教師にとっての「生の質」 青木直子(大阪大学).

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教師にとっての「生の質」 青木直子(大阪大学)

・教師はケアする職業である ・他人のケアをするためには自分のケアもできなくて はならない。 ・だから、教師の「生の質」は大切である。 ・教師はケアする職業である ・他人のケアをするためには自分のケアもできなくて  はならない。 ・だから、教師の「生の質」は大切である。

語学教師にとっての「生の質」 ・自分の仕事が専門的な知識と技術が必要なものであることを社 会が認知し、  会が認知し、 ・教育制度の中でそれなりの位置を与えられ、 ・良心的な経営者が経営する学校で働け、 ・コストの低減と生産性の向上という2重のプレッシャーにさら  されず、 ・昇進の道と安定した収入が得られ、 ・自分のライフ・サイクルにあった働き方が選択でき、 ・自分の創造性を生かして授業ができる自由があり、 ・自らも異文化について学ぶことができ、 ・学生の成長を言葉の面だけでなく異文化間能力の面でも実感で  き、 ・自分の努力を学生から認められること?

日本語教師にとっての「生の質」 ?

自己研修は 教師の「生の質」を悪化させないか? 自己研修=自分のお金と時間でする研修?     =自分で「リサーチ」する研修?     =自分についての研修?

教師の「生の質」を悪化させない 研修の条件 ・お金がかからない。 ・仕事が増えない。 ・すべての問題を教師のせいにしない。 ・教師の知の形にあっている。

探索的実践の倫理的枠組み 1 教師を燃え尽きさせてはいけない。 2 教育実践の役に立たないリサーチのスキルを 1 教師を燃え尽きさせてはいけない。 2 教育実践の役に立たないリサーチのスキルを   身につけることを教師に求めない。 3 実践家のリサーチは人々が共に生きる実践の  場の生の特徴に関するものであるべきだ。 4 学習者も実践共同体の一員であり、探索的実  践の主体である。    私たち(教師と学習者)が私たちの実践をリサーチする。

探索的実践の認識論的枠組み  理解には抽象するという「上向き」の理解と、  深く理解するという「下向き」の理解がある。

「上向き」の理解 物理の公式や諸々の法則に代表される。 物事を単純化し、現実の複雑さを覆い隠してしまう。 実生活の中で次に何が起こるかを予測する役には立たない。

「下向き」の理解 本当に深い理解は言葉にできない。 しかし、その理解を「生きる」ことはできる。 誰かが深い理解を「生きる」ことで、周囲の人間は利益を受ける。 深い理解を「生きる」人と接することで、周囲の人間が、その知恵を学ぶこともあるかもしれない。

探索的実践のやり方はどうでもよい Think globally, act locally. それぞれの文脈でそれぞれの目的にあった方法を考えればよい。 行き先が決まらなければ、次の一歩をどっちに踏み出したらいいかはわからない。 最終的に自分はどんな教育実践をしたいのかを考えよ。

探索的実践の原則(私の理解) 探索的実践の目的は、問題解決ではなく、理解することである。 (2)理解する主体は、教師であるとともに学習者でもある。 従って、 (3)トピックは、教師と学習者がともに関心を抱けるものでなくてはならない。 探索的実践は、 (4)行動を必要とする。 (5)行動には関係者全員が参加する。

探索的実践の原則(私の理解つづき) しかし、 (6)探索的実践は教室という場の生の質を最優先する。 だから、 (7)本来、教室でやるはずのことを犠牲にしないように、関係者全員にとって余分な時間と手間を最小限にする。 そのために、 (8)理解のための行動を通常の学習活動の中に組み込む。 (9)時間を限ったプロジェクトではなく、無期限に持続できるものにする。

探索的実践の原則(私の理解つづき2) (10) 理解したことは必ずしも言葉で表現できるとは限らない。 しかし、理解の結果、 (11)関係者全員が成長できる。 そして、 (12) 人と人が結びつけられる。

雲をつかむような話だと 私も思いますが... 私はどんな人間でありたいか、だからどんな教師になりたいか、どんな授業をしたいか、そのために何を理解したいかを考えて、学生たちにこんなこと関心ない?ともちかけてみようと思います。