動圧を利用した湿式研削における 砥石径のインプロセス測定

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動圧を利用した湿式研削における 砥石径のインプロセス測定  本研究では,湿式研削における砥石摩耗量のインプロセス測定を目的とし,研削液により発生する動圧を利用した測定法を提案した.本手法では測定のための媒体として研削液を利用するため,(1)砥石,被加工物および研削液の電気磁気的な特性の影響を受けない,(2)研削液を積極的に利用するため,光学的手法のような光のじょう乱の問題がない,(3)付加する装置が少なくてすむという利点を持つ.  砥石の周りに狭い間隔を置いて圧力センサを配置すると,研削液がその間隙に入り込み動圧が発生する.この動圧は,間隙長が増加すると単調減少する.したがって,ギャップと動圧の関係を校正することで本手法を砥石の摩耗量測定に適用することが可能であると考えられる.  砥石の周速が大きいほど動圧は大きく,間隙長を変化させた場合の変化率も大きかった.間隙長が100mm以下の範囲では,実際の砥石を用いた場合のばらつきは変位換算で約1mmであった.  3種類の砥石を使用し,提案した方法でギャップと動圧の変化を測定した.その結果,動圧の大きさは砥石の粒度や気孔の影響を受けることが明かになった.しかし,いずれの場合でもギャップの増加に対し動圧は単調減少した.  円板を摩耗させながら測定すると,初期状態の分布上を摩耗量分移動させた分布が観察された.  動圧を周波数解析することで砥石作業面の目づまり、目こぼれ、目つぶれを検出することもできる。 Principle of measurement by using hydrodynamic pressure Experimental apparatus Examples of outputs of sensors Trajectory of pressure to gap Influence of grain size Detection of loading of grinding wheel Dispersion of measured pressure Average pressure vs. gap (C)2001 豊田工業大学・生産工学研究室

ドットマトリクス方式放電加工法  近年,加工の形態が多品種少量生産に変移するにつれてフレキシブルな高精度加工機械への要求が高まっている.本研究では,放電加工などにおいて,一列または複数列に配置された多数のピン状電極の長さを制御しながらxy方向に走査することで,三次元の微細形状を迅速に創成する方式を開発することを目的とする.  ドットマトリクス方式の加工ユニットは,超小型電極送り機構,電極ホルダ,ワイヤ電極より構成される.電極送り機構により駆動される複数のワイヤ電極の先端は,ホルダにより拘束され束ねられている.この加工ユニットはNC工作機械のような主軸およびテーブルを持つ機構に取り付けられている.この一連の動作はインパクトプリンタで印字する場合に似ている.異なる点は,プリンタはピンの突き出し量が一定であり,紙面に二次元の形状を印字するが,本方式の場合は突き出し量を連続的に制御するため,三次元の形状を創成することが可能となる.  電極消耗を補償しながら複数回同じ場所を加工することで高精度な加工が可能となった.各電極を絶縁することで放電を強制的に分散させることができるため,クラックが少ない加工表面を得ることができる. Quill of electrical discharge machine Concept of dot-matrix electrical discharge machining Appearance of machining unit System configuration Positioning sequence of electrodes Equi-potential power Divided power Designed shape Machining sequence Types of power supply for dot-matrix EDM Equii-potential power Divided power Result of machining Improvement of waviness Example of machining Discharge dispersion (C)2001 豊田工業大学・生産工学研究室

パラレル機構を用いた走査型 プローブ顕微鏡用微動ステージ  ナノメータオーダの加工を目的とした加工機の重要な要素の一つに微動テーブルがある.市販の走査型プローブ顕微鏡は、チューブ型圧電素子を用いているため、自由度が低い。本研究では,スチュワート型パラレル機構を用いて6自由度微動ステージを試作し,誘導電荷フィードバック法により変位を制御した.  可動範囲は10010020mm,固有振動数はz軸方向で75Hzであった.走査速度が高く取れるようにxy方向の剛性を高め,高いz軸方向の分解能が得られるように,xy平面とリンクのなす角度を6にした.  各リンク長を制御することでテーブル変位を制御するセミクローズドループ方式とした.テーブルの目標位置および姿勢は,逆運動学を解くことで各軸の長さに分解される.  誘導電荷フィードバックによりテーブルの運動を制御した結果,変位フィードバックと同等の運動精度が得られた.  試作したステージを用いて原子間力顕微鏡を構成し,フォースカーブを測定した.これを用いて運動精度を測定した結果,z軸方向で16nm(s)の繰返し精度を持つことが明らかになった.また,20×20mmの範囲で直線性のよい回折格子像が観察された.しゅう動部がないため、真空中でも使用可能である。 Appearance of device Sectional view Setup for atomic force microscope Specifications Size: 16016085 mm Mass of table: 24 g Movable range: 100 mm in xy, 20 mm in z Resonance frequency: 100 Hz in xy, 75 Hz in z Degrees of freedom: 6 Actuators: Piezoelectric actuators Magnification: 12.5 Block diagram of control system Cross-talk ratio AFM image of diffraction gratings Force curve on Silicon (C)2001 豊田工業大学・生産工学研究室