「海底40mへの誘い」 Part 2 生物的側面から 2016.10.20 阪南茶話会 宮﨑恭三
(A)珊瑚 先ず、ダイバーが目標とするのは、サンゴ、魚群、 そして大型のサメ 最後に沈没船の探索である。 ・サンゴの生育条件として、 先ず、ダイバーが目標とするのは、サンゴ、魚群、 そして大型のサメ 最後に沈没船の探索である。 ・サンゴの生育条件として、 ①通年20℃以上の海水、 ②光合成をおこなうので、透明度が高い海水 ③サンゴは、産卵後いったん浮遊し、周りに沈下して海底に 着床するので浅い海が必要。 ・サンゴは光合成をおこなう。排出される酸素を求めて植物プラ ンクトンが集中、これを動物プランクトンが、またこれを小魚がそ して定住魚が、さらに回遊魚が食する。サンゴの周りには多種 の魚が集まる。 ・サンゴは動物?(産卵する) 植物?(光合成をおこなう) 鉱物?(石灰質) ⇒ ○ ○ に分類される。
地球の自転により、特に遠心力が強い赤道付近では、温かい 海水が東方向に片寄せ(置きざれに)されて各大陸の東海岸に ぶつかる。その東海岸とは、地球を縦断している南北アメリカ大 陸(16,000km)と欧州・アフリカ大陸(14,000km)の東側である。 そしてそこに新鮮な海水を条件とするサンゴが生育する。西海 岸には少ないのが、その現象である。西海岸にある場合は、 かなり沖合の島となる。 東南アジア海域は、異質である。シベリアから南下縦断する陸 地はシンガポールで途切れている。従って、太平洋からの 海 流は勢いよく、比国、インドネシア、パラオやニューギニアの 島々を回り込んで、ほぼ全域にサンゴの群生を形成 している。 有名なオーストラリアのグレートバリアリーフも、北東海岸の沖 に連なっている。オーストラリアは大陸といえども、大きな島 で あるために、海流が回り込み西海岸にも珊瑚礁を形成している。 従って、カリブ海、インド洋、東南アジアは、海中動植物の観察 を求めるダイバーが、注目する海域である。
(B)サンゴ礁群
裾 礁 堡 礁 環 礁
(C)地中海は特異な海 海中史跡の宝庫
地中海とは?なぜ海外に在りながら、日本語書き、日本語 読みするのか? 黒海、紅海、北海などの訳語とは違う。 地中海は特殊な条件を備えている。まず地形的に唯一の開 口部は西向き。面積は日本海の2.5倍ほどで、2,500,0 00k㎡ 水深は、深く最深部で5,000mと内海にしては非 常に深い。地形はバルト海も同様だが、広さは377,000 k㎡、平均水深は55m と規模は小さい。また下記に記述 する条件とも異なっている。 それは、太古の昔から、現在に至りアフリカプレートがユー ラシアプレートの下へ潜り込みヨーロッパ側で隆起を引き起 こした。 それが、アルプスである。また、アフリカプレートの 動きに合わせて、アフリカ大陸も北上しヨーロッパ大陸と地 続きになった。 その地点がジブラルタルであり、その結果 600万年前に海峡は閉鎖した。地中海には東側に大洋に 向けた開口部が無く 通過する海流がないため、よどんだ 状態が続いた。流入する大河は、ナイル川とドナウ川ぐらい であり、淡水の供給量は少い。
更に、乾燥した地中海性気候により海水は蒸発を続けた。それに より閉じ込められた海水は次第に水位が下がり、 同時に塩分濃度 も上がった。最終的には、干上がりとなって、全域に塩湖が散ら ばった状態になった。 その後、双方のプレートの間に緩みが生じた時、海峡が開口し大 西洋から海水が流入した。幾度の反復後最後に開口したのは、 約533万年前である。大西洋の海水が流れ込み現状の姿になる には200年かかった。流入により一端塩分濃度は下がったが、依 然大西洋に対して高く、また再度上昇過程にある。 特に温度が高い西側では、蒸発により海面が低下する。その分大 西洋から塩分濃度が低い海水が流入する。そこで濃度が高い海 水は比重により底部に沈降、そして深層流として、順次押されて海 底を這うように、西に移動して大西洋に流出している。 この高い塩分濃度を要因としてか?? 海の色、特にプランクトン の発生が少ない冬は、インク壺をひっくり返した様な 真っ青な海 となる。それが紺碧海岸と言われる由縁である。そこに背景として、 酸化鉄を含んだレンガ色の陸地、 農緑のオリーブ畑の中に点在 する白い家のなどの風景は絵に描いたように壮観であり、大いに 癒しを感じる。