思考力・判断力・表現力等の育成に向けて 平成20年12月26日 徳島県立総合教育センター
学校教育法改正により学力の重要な要素が規定 学校教育法 第30条第2項 前項の場合においては,生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない 学校教育法改正により学力の重要な要素が規定
学習指導要領改訂のポイント ① 改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領改訂 ② 「生きる力」という理念の共有 ③ 基礎的・基本的な知識・技能の習得 ④ 思考力・判断力・表現力等の育成 ⑤ 確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保 ⑥ 学習意欲の向上や学習習慣の確立 ⑦ 豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実
国語科のみならず,各教科等においてその育成を重視 思考力・判断力・表現力等の育成 言語に関する能力(基盤) 国語科のみならず,各教科等においてその育成を重視 各教科 ・基礎的・基本的な知識・技能の習得を重視 ・観察・実験やレポートの作成,論述など知識・技能の活用を図る学習活動を充実 総合的な学習の時間を中心 ・各教科等で習得した知識・技能を相互に関連付けながら解決するといった探究活動の質的な充実を図る ・学習意欲を向上させ,主体的に学習に取り組む態度を養う ・家庭との連携を図りながら,学習習慣を確立すること
「日常生活や社会で数学を利用する活動」といった数学的活動を例示 「習得・活用・探求」の学習の流れ 確かな学力を育成 基礎的・基本的な知識・技能の習得 知識・技能を活用して課題を解決するための思考力・判断力・表現力等の育成 探究活動 言語に関する能力 ・学習活動は相互に関連 せつぜん ・截然と分類できるものではない ・決して一つの方向で進むだけではない ・これらの学習の基盤となるのは言語に関する能力 例 数学 学び直しの機会を設定することに配慮 「日常生活や社会で数学を利用する活動」といった数学的活動を例示 「数量や図形などに関する基礎的な概念」の理解
学習意欲の向上や学習習慣の確立 学校が一体となって工夫改善 個に応じた指導の充実 個別指導やグループ別指導, 繰り返し指導, 学習内容の習熟の程度に応じた指導など 分かる喜びを実感 学ぶ意義を認識 観察・実験やレポートの作成 論述などの体験的な学習 知識・技能の活用を図る学習活動 職業や自己の将来に関する学習など 学習意欲を高める 学習習慣の確立 家庭との連携を図りながら,宿題や予習・復習など家庭での学習課題を適切に課すなど 家庭学習も視野
生徒一人一人のその後の学習や生活において生かされ総合的に働く 主体的に学習に取り組む態度 体験的な学習や基礎的・基本的な知識・技能を活用した問題解決的な学習を充実 学ぶことの楽しさや成就感を体得 知的好奇心や探究心をもって主体的に学習に取り組む態度を養う 生徒一人一人のその後の学習や生活において生かされ総合的に働く 例 社会科…作業的,体験的な学習 数学科…「日常生活や社会で数学を利用する活動」といった数学的活動 理 科…観察,実験の結果を分析し解釈する学習活動やものづくり 技術・家庭科…衣食住やものづくりなどに関する実習等の結果を整理し考察する学習活動など 総合的な学習の時間…自然体験や職場体験活動,ボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験,見学や調査,発表や討論などの体験的な学習
思考力・判断力・表現力等をはぐくむ学習活動の例 ① 体験から感じ取ったことを表現する (例) ・ 日常生活や体験的な学習活動の中で感じ取ったことを言葉や歌,絵,身体などを用いて表現する ② 事実を正確に理解し伝達する (例) ・ 身近な動植物の観察や地域の公共施設等の見学の結果を記述・報告する ③ 概念・法則・意図などを解釈し,説明したり活用したりする (例) ・ 需要,供給などの概念で価格の変動をとらえて生産活動や消費活動に生かす ・ 衣食住や健康・安全に関する知識を活用して自分の生活を管理する ④ 情報を分析・評価し,論述する (例) ・ 学習や生活上の課題について,事柄を比較する,分類する,関連付けるなど考えるための技法を活用し,課題を整理する ・ 自然事象や社会的事象に関する様々な情報や意見をグラフや図表などから読み取ったり,これらを用いて分かりやすく表現したりする ⑤ 課題について,構想を立て実践し,評価・改善する (例) ・ 理科の調査研究において,仮説を立てて,観察・実験を行い,その結果を整理し,考察し,まとめ,表現したり改善したりする ⑥ 互いの考えを伝え合い,自らの考えや集団の考えを発展させる (例) ・ 予想や仮説の検証方法を考察する場面で,予想や仮説と検証方法を討論しながら考えを深め合う ・ 将来の予測に関する問題などにおいて,問答やディベートの形式を用いて議論を深め,より高次の解決策に至る経験をさせる 1 2 3 4
学習指導計画 各教科の目標と各指導事項との関連を十分研究し,まとめ方などを工夫したり,内容の重要度や生徒の学習の実態に応じてその取扱いに軽重を加えたりして,効果的な指導を行うことができるよう配慮 現行の学習指導要領と比べて,どの学年にどのような内容が追加されたのかを全校を挙げて研究 関連する小学校の学習内容の把握 教材・教具の工夫や生徒の理解度の把握などを通して,教えることと考えさせることの両者を関連付けることも重要 反復学習等による基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得や観察・実験,レポートの作成といった知識・技能の活用を図る学習活動の充実
コンピュータや情報通信ネットワークの活用 基礎的・基本的な知識・技能を習得 思考力・判断力・表現力等を育成 主体的に学習に取り組む態度を養う 情報手段を適切, 積極的に活用 教師 生徒 コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切かつ主体的,積極的に活用できるようにすることが重要 情報手段や視聴覚教材,教育機器などの教材・教具を適切に活用することが重要 各教科・総合的な学習の時間等で活用 情報手段の特性などを科学的に理解・情報モラルの習得
創意工夫,学習の内容と生徒の発達の段階に応じて配慮 学習指導について 基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得に留意 生徒の興味・関心を生かした学習指導を展開 ・生徒の学習意欲を喚起するとともに,選択能力を育成する上で有効 ・自主的,自発的な学習を促す 創意工夫,学習の内容と生徒の発達の段階に応じて配慮 指導計画 教材 指導形態 授業時数の運用 生徒に説明する技術だけでなく,生徒自身が考え,自ら答えを導き出せるようにし向けていく指導技術
アートゲームを行い,作品鑑賞を楽しみ,作品から感じ取ったものを言語化させる。(中全) 取組例① アートゲームを行い,作品鑑賞を楽しみ,作品から感じ取ったものを言語化させる。(中全) 徳島県学校改善支援プラン P40
二者択一型のテーマを設定する。(中1) 「日本の地域区分 ~三重県は近畿地方か中部地方か~」 取組例② 二者択一型のテーマを設定する。(中1) 「日本の地域区分 ~三重県は近畿地方か中部地方か~」 徳島県学校改善支援プラン P36
取組例③ ・文章やグラフ・図表などを含む題材を用いる指導を重視する。 ・根拠を明らかにして自分の考えが適切に相手に伝わるように書く言語活動の充実を図る。(中2) 徳島県学校改善支援プラン P30
【モデル実験】と【デジタル教材】の両方を取り入れる。「地球と太陽」 (中3) 取組例④ 【モデル実験】と【デジタル教材】の両方を取り入れる。「地球と太陽」 (中3) 徳島県学校改善支援プラン P37