Y. Fujiwara, Y. Suzuki and C. N., to be published in PPNP;

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Y. Fujiwara, Y. Suzuki and C. N., to be published in PPNP; クォーク模型による YN, YY相互作用 鈴鹿高専 仲本朝基 京大理 藤原義和 新潟大理 鈴木宜之 九歯大 河野通郎 これまでの成果を収めたレビュー論文 Y. Fujiwara, Y. Suzuki and C. N., to be published in PPNP; http://qmpack.homelinux.com/~qmpack/sent/review2.pdf このホームページから誰でも入手できます 2006/8/2 KEK原子核研究会

クォークとバリオン u d s c b t u, d, s から構成されているスピン1/2をもつバリオン(octet baryon) p n アップ・ クォーク ダウン・ クォーク ストレンジ・ クォーク チャーム・ クォーク ボトム・ クォーク トップ・ クォーク ~300 MeV ~300 MeV ~500 MeV ~1.3 GeV ~4.3 GeV ~186 GeV この3つに関しては、同じような粒子の量子数が異なる状態とみなせる。 ⇒ フレイバーSU(3)対称性 u, d, s から構成されているスピン1/2をもつバリオン(octet baryon) p n Λ Σ+ Σ0 Σ- Ξ0 Ξ- uud udd uds uus uds dds uss dss 陽子 中性子 核子(N) ハイペロン(Y) 2006/8/2 KEK原子核研究会

フレイバーSU(3)対称性による分類 q (10) 3 q (10) 3 q (10) 3 × × = + + + (30) 10 (11) 8 (11) 8 (00) 1 Δ++, Δ+, Δ0, Δ-, Σ* +, Σ* 0, Σ* -, Ξ* 0, Ξ* -, Ω- p, n, Λ Σ+, Σ0, Σ-, Ξ0, Ξ- Λ(1405) ? 8重項バリオン同士による2体系のフレイバーSU(3) 分類 (11) 8 × (11) 8 = (22) 27 + (30) 10 + (03) 10* + (11)s 8s + (11)a 8a + (00) 1 (フレイバーSU(3)対称性が厳密に成り立つならば・・・) 6つのフレイバー成分に、総ての2体系に関する情報が含まれている!! 2006/8/2 KEK原子核研究会

SU(2):2つのスピン状態の結合 クレブシュ・ゴルダン係数 SU(3):2つのフレイバー状態の結合 ウィグナー係数 例 2006/8/2 KEK原子核研究会

B8B8 systems classified in the SU3 states with (l, m) (03)    [(11)s+3(22)]    [3(11)s‐(22)]  (22) XL XS(1/2) XS(3/2) ‐3 ― (11)a [‐(11)a+(30)+(03)] [(30)‐(03)] [2(11)a+(30)+(03)] (11)s+ (22)+ (00) (11)s‐ (22)+ (00) (11)s+  (22) ー (11)s+ (22) (11)s-    (22)- (00) LL XN(0) XN(1) SL SS(0) SS(1) SS(2) (30) XX(0) XX(1) [‐(11)a+(03)] [(11)a+(03)]    [3(11)s‐(22)]  LN SN(1/2) SN(3/2) ‐1 NN(0) NN(1) 3E, 1O (P=unsymmetric) 1E, 3O (P=symmetric) B8B8(I) S ‐2 ‐4 2006/8/2 KEK原子核研究会

} 各成分での相互作用に関する情報を掴めば、 関連する系に対して相互作用の振る舞いを予想することができる! 実験事実 NN(1)系に短距離斥力および中間領域引力がある 他の pure (22) 成分をもつ系 ΣN (3/2), ΣΣ(2), ΞΣ(3/2), ΞΞ(1) の1S0状態 pure (22) 成分 をもつ (22) 成分をメインに含んでいる系 ΛN, ΞΛ, ΛΛ の1S0状態 実験事実 NN(0)系は束縛状態(重陽子) pure (03) ΞΣ(3/2) 3S1状態は強い引力? } (11)s : パウリ禁止状態 ΣN(1/2), ΞΣ(1/2)の1S0状態(9割) 斥力? (30) : 準禁止状態 ΣN(3/2), ΞΞ(0)の3S1状態 quark-model prediction 2006/8/2 KEK原子核研究会

2.クォーク模型の特徴 ( model-independent ) (1)パウリ原理 バリオンレベル クォークレベル Λ p 異種粒子 u d s u d 量子数の異なる同種粒子たち 接近すると・・・? Λ p クォーク間相互作用がどういったものなのかを考える以前に、 クォークの運動エネルギーを考慮するだけで理解できる Λp系はフェルミ粒子である クォークからできている ⇒ 反対称化 2006/8/2 KEK原子核研究会

