状況に応じたユビキタスサービス起動 のための即興セレクタ

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状況に応じたユビキタスサービス起動 のための即興セレクタ 立命館大学大学院 理工学研究科  データ工学研究室 ◎相馬孝宣 島川博光

研究背景 携帯端末の操作による電化製品の操作などのユビキタスサービスの増加 携帯端末による操作の複雑化 携帯端末の操作に不慣れなユーザは十分にサービスを享受できない 誰でも簡単にサービスを起動できる真にやさしいインタフェースとして即興セレクタを提案する 近年、携帯端末の操作による電化製品の操作など、さまざまなユビキタスサービスが増加しています。しかし、この携帯端末の操作が複雑化することで、携帯端末の操作に不慣れなユーザはサービスを十分に享受できないという問題点があります。 2019/4/4

真にやさしいインタフェース コンピュータに不慣れなユーザでも、簡単にサービスを起動することができるインタフェース 簡単な操作方法 その場でのサービス起動 少ない労力 コンピュータを意識しない 本研究では「コンピュータに不慣れな人間でも簡単にサービスを起動できるインタフェース」を真にやさしいインタフェースとして想定する。必要な条件として、以下のような・・・・があげられる。 2019/4/4

Tagged Worldの概要 人間の生活空間におけるさまざまなものに貼り巡らされたRFIDタグ 外出時のユーザのふるまい 人間の生活空間におけるさまざまなものに貼り巡らされたRFIDタグ ユーザは小型計算機の備わったRFIDリーダを装着  ・ユーザの行動ログを収集  ・触ったものの種類と順序をみる    「ユーザのふるまい」を認識          +    「ものの状態」を取得(ユーザの位置)                 「ユーザの状況」を認識 即興セレクタによりユーザの状況に応じたサービスを提供 外出時のものの状態 電気ON テレビON 本研究はTagged Worldと呼ばれる環境において実現されます。Tagged Worldでは人間の生活空間におけるさまざまな物体にRFIDタグを張り巡らせます。その環境の中で、ユーザは人間の行動を認識する小型計算機を備えたRFIDリーダを装着し、ものに触れながら行動することで、ユーザのふるまいが検知されます。また、Tagged worldでは下の図のように、センサーネットワークによって「テレビの電源のON/OFF」や「リビングの照明のON/OFF」といったものの状態を取得できます。また、ユーザの触れたものからユーザの位置情報を取得することができます。これらユーザのふるまいとものの状態を組み合わせることで、ユーザの状況を認識します。本研究では、ユーザの状況を認識したうえで、ユーザの状況に応じたサービスを提供する即興セレクタを提案する. 2019/4/4

即興セレクタ ・近辺物体への接触 即興セレクタの機能 ・ユーザの状況に応じたサービスの選定 サービスの起動方法  ・ユーザの状況に応じたサービスの選定  ・選定サービスと近辺物体の対応付け  ・近辺物体によるスイッチ  ・サービスの通知 サービスの起動方法  ・近辺物体への接触 リビングの照明を消し忘れています. 消すときは靴ベラに触れてください. テレビの電源を消し忘れています. 消すときは下駄箱に触れてください. たとえば、ユーザが玄関で、リビングの照明とテレビの電源を消し忘れたまま外出した場合、即興セレクタではユーザの状況に応じたサービスが選定されます。この場合、リビングの照明を消す、テレビの電源を消すというサービスが選ばれます。選定されたサービスはユーザの周りに存在する近辺物体に対応付けられます。サービスが対応付けられた近辺物体は、サービス起動のスイッチになります。 ユーザは触れるだけでサービスを起動でき、その場でサービスを起動することが出来ます。 2019/4/4

即興セレクタ(外出時の場合) テレビの電源を消し忘れています。 消す場合は靴ベラに触れてください。 テレビの電源は遠隔で消される RFIDリーダ テレビの電源を消し忘れています。 消す場合は靴ベラに触れてください。 テレビの電源は遠隔で消される RFIDタグ 2019/4/4

サービスの対応付け 即興セレクタ ユーザ サービスの提示 外出時のサービス ユーザの近辺物体 物体接触による サービス起動 2019/4/4 ふるまい  ものの 状態 即興セレクタ 状況 サービスの提示 サービスとものの対応付け                   テレビを 照明を 外出時のサービス 消す 消す 提供されるサービス群 食事の支度時 のサービス 対応付ける 対応付ける ユーザ 就寝時の サービス 外出時の サービス 靴ベラ 下駄箱 帰宅時の サービス ユーザの近辺物体 物体接触による サービス起動 絞り込まれた サービス 2019/4/4

