中性子星物質の織り成す 多様な状態と 中性子星の熱的進化 ーX線バーストと中性子星の内部状態ー

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中性子星物質の織り成す 多様な状態と 中性子星の熱的進化 ーX線バーストと中性子星の内部状態ー ~中性子星の観測と理論~ 研究活性化ワークショップ 2017 23-25 Nov. 2017 at NAOJ 中性子星物質の織り成す 多様な状態と 中性子星の熱的進化 ーX線バーストと中性子星の内部状態ー 野田常雄 (久留米工業大学)

X線バーストと中性子星

Accreting Gas from the Companion X-ray Burst Accreting Gas from the Companion Accretion Disk Neutron Star Image: NASA

LMXBとX線バースト Roche lobe overflowでガス降着 ガスの降着 降着率、降着物質、核反応率、NSの温度構造 伴星からのガスの供給アリ: 降着円盤生成、Outburst期 伴星からのガスの供給停止: 降着円盤消滅、Quiescence期 ガスの降着 重力エネルギー解放 ⇒ 表面での温度上昇 軽元素の表面への蓄積 核燃焼に適切な温度-密度 ⇒ 表面で核燃焼 ⇒ X-ray Burst 降着率、降着物質、核反応率、NSの温度構造 ⇔ バーストプロファイル NS内部の冷却過程 ⇔ Quiescence期の熱放射

Observed X-ray Bursts 1969年: Vela 5b(核実験監視衛星)で初観測 1975年: ANS衛星で観測 短時間(分程度)での光度上昇、穏やかな減衰 数時間~数日の繰返し周期 1975/9/28 GS 1826-24 Galloway +, 2004 3U 1820-30 Grindlay et al. 1976

Superburst 持続時間の非常に長いX線バースト(1時間以上) スーパーバーストのメカニズム 通常のバースト: Hot-CNO, 3a & rp-process 燃料: H、He 生成物: A<100 (rp) C燃焼には温度が低い スーパーバースト: カーボンフラッシュ スーパーバーストのメカニズム 降着(重力エネルギー解放)で温度構造 Cを多数の通常のバーストで溜める トリガとなる通常のバーストでCの発火点ま で誘導 Serino & Iwakiri, 2017 Hashimoto+, 2014

Superburst スーパーバーストの再現 Cの蓄積によるカーボンフラッシュ 伴星の表層の組成によってスーパーバースト後のバーストに変化 Keek +, 2012

X線バーストを 決定づけるもの 核反応 核物質の状態 組成 降着率 Thermonuclear reactions: 通常の核融合反応、高温下 Pycnonuclear reactions: 殻内での核融合反応、零点振動 核物質の状態 状態方程式 ⇒ 質量・半径 クォーク、メソン、ハイペロン ⇒ n 放射 ⇒ 温度構造 超流動状態 ⇒ 温度・回転 組成 降着物質 ⇒ バーストプロファイル 表面組成 ⇒ スーパーバースト、温度構造 降着率 温度構造、燃料供給

Thermonuclear Reaction 降着(重力エネルギー解放)により降着層の温度上昇 降着層の底の温度がHot-CNOサイクル/3aの臨界温度 核反応は降着物質に依存 燃焼開始 ⇒ 温度上昇 ⇒ 反応率上昇 ⇒ 不安定核燃焼 X線バースト開始 光度上昇後にrp-process ⇒ 徐々に減光 核反応率の不定性 3a反応率でバースト全体の光度に影響 核反応生成物 CNOサイクルのNやOが陽子捕獲 (rp-process) ⇒ rp生成物 C燃焼までは至らず、Cの蓄積 ⇒ スーパーバースト 中性子星表面に 残り続ける

