮想記憶の注意点 CPU (レジスタ) キャッシュメモリ メインメモリ ハードディスク(仮想記憶) 外部記憶装置 ネットワーク (インターネット) 高速 大容量 スワップ (swap): ハードディスクの速度はメインメモリと比較して非常に遅いので、スワップが多発すると処理速度が急激に低下する

メモリの高速化手法 アクセスを速くする データバス幅を広くする メモリを並列に動作させる

メモリの並列動作 インタリープ: メモリをバンクと呼ばれる単位に分割して、それぞれ独立してアクセスできるようにする バンクA 1 3 5 7 バンクB 2 4 6 8 見かけ上のアクセス 1 2 3 4 5 6 7 8 時間 見かけ上のアクセス時間を半分にできる

本日のまとめ メモリ(記憶装置) メモリの構成 メモリの種類 メモリの階層構成 メモリの高速化手法

本日の課題 次の4つの記憶装置をアクセス時間の短い順に並べ替えよ。 ア.CPUの2次キャッシュメモリ イ.CPUのレジスタ (H16年春, H10年春 改題) ア.CPUの2次キャッシュメモリ イ.CPUのレジスタ ウ.ハードディスク(磁気ディスク) エ.主記憶(メインメモリ) 2.SRAMとDRAMについてその特徴と用途の違いを記述せよ。 ( H20年改) 3.メモリインターリープについて記述せよ (H11年秋, H13年春 秋, H14年秋, H17年春, H18年秋 改題)