はじめに 原子核科学の新展開 新しい原子核コミュニティの創出 問題点(または問題意識)の共有 原子核、核データの展開先への貢献を明確にするために以下の事項を把握する 展開先からの要求を明らかにする。 内容、緊急性 改善手法は? 3. それに必要なデータは? 原子核研究者は、要望にこたえるために以下を議論する。 4. 既存の測定データはあるか 5. 我々が測定可能か 6. シミュレーション、核データ等で再現可能か
アンケート結果報告1 回答者:22名(複数回答のため、合算すると22名を超える) ユーザー: 加速器:5名 核データ評価:3名 半導体ソフトエラー:4名 医療:4名 材料損傷:2名 核データ評価:3名 核データ測定:6名 核物理理論:4名 コード開発(PHITS):4名 必要としている反応は? 展開先分野毎にまとめる必要あり ビーム核種: 陽子、中性子、重イオン ビームエネルギー:10MeV-1GeVが最も多い ターゲット: 軽核、中重核 生成核種: フラグメント、中性子、陽子、γ線、半減期30日以上のRIなど 断面積: CS,DDX,放射化断面積 その他: 電離阻止能、材料損傷指標DPA シミュレータまたは理論(モデル)の向上に最も有効と考えられる核データは?: 関与する核の弾性散乱の角度分布,全反応断面積と弾性(非弾性) 散乱微分断面積,核子入射ヘリウム・水素同位体生成DDX
アンケート結果報告2 測定例 渡辺 萩原 岩元 中尾 八島 堀 アンケート結果報告2 測定例 ・12~18MeV 陽子入射反応 (p,xp), (p,xa), etc. - C, Zr, Nb, Mo, Ag, Pd etc. ・26MeV 陽子入射反応 (p,xp), (p,xa), etc. - C, Mo, Pd etc. ・40~70MeV 陽子入射軽イオン生成 - C, Al, Ni, Zr, Au, Bi ・175MeV 準単色中性子入射軽イオン生成 - C, O, Si, Fe, Bi ・392MeV 陽子入射 (p,xp) 反応 - 40Ca 渡辺 Quantity:DDX Target:Li Reaction:(d,n) Energy:25, 40 MeV Quantity:TTY Target:Li, C, Al Reaction:(d,n) Energy:40 MeV Quantity:CS Target:C, Al Reaction:C(d,X)7Be, Al(d,X)22Na, Al(d,X)24Na Energy:40 MeV Quantity:TTY Target:Li, Be Reaction:(d,n), (d,X)7Be Energy:25 MeV Quantity:CS Target:Li Reaction:(d,X)7Be Energy:6.8-39.3 MeV Quantity:TTY Target:Li, C, Al Reaction: Li(d,X)7Be, C(d,X)7Be, Al(d,X)7Be, Al(d,X)22Na, Al(d,X)24Na Energy:40 MeV Quantity:DDX Target:Li Reaction:(d,n) Energy:25 MeV 萩原 ・10MeV 陽子・重陽子入射反応 (p,xn), (d,xn), Be. ・140-400MeV 陽子入射反応 (p,xn)- Li, C, Al,Fe,Pb ・・・RCNPの準単色・白色中性子照射場開発含む 岩元 中尾 中性子放射化断面積 例Bi-209(n,xn), C-12(n,2n) etc. En=80-150MeV 重イオン厚いターゲット 100-800MeV/u 八島 核種生成断面積 Cu(p,x) Cu(He,x) Cu(C,x) Cu(Ne,x) Cu(Ar,x) Cu(Si,x) N(n,x) O(n,x) Bi(n,x) Co(n,x) ・中性子捕獲反応 MA核種(Am-243等)、核分裂生成核種(Zr-93等)、その他安定同位体核種 核燃料物質(例えばU-238等)や構造材料の非弾性散乱断面積測定 堀
原子核分野の新展開 医療応用 半導体・材料応用 エネルギー応用 線量照射誘導陽子線治療及びシミュレーション 医療用RI生成計画 サイクロトロンを用いたBNCT用熱外中性子源治療施設建設計画 半導体・材料応用 半導体デバイスにおけるソフトエラーの研究開発 原子力関連材料の照射効果 エネルギー応用 核融合開発IFMIF関連 加速器駆動炉の炉心設計
