九州大学 芸術工学部 芸術情報設計学科 1DS04173G 勝田 恒士郎 指導教員:富松 潔教授 存在感を生み出す コミュニケーションツールの提案“ぬくもりコミュニケーション” Proposal Of Communication Tool that Invents A Sense Of Existence “Warmth Communications” 九州大学 芸術工学部 芸術情報設計学科 1DS04173G 勝田 恒士郎 指導教員:富松 潔教授
目次 背景 問題点 関連研究 「ぬくもり」に関する考察 システムについて まとめと今後の展望
背景 近年、Messenger、skype等のオンライ ンコミュニケーションによって、離れ た人と容易に連絡を取り合うことが出 来るようになった。 しかし、インターネットを介して送受 信できる情報は、主に言葉やジェス チャー等で表現される、明示的なメッ セージのみに限られている。
オンラインにおけるストレス 〝存在感″を得ることが出来ない。 相手の状態が分からない。 普段、無意識に感じている 用件がないとコミュニケート出来ない。 (相手との親密度によって違う)
オンラインにおける問題点 オンラインコミュニケーションにおいて は、相手への能動的なアプローチが必要。 オンラインでは、対面時に無意識に共有 していた〝存在感〝を伝達し合えない。 あまり親しくない関係においてはストレ スを感じてしまう。 相手の存在感を提供できるオンラインコ ミュニケーションツールを提案
関連研究① ファミリープランター(NTT研究開 発) つながり感通信: 簡単な音や光の合図を通信するこ とで、家族のつながり感を醸成する
関連研究② 『ぬくぬくキー』 慶応義塾大学 インタラクション2005発表 ICタグを持った家族が家に帰宅すると、 キーが温まり、ぬくもりとしてそのこ とを伝える。所有者は家族の漠然とし た存在感を感じることができ、家に帰 りたくなる。 ぬくもりによって存在を感じさせる。
関連研究まとめ 作品名 伝える媒体(メディア) 目的 メリット デメリット 図 ファミリープランター 音、光 離れた家族の存在を感じる 単純。煩わしさが少ない 情報が、不十分。ボタンを押す行為は不自然 SyncDecor 光、動作、 映像 一緒に居るような感覚を仮想的に与える その場に相手がいるような感覚が得られる 実用的ではない Lovelet 光、温度 適時的で自然な思いやり行為 単純(操作はタッチのみ) デバイスの形状が不自然 ぬくぬくキー 現実のコミュニケーションを促す 入力作業なし。温度によってぬくもりを感じる 遠隔地コミュニケーションとは異なる
「ぬくもり」に関する考察 家族が家に集まっている状況。 触覚:相手の温度を感じる 媒体を介してのぬくもり: 手をつなぐ 友人の背中 媒体を介してのぬくもり: 布団の中が温かい 人が座っていたベンチ 相手のぬくもりを感じさせるシステム 親しい友人、家族のぬくもりを共有する ことによって存在感を得る。 人間の 存在を感じる
ペルチェ素子の原理 2つの異なった金属間に直流の電流を流すと吸熱 面や発熱面ができる。電流の流れを逆にすると その現象も逆になる。このような現象を「ペル チェ効果」と呼ぶ。 メリット 小型・軽量であること 高精度で応答の早い温度制御が可能 今回のシステムでは、高精度な温度制御が必要
Arduinoを用いた回路制御 Processingの開発環境を用 いたオープンソースプ ラットフォーム Javaに近い言語で、基盤の プログラミングができる Flash, Processing, Max/MSPと 通信することが可能 今回のシステムではFlash を用いたオンラインコ ミュニケーションをベー スとする
システムについて ぬくもりを伝えるものとして、行火をモチー フとする。 一つの空間を共有しているような感覚を疑似 的に与える。 共有する空間として、Flash Media Serverを利 用したオンラインチャットルームを提供する B PC ログイン、 ログアウト情報 チャットルームの人数情報 C ログアウト情報 FMS A
外観イメージ スイッチによって足が 置かれたことを認識す る。 ペルチェ素子を二枚取 り付け、熱を足元に伝 える。 外装は、 直接肌に触れる 熱を伝えるよう薄い素 材 を考慮に入れ、ボア を用いた。
システムの流れ チャットルームでオンラインコ ミュニケーション 人が入ってくると温まる 足が離れるとチャットルームから 退席した状態になる 相手ユーザの行火温度が下がる チャットルームが開く 置かれたことを認識する ログインボタンを押す Flashchatを起動する 足を置く
まとめと今後の展望 「ぬくもり」情報を付加するシステム によって、従来のネットワークコミュ ニケーションと異なる、「存在」を示 すツールが提案できた。 さらに「存在」を示すために、触覚、 視覚、聴覚情報を組み合わせることで、 相手を「感じる」ことのできるコミュ ニケーションが生み出せると感じた。
ご清聴ありがとうございました