Pycnonuclear Reaction バースト生成物は降着により降着層下部へ Crust領域(log r > 8)で電子捕獲反応 ⇒ 中性子過剰核 中性子ドリップ ⇒ b+崩壊しながら軽い中性子過剰核へ Outer Crust / Inner Crust 領域で零点振動による核融合 低温下での熱生成 Crust-Heating Crust領域での熱生成 (降着率の関数) 降着層の奥底での温度上昇 降着層の温度を引き上げる ⇒ X線バーストを引き起こす温度構造 核でのn 冷却と表層の熱的分離 ⇒ 重い星でもバーストを起こす

Crust-Heating Mass Accretion Haensel & Zdunik, 2003

Accretion Rate 降着率が大きいと 大きな重力エネルギー解放 ⇒ 温度構造を引き上げる 大きな重力エネルギー解放 ⇒ 温度構造を引き上げる バーストの点火点をより表層 に ⇒ 少ない燃料での核燃焼 ピーク光度の低いバーストを 短時間で繰り返す Heger+, 2007

温度構造 H/Heの層(降着層)の底の温度がバーストを決める 温度構造に影響を与えるもの CNOサイクルの臨界温度 質量降着率 (重力エネルギー解放) Crust-Heating (Crust部分で加熱) n 放射率

中性子星の温度進化 孤立中性子星の熱的進化 X線バースト計算 Quiescence期の温度

Thermal History of Neutron Stars Structure and Signals of Neutron Star 2019/2/25 Thermal History of Neutron Stars 中性子星は超新星爆発時に生まれる 生まれた直後は高温 (~1010 K) 内部に熱源を持たない 熱エネルギーをニュートリノ放射で 放出 単独星は冷えるだけ t < 105 yr: ニュートリノ t > 105 yr: フォトン (X線) Let me move to introduction of compact stars. Massive stars which have heavy mass, more than 8 solar-masses, end their evolution and make supernovae explosions. Compact stars are created at the phase of core collapse of them, and remains as a small stellar objects. They are very hot at the beginning, but they have no internal heat sources. Stars emit their thermal energy out from their interior, the energy is taken out by neutrino emission, mainly. If stars are isolated, they only cools down.

Cooling of Neutron Stars Structure and Signals of Neutron Star 2019/2/25 Cooling of Neutron Stars 中性子星の冷却過程は内部の状態に強く依存 Normal nuclear matter p condensation K condensation Quark matter Superfluidity etc… Exotic phase は高密度で出現し、星を急激に冷却 単独星の観測と冷却計算の突合せ ⇒ 高密度状態の強い制限 (TN+ 2006)

ニュートリノ放射過程 (中心付近で効くもののみ) プロセス 構成する粒子 出現条件 放射率 Modified-URCA n, p, e-, m + いつも 弱い Superfluid 超流動の臨界温度前後 やや強い Direct-URCA 陽子の存在率が1/9以上 強い p, K p, n, p, e-, m K, n, p, e-, m pやKがボーズ凝縮 Hyperon Cooling L, S, X, n, p, e-, m ハイペロンが出現 Quark u, d, s, e-, m クォークの閉じ込めが解ける

超流動と冷却 超流動には2つの効果 中性子の3P2 常流動→超流動遷移時にニュートリノ放射 (よく冷やす) 超流動になってしまうと、ニュートリノ放射の抑制 (冷やさな い) 中性子の3P2 臨界温度の密度依存によって、星の冷え方が決まる Shternin + 2011

Observations of Neutron Stars PSR J1614-2230 and PSR J0348-0432 (Demorest+ 2010, Antoniadis+ 2013) 2M8 の連星中性子星 (伴星: 白色矮星) 状態方程式 (EoS) は最大質量が 2M8 を超えるものに制限 Central Source of Cassiopeia A (Cas A) (Ho & Heinke 2009) 単独中性子星 若くて(~330 yr) 重い(1.5-2.4 M8) 中性子星、 歳のわりに熱い 最近10年間で急な冷却? (Heinke & Ho 2010, Posselt+ 2013) PSR J0205+6449 (3C58) (Slane+ 2002), Vela Pulsar (Pavlov+ 2001) 歳のわりに冷めてる、質量不明 SAX J1808.4–3658 (Campana+ 2002) LMXBの主星(降着中性子星) 降着率のわりに低い表面温度 Exotic cooling processが必要 Ho+, 2015

