第24太陽周期はどうなるのか 1.観測速報 石井 貴子1、磯部 洋明2、 北井 礼三郎1,2、柴田 一成1,2 1京都大学・理・天文台 2京都大学・宇宙ユニット
X-class flareの数と黒点相対数の年変化 (2 cycles) Cycle 22 Cycle 23
飛騨天文台フレア監視望遠鏡(FMT) 可視光画像 黒点の多い時の太陽 2001年3月27日 飛騨天文台フレア監視望遠鏡(FMT) 可視光画像
Solar cycleごとの黒点の極性と出現しやすい緯度
磁場データで作成したバタフライダイアグラム 黄色:N極、青:S極 極域(pole)の磁場が11年で(極大期のころに)反転している Cycle 23では、北半球で先行黒点がN極、南半球でS極
飛騨天文台 SMART望遠鏡のカレンダー (2008年1月) http://www.hida.kyoto-u.ac.jp/SMART
飛騨天文台 SMART H-alpha 像 2008.01.05 (JST)
SOHO/ MDI 磁場データ 2008.01.06 (JST) 双極黒点の極性が 前のサイクルの 南半球と同じ -> 新しいサイクルの 極性の傾向 出現緯度が 高緯度(N30度付近) => Cycle 24に属する 黒点の出現
その後の黒点数の状況 なかなか黒点が増えてこない 無黒点の日も多い
毎日新聞 2008年9月14日朝刊
マウンダー極小期に テムズ川(イギリス)が 凍った(珍しい)記録 黒点数の少ない 期間が続くと (他に人的要因がなければ) 地球は寒冷化する
太陽活動変動と気候 (紀元前3000年から現在) 気温 氷河の量 黒点数 C14からの推測 黒点数 C14からの推測 http://www2.sunysuffolk.edu/mandias/lia/possible_causes.htm Schaefer, Bradley E., 1997, “Sunspots that Changed the World,” Sky & Telescope, May: Pp. 34-38.
2008年 11月21日 朝日新聞
その後の黒点数の状況 (2009年) あまり様子は変わらない
無黒点日の統計 (Inter national daily sunspot numberを使用) 極大(max_1)と極大(max_2)の間で 一月のうち一日でも無黒点の日があった最初の月(a)と最後の月(b) a-bの間の期間[月] (c)、その期間の無黒点日の総数(d) a b c d max_1 max_2 min 2004.01 2009.04(cont.) 64 609 2000(23) 1994.04 1998.01 46 309 1989(22) 2000 1996 1983.11 1987.07 45 273 1979(21) 1989 1986 1973.07 1977.07 49 272 1968(20) 1979 1976 1961.11 1966.08 58 227 1957(19) 1968 1964 1950.12 1955.10 59 446 1947(18) 1957 1954 1941.11 1945.09 47 269 1937(17) 1947 1944 1930.09 1935.07 59 568 1928(16) 1937 1933 1920.04 1926.07 76 534 1917(15) 1928 1923 過去100年で一番多い (1930年ごろと同程度か それ以上)
2009年 3月22日 日経新聞 ?
赤字: 新しいサイクルの 極性の活動領域 (12 / 47 regions) 新しいサイクルに 属する領域より 古いサイクルに 2008.01.04以降に出現した全活動領域 NOAA date 10981 1/ 4->1/6 N 10982 1/29->2/4 10983 2/25->2/28 10984 3/ 5->3/6 10985 3/10->3/11 10986 3/15->3/17 10987 3/23->4/2 10988 3/24->4/3 10989 3/24->3/31 10990 4/13->4/15 N 10991 4/18->4/20 10992 4/22->4/24 10993 5/ 4->5/5 S 10994 5/16->5/20 10995 5/16->5/17 10996 5/16->5/21 10997 5/27 10998 6/ 5->6/13 10999 6/16->6/22 11000 7/18->7/20 赤字: 新しいサイクルの 極性の活動領域 (12 / 47 regions) 新しいサイクルに 属する領域より 古いサイクルに 属する領域の方が多い Cycle24は始まったが Cycle23も終わっていない 11001 9/12 11002 9/22->9/23 N 11003 10/ 4 11004 10/ 9->10/10 11005 10/11->10/16 N 11006 10/16->10/17 11007 10/30->11/ 6 N 11008 11/10->11/19 N 11009 12/10->12/12 S 11010 1/ 6->1/13 N 11011 1/18->1/19 11012 2/11->2/13 11013 2/24->2/26 N 11014 3/ 7->3/8 11015 4/22 N 11016 4/30 11017 5/15 N
磁場データで作成したバタフライダイアグラム 黄色:N極、青:S極 極域(pole)の磁場が11年で(極大期のころに)反転している Cycle 23では、北半球で先行黒点がN極、南半球でS極
第24太陽活動周期の始まり具合のまとめ ・ここ20-30年のサイクルと比べて立ち上がりが遅い ・無黒点日は過去100年で一番多い ・黒点が出現していないわけではない ・多分、100年に一度の低活動サイクル (前例がないわけではないので異常と騒ぐのはどうかと思う)
2009.05.08付の黒点数予測グラフ
Polar field ? De Jager and Duhou (2009) here
Predictions of Solar cycle 24 William Dean Pesnell, 2008, Solar Phys., 252, 209