大阪府における障がいを理由とする差別の解消に向けた取組みについて(提言)の概要

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大阪府における障がいを理由とする差別の解消に向けた取組みについて(提言)の概要 (大阪府障がい者施策推進協議会差別解消部会) 第1 はじめに  ○ 障がい者の権利の実現に向けた取組みの進展    平成18年 障害者権利条約が国連で採択。    平成23年 障害者基本法の改正(差別の禁止を基本原則に)。    平成25年 障害者差別解消法の制定(28年4月施行)。  ○ これまでの府の取組み    平成24年 第4次大阪府障がい者計画の策定(基本理念:人が人          間(ひと)として支えあいともに生きる自立支援社会          づくり ) 。    平成25年 障がい者に対する配慮や工夫の事例を募集・公表。  ○ 現状と課題    ・依然として、理解不足等により、障がい者が生活のなかで嫌な思     いをしているほか、差別を受けたと感じている現状がある。    ・障害者差別解消法に差別の具体的な規定なし。     =>何が差別に当たるのか?    ・相談、紛争の解決等のための体制整備が必要。     =>どこに相談して、どのように解決すればいいのか? 第3 ガイドラインの策定のあり方①(ガイドラインで取り扱う「障がいを理由と     する差別」の検討)  ○ 差別と思われる事例の募集   障がい者団体からの募集、HPによる一般公募、府・市町村の相談事   例の照会をあわせると、691件の事例が寄せられた。 ○ 事例の検討   ・検討方法:分野毎に、募集事例等から、ガイドラインで取り扱う    「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」の内容を議論。   ・対象分野:府民生活に深く関わる8分野(①商品・サービス ②福    祉サービス ③公共交通機関、公共的施設・サービス等 ④住宅      ⑤情報・コミュニケーション ⑥教育 ⑦医療 ⑧雇用) ○ 策定に当たっての主な基本的な考え方   ・障がい当事者や関係事業者等の意見を幅広く聞いて、わかりやすい    ガイドラインを作成する。   ・当面は大きな枠組みを作る。相談事例における解釈事例を積み上げ    て、より細かな個別事例にも対応できるようにする。 ○ ガイドラインで取り扱う不当な差別的取扱いと合理的配慮の不提供の内容   ・不当な差別的取扱い:障がいを理由として、正当な理由なく、サー    ビスの提供を拒否したり、制限したり、条件を付けたりすること。    →分野ごとに不当な差別的取扱いの内容並びに差別となりうる事例     を記載する。また正当な理由と考えられる場合を例示できるかに     ついて検討する。   ・合理的配慮の不提供:障がい者から何らかの配慮を求める意思の表    明があった場合に、負担になりすぎない範囲で、社会的障壁を取り    除くために必要で合理的な配慮を行わないことで、障がい者の権利    利益を侵害すること。    →分野ごとに望ましい合理的配慮の事例を記載する。     ※差別解消法が対象としていない私人の行為等、虐待等、制度やサー    ビスのあり方の見直しが必要と考えられるものはガイドラインの対    象外とする。なお、私人の行為等に対しては啓発を通じて対応する。 ○ その他主な留意事項等   ・障がいに対する基本的な理解を進める取組みを充実する。   ・雇用分野は改正障害者雇用促進法での対応に委ねる。   ・国の動向等を含め、今後の状況に応じて、適切に見直しを行う。 第2 検討経過  ○ 差別解消部会の設置    ・障がいを理由とする差別の解消についての事項を調査審議するた     め平成25年11月に設置。    ・障がい当事者団体、教育・医療等の関係機関や学識経験者が参集。  ○ 開催状況    ・平成25年11月から平成26年9月まで9回開催。    ・平成26年3月 「これまでの議論の整理」取りまとめ。    ・平成26年9月 「提言」取りまとめ。  ※ 平成26年10月に障がい者施策推進協議会から府へ提言  ○ 具体的な検討事項    ・何が差別に当たるのかについての府民共通の物差しとなる「ガイ     ドラインの策定」のあり方    ・障がいを理由とする差別に関する「相談、紛争の防止・解決の体     制整備」のあり方  ※ 検討の過程では、条例化の必要性についても意見が出され、議論。

