研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状

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研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状 jh170055-NAH 柳澤 将 (琉球大学・代表)、江川 隆輔(東北大学・副代表) 研究課題名 GW space-timeコードの大規模な有機-金属界面への適用のための高効率化 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 バンドギャップ・バンド分散の精密予測 有機層と電極金属の界面 ルブレン単結晶のバンド計算 (GW近似; GW space-time プログラム) 有効正孔質量(mh*/me) 電荷(正孔・電子)の電極からの注入障壁の形成要因 - 界面での電荷移動、化学結合 - 電子密度分布の再構成 mh/me [G–Y] [G–X] PBE 1.00 2.15 GW 0.90 1.65 Exp. 0.65±0.1 0.8±0.1 1.9±0.3 H. Ishii et al., Adv. Mater. 11, 605 (1999). DFT 金属フェルミ準位と有機層の最高占有・最低非占有(HOMO・LUMO)準位の並び p Alq3 mer/up on Al(111) MO-projected DOS (in units of nm) mer/up on Al(111) -4.0 -2.0 0.0 2.0 S. Y. and Y. Morikawa, J. Chem. Phys. 128, 244704 (2008). S. Y., Y. Morikawa, and A. Schindlmayr, Phys. Rev. B 88, 115438 (2013) 本研究の目的:  有機ー金属界面での準位接続の予測の精密化のためにGW近似を適用できるよう、プログラムを大規模並列計算向けに高度化。 結晶構造・分子配置とバンド構造の関係 S. Y., K. Yamauchi, T. Inaoka, T. Oguchi, and I. Hamada, Phys. Rev. B 90, 245141 (2014) S. Y., K. Okuma, T. Inaoka, and I. Hamada, J. Electron. Spectrosc. Relat. Phenom. 204, 159 (2015). S. Y. and I. Hamada, J. Appl. Phys. 121, 045501 (2017). 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状 GW近似: 独立粒子模型・平均場近似に対し固体内のクーロン相互作用の遮蔽の効果を取り込む。 GW space-time 法 M. M. Rieger et al., Comput. Phys. Commun. 117, 211 (1999). L. Steinbeck et al., Comput. Phys. Commun. 125, 105 (2000). C. Freysoldt et al., Comput. Phys. Commun. 176, 1 (2007). 自己エネルギー S G: 1体グリーン関数 畳み込み積分でなく、積を計算 「裸の」クーロン相互作用u 遮蔽相互作用W 光電子分光の実験での、準粒子の伝播に物理的に対応 高速フーリエ変換で、 (r, r’) と (G, G’) ; (it) と (iw) を切り替え W、S は、虚軸(it または iw)付近で滑らかな構造。解析的関数を求め、解析接続 非局所な複素数の量を計算。必要メモリが大きい。 現在フラットMPIで、主にSX-ACE上で64-256ノード(256-1024コア)程度の並列実行 有機層と電極金属の界面での準位接続の再現 差し当たっての問題、実装・計算の目標 有機層のHOMO-LUMOバンドギャップ 表面付近での鏡像ポテンシャルの効果 誘電行列eGG’の逆行列化を、ScaLapackで並列実行。通信がボトルネックに ノード内で逆行列化をOpen-MPでスレッド並列化し、ハイブリッド並列化して効率を向上 表面など、非周期系の実行のための計算法の実装、効率化 ~ 1/4|z − z0| J. B. Neaton et al., Phys. Rev. Lett/ 97, 216405 (2006).