構造/冷却に関する制限 最大質量が 2M8を超えるEoSでなければならない 冷えている星のためにExoticな状態が必要 硬いEoS+Exoticな状態(Quark, p/K-cond, Hyperon)は可能 冷えている星のためにExoticな状態が必要 重い星(中心密度の高い星): Exoticな状態で強い冷却 軽い星(中心密度の低い星): Standardな弱い冷却 Cas Aの質量では冷えないこと

Structure and Signals of Neutron Star 2019/2/25 Cassiopeia A 熱くて重いコンパクト星 MCas A > 1.5 M8 中心密度は高い 年齢と比較して温度が高い Cas Aと他の星の質量? Cas Aは重く、standardな中性子星 冷えた星はもっと重い ⇒ 連星の質量観測とconflict? Cas Aは中途半端に重い 冷えた星はむしろCas Aより軽い ⇒ Exoticな状態を持つけど冷えない? カラー超伝導状態のクォーク物質

Models 最大質量が2M8まで達するEoS 冷却 パラメータ Brueckner-Hartree-Fock (HM) + Dyson-Schwinger (QM) HM-QM間で混合相 (Yasutake+ 2016) 冷却 Modified URCA + Bremsstrahlung n-Super(1S0, 3P2), p-Super(1S0) Direct URCA (ye>1/9) Quark Cooling with Colour Superconductivity (CFL) パラメータ 質量 超流動の臨界温度の密度依存 Quark Mixed Cas A J1614-2230 J0348+0432 2.13M8 2.04M8 1.41M8

Quark Phase 高密度領域でクォーク物質 カラー超伝導が核子の超流動と 同様の効果 ハドロン相との境界 R G B pF s u d Unpaired 2SC Pairing CFL Pairing 高密度領域でクォーク物質 低温のためカラー超伝導 (CSC) CFL相を仮定 カラー超伝導が核子の超流動と 同様の効果 数十MeVのD ニュートリノ放射の抑制 ∝exp(-D/kBT) ハドロン相との境界 クォーク・ハドロン混合相 本モデルでは最高密度でも混合相

Nucleon Superfluidity (Simple MODEL) Structure and Signals of Neutron Star 2019/2/25 Nucleon Superfluidity (Simple MODEL) n,p ともに超流動を考慮 Neutron: 1S0, 3P2 Proton: 1S0 臨界温度 (Tcr) 密度依存を関数化 冷却への影響 超流動転移時: Strong cooling (PBF) (Page+ 2004) 超流動転移後: 他のニュートリノ放射 の抑制 計算パラメータ n- 3P2 , p-1S0 のモデル

Results (Simple Model) Cas A 3C58 Vela n-3P2 を変化 大きな TCR ⇒ 軽い星が早く冷える、重い星は冷えにくい 小さな TCR ⇒ 重い星が早く冷える、軽い星は冷えにくい

Results (Simple Model) Structure and Signals of Neutron Star 2019/2/25 Results (Simple Model) Cas A 3C58 Vela p-1S0 を変化 冷却曲線は変わるが、順序は入れ変わらない n-3P2より影響は小さい TN+, 2016

もう少し現実的な超流動モデル (Modified Model) Structure and Signals of Neutron Star 2019/2/25 もう少し現実的な超流動モデル (Modified Model) 核理論と一致しない/EoSともあわない 核理論的にもっともらしい形 Takatsuka & Tamagaki 2004

