日程計画 (scheduling) 大規模なプロジェクトの日程を計画し、その進行を管理する手法。 2019/4/4 日程計画 (scheduling) 大規模なプロジェクトの日程を計画し、その進行を管理する手法。 ◎PERT (program evaluation and review technique) PERT/time PERT/cost PERT/manpower ◎CPM (critical path method) ◎ガント・チャート (Gantt chart) ©ATSUTO NISHIO
ネットワーク・ダイアグラム 作業(activity):→で表す(長さは関係ない) 結合点(node):○で表す ノードは作業の開始点(始点)と終了点(終点)を表している 作業 1 2 3 ©ATSUTO NISHIO
ネットワーク・ダイアグラム 作業Aは、作業Bの先行作業 作業Bは、作業Aの後続作業 A B 1 2 3 ©ATSUTO NISHIO
ダミー作業(dummy activity) 以下のような場合はダミー作業を利用する。 原則として、作業番号は左から右、上から下の順で付ける。 A 1 2 B A 1 3 B ダミー作業 2 ©ATSUTO NISHIO
CPMの手順 ①最早結合点時刻(earliest node time)を求める ②最遅結合点時刻(latest node time)を求める 作業を最も早く開始出来る時刻:最大値 ②最遅結合点時刻(latest node time)を求める 作業が遅くとも終了していなければならない時刻:最小値 ③各結合点で、最早結合点時刻と最遅結合点時刻が等しい作業のつながりがクリティカルパス。⇒ 日程に余裕のない作業 ©ATSUTO NISHIO
例題(作業表) 作業 期間 先行作業 後続作業 A 2 なし B,C,D B E C F D 3 G 1 H D,E F,G ©ATSUTO NISHIO
例題(ネットワーク) 3 2 2 E B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D G A H 2 1 C F 4 ©ATSUTO NISHIO
例題(最早結合点時刻) 3 2 2 E B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D G A H 2 1 C F 4 最早結合点時刻 2 2 E B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D G A H 2 1 C F 4 最早結合点時刻 最遅結合点時刻 ©ATSUTO NISHIO
例題(最早結合点時刻の算出) 5+3 と 7+2 の最大値 0+2 5 2 9 3 2 A 7 2 ©ATSUTO NISHIO
例題(最早結合点時刻) 4 3 6 7 2 2 9 2 E B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D G A H 2 1 C F 4 4 ©ATSUTO NISHIO
例題(最遅結合点時刻) 4 3 6 7 2 2 9 2 E 9 B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D G A H 2 1 C F 4 4 ©ATSUTO NISHIO
例題(最遅結合点時刻の算出) 4-2 と 6-3 の最小値 4 2 2 6 3 ©ATSUTO NISHIO
例題(最遅結合点時刻) 同じ値 同じ値 4 4 3 6 7 2 2 9 2 E 6 7 2 9 B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D 2 2 9 2 E 6 7 2 9 B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D G A H 2 1 C F 4 所要期間は9 4 6 ©ATSUTO NISHIO
例題(クリティカル・パス) 最早結合点時刻と最遅結合点時刻が等しい作業を結ぶ ⇒ CP 4 4 3 6 7 2 2 9 2 E 6 7 2 2 2 9 2 E 6 7 2 9 B 1 2 3 2 5 6 1 2 7 D G A H 2 1 C F 4 所要期間は9 4 6 ©ATSUTO NISHIO
例題(作業表) 作業 期間 先行作業 後続作業 A 2 なし B,C,D B E C F D 3 G 1 H D,E F,G ©ATSUTO NISHIO
ガント・チャート A B C D E F G H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ©ATSUTO NISHIO
