21世紀COE外国旅費補助・ 成果報告会 C0704 宇宙物理 PDF 松田 有一.

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21世紀COE外国旅費補助・ 成果報告会 C0704 宇宙物理 PDF 松田 有一

参加した国際会議 会議名 Obscured AGN Across Cosmic Time(宇宙の歴史と隠れた活動銀河核) 開催地 Seeon, Bavaria, Germany 日程 5-8 June 2007

参加した国際会議 参加者数 123人(うち日本人3人) トピックス 参加者数 123人(うち日本人3人) トピックス Multiwavelength identification of Type 2 AGN Unification Schemes AGN feedback processes Host galaxy properties Ly-alpha blobs and haloes(巨大電離水素ガス雲) Large scale environments

参加した国際会議 講演の種類 12 invited review talks (30+5 minutes) 11 targeted talks (20+5 minutes) 29 contributed talks (15+5 minutes) 25 short talks (5 minutes) ※ In addition to the invited review talks, the SOC will select about 10 targeted talks (20+5 minutes) to discuss recent high-impact results.

発表内容 題名:The nature of radio-quiet Lya blobs (電波で暗い巨大電離水素ガス雲の性質) 申請者による巨大電離水素ガス雲に関する研究成果(以下の5編の論文)のまとめ Matsuda et al. 2004, The Astronomical Journal, Volume 128, Issue 2, pp. 569-584. Matsuda et al. 2005, The Astrophysical Journal, Volume 634, Issue 2, pp. L125-L128. Geach, Matsuda et al, 2005, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society, Volume 363, Issue 4, pp. 1398-1408. Matsuda et al. 2006, The Astrophysical Journal, Volume 640, Issue 2, pp. L123-L126. Matsuda et al. 2007, The Astrophysical Journal, in press, (arXiv0707.0525)

発表内容 巨大電離水素ガス雲の起源は電波源をともなうものとともなわないもので違うのか? 電波源をともなうガス雲 電波源をともなわないガス雲 電波源をともなうガス雲 電波源をともなわないガス雲 4C41.17 z=3.8 (Reuland+03)    SSA22 LAB1 z=3.1 (Steidel+00,Matsuda+04)

発表内容 巨大電離水素ガス雲 ガス雲の起源 電波源(隠れた活動銀河核からの電波ジェットによるシンクロトロン放射)をともなうもの ガス雲の主な起源は電波ジェットと周囲の物質の衝突? 電波源をともなわないもの ガス雲の起源はガス冷却収縮、星形成、銀河風? ガス雲の起源 (大質量)銀河の形成過程を解く鍵

発表内容 電波で暗い巨大電離水素ガス雲の性質 隠れた活動銀河核の証拠を示すものは少ない 銀河高密度領域に特有の現象である サブミリ波(爆発的星形成活動で作られた大質量星の紫外線により温められた塵からの熱放射)で明るい天体が多い サブミリ波で空間的にひろがっている(ひろがった星形成活動を持つ)ものがある

発表内容 電波源をともなうガス雲と電波源をともなわないガス雲の違いは? 両方のガス雲の共通点 ガス雲の起源 高密度環境に存在 空間的にひろがった爆発的な星形成活動 ガス雲の起源 高密度環境におけるガスの塊の衝突合体 空間的にひろがった爆発的な星形成

聴衆の反応 物語風に大きな声でゆっくりはっきりと話した 組織委員長の De Breuck博士(ヨーロッパ南天天文台)は発表中、何度もうなづきながら、ニコニコして聞いてくれていた 講演後、Overzier博士、Fosbury博士、Koekemoer博士、Stern博士から「good talk!」、「well organized talk!」と声をかけてもらえた

質疑応答1 (質問1-De Breuck博士)観測モードを変更して、さらに高精度な観測を行うことは可能 (回答1)現在、既に最良の観測モードを選んでおり、現存の観測装置で行える最高レベルの結果になっている。

質疑応答2 (質問2-Van Breugel博士)分子輝線での空間的なひろがり(サイズ)はどうなっているのか。 (回答2)現在のところ、良い精度の分子輝線の観測はまだ行えていないため、サイズに良い制限はついていない。

質疑応答3 (質問3-Heckman博士)爆発的な星形成活動で生まれる大質量星からの電離光子のみでひろがった電離水素輝線強度を説明できるのか。 (回答3)我々の得ている紫外線連続光画像の解析から星形成のみで十分説明可能であることがわかった。

講演後の夕食前には会議中に仲良くなった スペイン、チリのポスドク、大学院生と一緒に 湖に泳ぎに行きました