第4 ガイドライン策定のあり方②(ガイドラインの機能の検討)  ○ 策定時期    ・十分な周知期間が必要なため、平成26年度内を目標とする。 (例)商品・サービス分野    から地域での解決が困難な事案に対応する仕組みを講じる。  ○ 地域の相談活動を支援する仕組み    専門性を有する人材を府に配置し、困難事案の助言や調整等を行    い、相談事案の解決を図る。個別の相談事案の内容に応じて、様々    な分野等に対応した、より専門性の高い人材の活用等も検討する。  ○ 地域での解決が困難な事案に対応する仕組み    学識経験者、当事者、事業者等で構成する合議体を府に設置し、関    係者等の意見を聞きながら、不当な差別的取扱いに係る事案につい    て、助言やあっせん案の提示を行う。なお、今後の相談事案の集積    や国の動向等を踏まえて対象事案の取扱いは将来の検討課題とする。  ○ 合理的配慮の不提供     個別性が高いことから紛争を未然に防止することを目指す。事業者    における合理的配慮に係る積極的な取組みを一層促す仕組みを検討    する。  ○ 障害者差別解消支援地域協議会    国の動向を踏まえつつ、設置に向けた検討を行う。  ○ 条例の必要性の検討    体制整備やその権限の根拠として条例が必要かどうかを検討する。 不当な差別的取扱い 不当な差別的取扱いの内容 障がいを理由として、正当な理由なく、商品の販売又はサービスの提供を拒否したり、制限したり、条件を付けたりすること 差別となりうる事例 盲導犬に理解がなく、飲食店で入店を拒否される 合理的配慮の不提供 望ましい合理的配慮の取組み例 サービスカウンターに、聴覚障がい者用のハンドブックを配布している 第4 ガイドライン策定のあり方②(ガイドラインの機能の検討)   ○ ガイドラインの機能    ・事業者も含め府民に対して、ガイドラインにより、不当な差別的     取扱いの個別事例を判断する拠り所となる考え方や望ましい合理     的配慮の事例を広く啓発していく。    ・ガイドラインを相談・紛争の解決等に活用する。そのために、第     三者的立場で差別的取扱いを個別に判断していく府独自の体制を     整備し、ガイドラインをより規範性のあるものとする。    ・啓発と相談・紛争の解決等に対応できるように、ガイドラインに     盛り込む内容を整理する。    ・事業者も含め府民に対して、ガイドラインの内容とあわせて、共     生社会実現のため、広く障がい理解を進めていく。  ○ 条例化の検討    ・「ガイドラインは条例等を根拠とする実効性あるものとすべき」     「事業者としても条例により内容が明確化されている方が利用者     に説明しやすい」「条例自体が障がい理解の啓発手段となりう     る」「どのような条例が必要か、もっと議論が必要」「議会の理     解が得られるように条例は内容をしっかりとしたものにする」     「ガイドラインと違って条例の記載内容には制約がある」といっ     た条例化に関する意見あり。    ・今後、障害者差別解消法が制定された状況を踏まえて、条例化に     ついても検討することが必要。 第6 まとめ  ○ 取組みの基本理念    障害者差別解消法等の趣旨を踏まえ、差別の解消に向けた取組みを    推進するとともに、もって、共生社会の実現を目指す。  ○ 取組みの原則    ・障がい者は地域社会で共に暮らす一員であること。    ・障がい理解を深めることがもっとも重要で、基礎となること。    ・法的整備を含む現状を踏まえて、府ならではの取組みを行うこと。    ・府、市町村、府民が相互に連携すること。    ・広域的な仕組みを整備すること。    ・定期的に検証し、改善を図ること。  ○ 取組みの3本柱    ・平成26年度内を目途に「ガイドラインの策定」    ・既存の機関等を活用しつつ、府独自の「相談、紛争の防止・解決     の体制整備」    ・障がい理解を深めるための「啓発活動の促進」  ○ 今後    ・適宜部会を開催して、条例化の検討などを行っていく。 第5 相談、紛争の防止・解決の体制整備のあり方  ○ 府における体制整備    府・市町村の適切な役割分担のもと、府は広域的な立場から、市町    村等地域の相談活動を支援する仕組みやより専門的・中立的な立場