期間の見積り 実際のプロジェクトでは、各作業の所要期間はランダムに変化する。即ち、各作業の所要期間を確率的な値として扱う。 実際のプロジェクトでは、各作業の所要期間はランダムに変化する。即ち、各作業の所要期間を確率的な値として扱う。 確率的な時間見積り(probabilistic time estimates)では、 各作業の所要期間を、 楽観値(最短期間)、最可能値(最も起こり得る期間)、および悲観値(最長期間)の3点で見積る。 ©ATSUTO NISHIO
3点見積り(three time estimates) ベータ分布を仮定し、 楽観値:a 最可能値:m 悲観値:b とすると、 平均値 = 分 散 = a+4m+b 確率 ベータ分布 6 2 b ー a 6 作業時間 a m 平均値 b ©ATSUTO NISHIO
計画の変更(updating) 4日経過後に、日程の変更があった A 2 なし B,C,D 完了 B E C F D 3 G 進行中 未着手 作業 期間 先行作業 後続作業 進行状況 変更 A 2 なし B,C,D 完了 B E C F D 3 G 進行中 未着手 有 1 H D,E F,G ©ATSUTO NISHIO
計画の変更 4日経過後に、日程の変更があった 3 2 E B 1 1 2 5 6 2 7 D G H 1 C F 4 ©ATSUTO NISHIO
計画の変更 4日経過後に、日程の変更があった 4 3 6 7 2 2 9 E B 1 1 2 5 6 2 7 D G H 1 C F 4 通常、計画を変更するとCPは異なったものとなる 4 ©ATSUTO NISHIO
期間短縮の要請 8 8 25 3 2 18 10 5 25 3 D 18 3 B 7 11 4 0 1 3 A E C 期間の25日を20日に短縮したい ©ATSUTO NISHIO
標準時間・特急時間 標準時間:普通の状態で作業を実施したとき要する時間 特急時間:可能な限り急がせて作業を実施したとき要する時間 そのときの費用 標準費用、特急費用 費用勾配= 費用勾配:期間を1日短縮するために必要な費用の増加分 費用勾配の一番小さな作業に着目することにより、付加的コストを最小にするプロジェクトの日程計画や、限られた予算内での効率的なプロジェクトの期間短縮などを検討する。 費用 特急費用 特急費用-標準費用 標準費用 所要時間 標準時間-特急時間 特急時間 標準時間 ©ATSUTO NISHIO
期間の短縮 作業 標準時間 特急時間 特急費用 標準費用 費用勾配 A 3 3 135 ∞ B 5 228 214 7 C 11 9 41 29 6 D 10 119 107 4 E 7 5 113 97 8 標準時間=特急時間の作業は短縮不可能 ⇒ 費用勾配は∞とする ©ATSUTO NISHIO
期間短縮① 8 8 4 7 25 3 2 18 ∞ 10 5 8 25 3 D 18 3 B 7 11 4 0 1 3 A E C 6 総費用=135+214+29+107+97 =582 (25日) ©ATSUTO NISHIO
期間短縮② 8 8 4 7 25 3 2 18 ∞ 5 7 8 25 3 D 18 3 B 7 11 4 0 1 3 A E C 6 最小の費用勾配を持ち、しかもクリティカルな作業を短縮する ⇒ 作業Dを可能な限り短縮する(Dは10ー7=3日短縮可能) 総費用は4×3=12増加し、582+12=594となる (22日) ©ATSUTO NISHIO
期間短縮③ 変化する 8 8 4 7 22 3 2 15 ∞ 5 7 8 22 3 D 15 3 B 7 11 4 0 1 3 A E C 6 次に、費用勾配の小さい作業Bを短縮する(CはCPでない) ⇒ 作業 Bは5ー3=2日短縮可能 しかし、作業Cが11日かかるので、11ー7ー3=1日しか短縮不可能 したがって、総費用=594+7×1=601 (21日) 特急日数 ©ATSUTO NISHIO
期間短縮④ 変化する 7 7 4 7 21 3 2 14 ∞ 4 7 8 21 3 D 14 3 B 7 11 4 0 1 3 A E C 6 CPが2通りできた 即ち、A→B→D→E と A→C→E ©ATSUTO NISHIO
期間短縮⑤ 変化する 7 7 4 7 20 3 2 14 ∞ 4 7 8 20 3 D 14 3 B 6 11 4 0 1 3 A E C 6 あと1日短縮するために、作業BとCを同時に1日短縮すると 総費用は (7+6)=13 増加する したがって、作業Eを1日短縮した方が有利である 総費用=601+8=609 (20日) ©ATSUTO NISHIO