即興セレクタの特徴 少ない労力 簡単な操作方法 その場でのサービス起動 コンピュータを意識しない  システムによるユーザの状況に応じたサービス選定  サービスの検索や携帯端末の操作が不必要 簡単な操作方法  サービスの対応付けられたものへ接触することによるサービス起動 その場でのサービス起動  ユーザの近辺物体を用いたサービス起動のスイッチ  遠隔でサービスを起動することが可能 コンピュータを意識しない  携帯端末の操作を介さないサービス起動 2019/4/4

評価実験1の概要 即興セレクタ使用と即興セレクタ非使用の比較実験 (実験1) 即興セレクタ使用と即興セレクタ非使用の比較実験 (実験1) ・被験者は外出と就寝に適していない状態で、外出、就寝のふるまいをとる   -Case1 部屋の照明や戸締りなど1つ以上が確認し忘れている場合 -Case2 部屋の照明や戸締りなど3つ以上が確認し忘れている場合 -Case3 部屋の照明や戸締りなど5つ以上が確認し忘れている場合 ・部屋の照明などを消し、戸締りを確認した状態を外出・就寝に適した状態とする ・本システムを使用した場合と使用しない場合それぞれにおいて、外出・就寝に適した状態にするまでに要した時間の平均を計る                           ※被験者数は6名 即興セレクタに関して2つの評価実験を実施しました。 2019/4/4

実験結果 考察 即興セレクタ使用の方が速い 操作が単純 サービスをその場で起動できるため便利である 玄関で外出のふるまい 即興セレクタ使用 即興セレクタ使用  (ユーザによるスイッチ選択) 即興セレクタ非使用 Case1 00:43.855 00:56.789 00:51.068 Case2 00:50.515 01:07.493 01:14.948 Case3 01:02.531 01:22.573 01:46.240 考察 即興セレクタ使用の方が速い 操作が単純 サービスをその場で起動できるため便利である リビングで外出のふるまい  即興セレクタ使用 即興セレクタ使用  (ユーザによるスイッチ選択) 即興セレクタ非使用 Case1 00:42.934 00:47.891 00:41.445 Case2 00:54.878 01:09.534 01:02.160 Case3 00:53.656 01:13.190 01:22.913 寝室で就寝のふるまい  即興セレクタ使用 即興セレクタ使用  (ユーザによるスイッチ選択) 即興セレクタ非使用 Case1 00:37.246 00:40.606 00:46.505 Case2 00:44.057 00:54.224 00:59.792 Case3 00:40.993 01:06.602 01:25.988 ※表の数値は各被験者の実験対象を使用した平均時間である 2019/4/4

評価実験2の概要 即興セレクタと携帯電話の操作についての比較実験.(実験2) ・被験者は外出時にユーザにとって便利なサービスを起動したうえで外出する. ごみだしの日のスケジュール クリーニングのスケジュール その日の降水確率 その日の天気 その日の運航情報 エレベータ遠隔操作機能 Case1~3はそれぞれ実行するサービス数を示す このときサービスを享受するまでの平均時間を計る ※被験者数は6名 2019/4/4

実験結果 即興セレクタ 携帯電話 case1 00:17.65 01:30.37 case2 00:18.25 01:04.99 case3 00:36.28 01:44.88 考察 即興セレクタ使用の方が 速い 操作が単純 サービスを探す労力が少ない ※表の数値は各被験者の実験対象を使用した平均時間である 2019/4/4

アンケート結果 利点 即興セレクタの利点 サービスを自分で探す必要がないので、労力が少ない. アンケート結果 利点 即興セレクタの利点 サービスを自分で探す必要がないので、労力が少ない. 既存インタフェースに比べて即興セレクタは操作が単純で使いやすい. サービスを提示されたその場でサービスを起動できるため便利である.    たとえば、      ・外出時既に靴を履いてしまった場合は引き返す必要がない 2019/4/4

アンケート結果 問題点 即興セレクタの問題点 アンケート結果 問題点 即興セレクタの問題点 周辺にいくつものものが存在するときは、スイッチである近辺物体がどこにあるのか探すことが大変になる 周辺にいくつものものが存在するときは、通知されたサービスがどの近辺物体に割り当てられているのかわからなくなることもある 通知されたサービスとスイッチである近辺物体がイメージ的に結びついていない 即興セレクタに対する意見 提供されるサービス内容をディスプレイで表示してはどうか? ユーザへのフィードバック表示が必要ではないか? 2019/4/4

改善すべき課題 近辺物体取得の精度を上げる スイッチとする近辺物体の選択(傘などの可動物を避けた選択) サービス通知のタイミングをはかる必要がある サービス起動時の誤操作に関したキャンセル機能 2019/4/4

まとめ Tagged Worldの概要 即興セレクタ 比較実験 改善すべき課題 サービスの対応付け 特徴 実験結果と評価 アンケート結果 Tagged Worldの概要 即興セレクタ サービスの対応付け 特徴 比較実験 実験結果と評価 アンケート結果 改善すべき課題 2019/4/4