Results (Modified Model) 中間質量の星が最も冷えにくい TN+, 2017

Structure and Signals of Neutron Star 2019/2/25 中性子星の冷却 超流動・超伝導状態を考慮すると冷却曲線に変化 温度と質量の関係: 中性子の超流動モデルに大きく依存 Cas Aの温度・質量: 説明可能 中性子星内部にクォーク物質は存在してもよい 3つの “超状態” が中性子星の冷却にとって重要 中性子の超流動 大きな Tcr⇒ 早期に相転移 ⇒ 他のn放射の抑制 適度な Tcr ⇒ n冷却期に相転移 ⇒ 強い冷却 陽子の超流動 大きな Tcr ⇒ 早期に相転移 ⇒ 強いDirect URCAの抑制 クォークのカラー超伝導 大きな D ⇒ Quark coolingの抑制 バースト計算への適用

X線バースト計算 状態方程式: BPS Cooling過程 降着率 考慮する物理 計算方法 質量 M=1.4M8 Standard Cooling Exotic Cooling p凝縮を考慮 降着率 dM/dt = 3×10-9M8/yr dM/dt = 5×10-9M8/yr 考慮する物理 単独中性子星の物理 Multi-zone計算 Crust-Heating 核燃焼 16核種の近似ネット ワーク 計算方法 定常状態を構築 核燃焼を開始 光度の時間変化を追う

Results

Results 計算開始から2500時間までのバースト回数 降着率 (M8/yr) 3x10-9 5x10-9 Standard 530 606 Exotic 1092 1141 バーストの回数が増加 冷却による点火位置の上昇 少ない燃料で燃え出す

Results – Chemical Compositions 1000時間経過後のバースト直前 Standard Exotic

X線バースト計算 X線バーストにExotic Coolingを考慮 Standard Coolingと比較しバーストの頻度が 上昇 温度構造・組成を比較 68Geが減少し、代わりに64Znや12Cが増加 内側で冷えるので1Hの消費が少ない 燃え残った1Hが次回のバーストで使われる バーストの頻度が上昇

X線トランジェント天体の 減光シミュレーション MAXI J0556-332のライトカーブ 降着率が高い Quisenceでもすぐに冷えない 何らかの熱源? Quisenceでも十分高温 Hot-CNOサイクルが働く 燃焼熱が冷却を抑える 観測をよく再現 Liu+, 2017

Superburstまでの計算 太陽系組成のガスを降着 バーストを繰り返し Superburstに至る構造が作られる Cのmass fractionが0.1前後 CのIgnition curveを温度構造が超える Superburstに至る構造が作られる Hashimoto+, 2014

Quisence期の表面光度計算 質量降着率と表面光度 p凝縮による強いn 放射 表面組成を変化 Quisence期の光度 核での n 放射 NSの質量 p凝縮による強いn 放射 表面組成を変化 Quisence期の光度 Matsuo+, 2017 (Submitted)

まとめ 今後の展望

単独星・LMXBで同じモデルを用いた計算 + 更なる観測 まとめ 中性子星の内部~表面 多様な状態の出現 超流動・超伝導だけでも3~4の別の状態が同時に出現 観測とつき合わせることで「どの状態が実現されるか」 単独星・LMXBで同じモデルを用いた計算 + 更なる観測 中性子星物質の理解

期待する中性子星の観測 X線によるLMXBの観測 X線バースト/Superburstの継続観測 Quisence期の表面温度、温度低下 核反応率 ⇒ 恒星進化へ Quisence期の表面温度、温度低下 n 放射 中性子星内部の状態 ⇒ 超新星爆発へ 半径や重力赤方偏移 単独中性子星の温度観測 中性子星合体のマルチメッセンジャー観測 「The EoS」 Exotic Phases / Quark Matter

終わりに 観測 理論 実験 中性子星の謎の解明 中性子星で起きる現象 X線をはじめとした観測 理論計算 原子核反応の実験 核反応率の不定性 中性子星で起きる現象 重力・電磁気・弱い力・強い力 の全て