相互作用を考慮せず kinetic energy だけで解いて得られるphase shifts 2006/8/2 KEK原子核研究会

ハイパー核に反映されるかもしれない点 } (11)s : パウリ禁止状態 ΣN(1/2)の1S0状態(9割) 斥力? (30) : 準禁止状態 ΣN(3/2)の3S1状態 Σ single-particle potential (原子核の中でΣ粒子が感じるポテンシャル)が斥力的に記述できる 2006/8/2 KEK原子核研究会

2.クォーク模型の特徴 ( model-independent ) (2)短距離斥力 color-magnetic interaction ⇒ flovor-singlet (00) state 以外の総ての (カラー磁気相互作用)   state において short-range 斥力を与える 核力(NN相互作用)における実験事実を定性的に正しく再現 (3)大きな anti-symmetric LS force スピン・軌道力による原子核・ハイパー核の状態分離 ⇒ 原子核の場合に比べて、Λハイパー核における分離は小さい Λハイパー核において、LS力とanti-symmetric LS力は逆符号で寄与する { 中間子交換模型による評価 ⇒ 打ち消しあう度合いが比較的弱い クォーク模型による評価 ⇒ 比較的強い 2006/8/2 KEK原子核研究会

3.現実的なクォーク模型 ( model-dependent ) } ・NN phase shifts ・deuteron properties ・low-energy parameter ・existing YN experimental data reproduce FSS + } ・data との fit のより良い精度 ・π-exchange による強すぎる tensor force の抑制 ・high-energy ( ~ short range ) における斥力効果の enhance fss2 2006/8/2 KEK原子核研究会

Quark-Hamiltonian ( fss2 ) H = (mi+pi2/2mi)-Kcm ∑ 6 i=1 ∑ + (UijConf+UijFB+∑βUijSβ +∑βUijPSβ +∑βUijVβ) 6 i<j ∑ ・UijConf ∝rij2 ・UijFB : Fermi-Breit interaction ・UijSβ : scalar-meson exchange ・UijPSβ : pseudo-scalar-meson exchange ・UijVβ : vector-meson exchange 2006/8/2 KEK原子核研究会

(1) 対称性で分類される相互作用の振る舞い (03) (30) (11)a 2006/8/2 KEK原子核研究会

(2) Λの増加に伴う相互作用の変化 2006/8/2 KEK原子核研究会

(2) Λの増加に伴う相互作用の変化 single single couple to ∑N full-couple to ΞN and ∑∑ 2006/8/2 KEK原子核研究会

どの系よりも iso-spin dependence が大きい!? … 3S 1P I = 0 I = 1 ΛΛ- Ξ N -∑∑ Ξ N Ξ N-∑Λ Ξ N-∑Λ-∑∑ どの系よりも iso-spin dependence が大きい!? 2006/8/2 KEK原子核研究会

(a) I = 0 の 3P0-state に resonance 2006/8/2 KEK原子核研究会

(a) I = 0 の 3P0-state に resonance fss2 FSS 2006/8/2 KEK原子核研究会

(a) I = 0 の 3P0-state に resonance fss2 FSS ΛΛ cross sections 2006/8/2 KEK原子核研究会

(b) I = 1 系における∑Λ- channel との強い coupling [(30)‐(03)] (11)s+  (22) ー (11)s+ (22) XN(1) SL 3E, 1O (P=unsymmetric) 1E, 3O (P=symmetric) ⇒ single-channel calculation ではいずれの系も斥力的 2006/8/2 KEK原子核研究会

正味のΞN interaction を estimate するためには、 ∑Λとの coupling は必要不可欠! ΞN cross sections 正味のΞN interaction を estimate するためには、 ∑Λとの coupling は必要不可欠! 2006/8/2 KEK原子核研究会

Summary ◎ quark model の一般的特徴 Pauli principle short-range repulsive strong anti-symmetric LS force ◎ realistic quark model ( fss2 ) の特徴 spin-flavor SU6 symmetry に対応した振舞い Λの増加に伴う引力の reduction ΞN ( I = 0 ) 3P0 -state に resonance 強いΞN-∑Λ coupling ←→ 弱いΛΛ- ΞN coupling 2006/8/2 KEK原子核研究会

◎ fss2 を中心とした review article Y. Fujiwara, Y. Suzuki and C. N., to be published in PPNP; http://qmpack.homelinux.com/~qmpack/sent/review2.pdf fss2 の ・NN系における任意の energy region における微分断面積や  偏極量など ・任意のB8B8系の phase shifts 等の figure が、下記のアドレスから誰でも入手できます。 http://qmpack.homelinux.com/~qmpack/index.php 2006/8/2 KEK原子核研究会