高分子電気絶縁材料の誘電特性計測を用いた劣化診断に関する研究 所 研究室 13S06 片山 祐輔 平成15年 2月13日
高電界誘電特性測定システムを用いて、試料の誘電特性を測定する 目的 高電界誘電特性測定システムを用いて、試料の誘電特性を測定する 誘電特性→劣化診断指標 劣化診断技術の向上を目指す
誘電特性の測定方法 実用機器は片側表面のみが利用可能 くし形電極 試料片側表面から誘電特性を測定する
くし形電極を用いて、水浸劣化過程における試料の吸水劣化現象を、試料片側表面から劣化診断を行なう。 試料の劣化診断方法 くし形電極を用いて、水浸劣化過程における試料の吸水劣化現象を、試料片側表面から劣化診断を行なう。 試料に水滴を設置した状態で誘電特性を測定し、その検出結果から試料表面の撥水性の検討を行う。
試料:シート状シリコーンゴム(50mm×60mm 厚さ6mm) 実験方法 主 電 極 高電圧電極 LED(-) LED(+) 6mm 電極間距離:6mm 試料:シート状シリコーンゴム(50mm×60mm 厚さ6mm) 試料上の電極と水滴の様子
実験結果 水浸劣化過程→室温で試料を水浸 吸水 乾燥 図1 水浸過程と乾燥過程の重量変化
図2 水浸劣化過程とIxrの関係 (水滴無しの状態)
図3 水浸劣化過程とIxrの関係 (水滴3個を設置した状態)
直流重畳電圧波形を用いた劣化診断 直流重畳電圧波形の模式図 AC DCオフセット分 AC AC:4kVP-P DC:±2kV 0.9:sec 30波形 0.6:sec 20波形 AC:4kVP-P DC:±2kV 周波数:33.333Hz AC DCオフセット分 AC 4.2sec 計140波形 直流重畳電圧波形の模式図
AC:4kVP-P DC:±2kV 周波数:33.333Hz 図4 直流重畳電圧波形の解析結果
水滴を設置した状態と設置しない状態の両者から劣化診断を行う 直流重畳電圧波形を用いた測定 試料A:水浸劣化させていない試料 試料B:長時間(約55日間)、室温で水浸劣化過程を行った試料 →撥水性が良い →撥水性が悪い 水滴を設置した状態と設置しない状態の両者から劣化診断を行う
図5 試料Aと試料Bの比較 (水滴を設置しない状態で測定した結果)
図6 試料AのIxrの測定結果 (試料Aに水滴を3個設置)
図7 試料BのIxrの測定結果 (試料A:水滴3個 試料B:水滴1個)
図8 試料BのIxrの測定結果 (水滴1個と3個の測定結果)
まとめ くし形電極を用いることにより、試料片側表面から吸水劣化現象を評価することが可能となった。 水滴を設置した状態の損失電流Ixrの検出結果から、試料表面の撥水性を評価できることが示唆される。 水滴を設置した時の、直流重畳電圧分に依存した誘電特性の検出から、より明確に劣化診断可能であることが示唆される。
高電界下における水滴の画像解析結果と誘電特性の測定結果を対応させ、より明確な劣化診断技術の向上が望まれる。 今後の課題 高電界下における水滴の画像解析結果と誘電特性の測定結果を対応させ、より明確な劣化診断技術の向上が望まれる。
撥水性の良い試料 主 高 HTV-SIR 撥水性の悪い試料 主 高 HTV-SIR 試料表面の撥水性とIxrの関係
損失電流Ixrの周波数特性
試料Bの⊿Ixcの結果測定結果