医療応用 陽子線治療、シミュレーション、医療用RI生成計画 西尾、高階、小濱、永井、洞口 必要なデータ(エネルギー、物理量、精度)は何か: ビーム: 100-400MeV 陽子、炭素 ターゲット:H N O C Ca(ポジトロンエミッタ) 生成物:上記の同位体、DDX断面積 要求精度:5%以内 佐波さんが測定したデータ(ブラッグカーブカウンター)があるかも。 PHITSは高エネルギーのフラグメント生成苦手 AMDや改良INCの組み込み必要。 今後具体的な要求が必要 放射性同位元素の実験データを仁井田さんが把握 必要なデータ(エネルギー、物理量、精度)は何か: p-pの全断面積、特に100-200MeV領域でデータがあいまい 2倍くらいことなる p-Oの全反応断面積 将来はくろたまモデルをPHITSへ適応 PHIITSに組み込まれている断面積は? 仁井田さんが把握
半導体デバイスにおけるソフトエラーの研究開発 上村、安部、小野田、(渡辺) 必要なデータ(エネルギー、物理量、精度)は何か: ビーム:宇宙線起因白色中性子、10~400MeV陽子,中性子, MeV~TeV重イオン ターゲット:半導体デバイス(主にSiやO) 生成物:Siの核反応生成物全て 断面積:DDX ・核子入射ヘリウム・水素同位体生成DDX、重イオン入射反応(宇宙) 要求精度:20%以内、可能な限り高く 過去の実験概要 ・200MeVまでの n+Siや n+O反応からの軽イオン生成DDXデータあり。 ・陽子入射: Uppsalaで逆運動学を使った 200MeV/A, 300MeV/Aの p+Si, d+Si反応実験あり。ただし、軽イオン生成は除く。 国内での実験可能性 ・RCNPでの白色中性子源を使ったソフトエラー率や電荷付与量測定 ・(RIKENやHIMACでの逆運動学実験)
エネルギー応用 加速器駆動炉の炉心設計、材料損傷 西原、義家 エネルギー応用 加速器駆動炉の炉心設計、材料損傷 西原、義家 加速器駆動炉の炉心設計。高エネルギー陽子核破砕反応。 必要なデータ(エネルギー、物理量、精度)は何か: ビーム:陽子:600MeV~3GeV 中性子:0~3GeV ターゲット:Pb, Bi, W, Fe, Cr, Ni, Zr, Actinide 生成物:H, He, DPA (材料損傷) ( Fe, Cr, Niについて) 発熱量 要求精度: ・炉心設計に必要な精度、 臨界性で0.1%dk程度(中性子の20MeV以下断面積) ・陽子あたりの中性子生成個数で、5%程度 primary knock on energy spectrumと生成した粒子の種類と量 今後具体的な要求が必要
エネルギー応用 IFMIF関連 渡辺、松本 必要なデータ(エネルギー、物理量、精度)は何か: ビーム:数10~400MeV 陽子,中性子, (d,xp), (d,xn) ターゲット:軽核、特に Li, Be 生成物:すべての生成2次粒子と放射性同位体 断面積:DDX 要求精度:20MeV以上のデータが皆無か非常に少ないので、まずは陽子入射での 実験を行い、理論モデル(CDCC等)の検証に使う。まずは20%程度。 FENDL-3 中性子、陽子、重陽子データもはいる。150MeVまで必要 20MeV以上のn+Li不足 陽子、重陽子 軽核が重要 二次粒子DDX、放射化 中性子断面積計算のCDCCの貢献、PHITS不可能 RCNP+RIKENでの実験可能性 ・ 50-200MeV重陽子入射中性子生成DDX測定 まずは、(d,xp)反応データがある入射エネルギー点(例えば100MeV)で行う。
BNCT用熱外中性子源治療施設 代理反応、宇宙分野、RIBF 田中、千葉、太田、大津 必要なデータ(エネルギー、物理量、精度)は何か: ビーム: 8-50MeV 陽子、重陽子 ターゲット:Be、加速器構造材 生成物:中性子エネルギー角度二重微分断面積、放射化断面積 要求精度:ファクター2以内(もちろんできるだけ小さい方がいいです。) P+原子核(Fe)など 原子核-H、原子核-原子核反応 15%以内 proton-原子核断面積、 プロトン、中性子 RIBF SMAMURAIでの中性子測定 flight path, P+不安定核について。 RCNPはd100MeVまで。
ツール 理論モデルの核データ評価、PHITSへの貢献を期待 高エネルギー核データ 深堀 データベース 合川、牧永 高エネルギー核データ 深堀 データベース 合川、牧永 理論・シミュレーション PHITS 仁井田 AMD 小野 くろたまモデル 小濱 CDCC 松本 九大モデル 澤田 理論モデルの核データ評価、PHITSへの貢献を期待
今後について ・中性子または陽子入射によるフラグメント生成二重微分断面積が広く要求されている。 包括的に広い分野に応える測定が可能 技術的困難は? ・展開先からの必要なデータと既存のデータを比べて、何が不足かまずは洗い出す。 ・シミュレーションが既存のデータを再現するかベンチマーク計算し、モデルで不足を洗い出す。 ・メーリングリストとホームページにより、今後も交流を行う。