共生第二課題における 陸域生態系炭素循環モデルの研究計画 名古屋大学大学院 環境学研究科地球環境科学専攻 市井 和仁

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共生第二課題における 陸域生態系炭素循環モデルの研究計画 名古屋大学大学院 環境学研究科地球環境科学専攻 市井 和仁 2002.12.18 共生第二 運営会議

[Sarmiento and Gruber, 2002] 1. はじめに 地球の炭素循環 [Sarmiento and Gruber, 2002]

Based on MODIS NPP algorithm (Satellite-based LAI & FPAR) Global mapping of NPP trend (1982-1999) NPP kgC/yr Based on MODIS NPP algorithm (Satellite-based LAI & FPAR) (Light Use Efficiency Approach : GPP= APAR * LUE) [Nemani et al., 2002 in MODIS vegetation workshop]

2. 陸域生態系炭素循環モデル Sim-CYCLE MATSIRO Biogeochemistry NPP, LAI Biophysics C, N NPP, LAI Biophysics Energy, H2O Microclimate Composition NPP, LAI Biogeography Composition

DGVM(Dynamic Global Vegetation Model)相互比較 [Prentice et al., 2001]

DGVM相互比較 (緯度帯分布) CO2&気候変動 [Cramer et al., 2001]

SRES Emission Scenario 3. 統合モデルにおける陸域植生の影響(GCM+炭素循環) 主な研究 Hadley Center [Cox et al. 2000] (IPCC IS92a) TRIFFID [Cox 2001] IPSL [Dufresne et al., 2002; Berthelot et al., 2000] (SRES A2) SLAVE [Friedlingstein et al. 1995] Bern-CC model [Joos et al., 2000] (SRES A1B) LPJ [Sitch 2000] (Intermediate Complexity Model) A2 IS92a A1B SRES Emission Scenario [Joos et al. 2001]

Hadley/IPSLの比較 270 70 ppm ppm Hadley [Cox et al., 2000] IPSL [Dufresne et al., 2002]

植生・土壌の炭素量の変化(Total & Amazon) [Dufresne et al. 2002] 気候変化なし

純一次生産量(NPP)の変化(gC/m2) IPSL Bern-CC 減 増 純一次生産量(NPP)の変化(gC/m2) 生物圏炭素量の変化(kgC/m2) 減 増 土壌水分量変化(mm) 降水量変化(mm/day)

統合モデルのまとめ Hadley, IPSL, Bern-CCともに結果が大きく異なる 将来の植生/土壌の炭素分配 GCMの結果に依存(特に水循環) 土地利用変化は考慮なし 動的な植生分布の重要性は?(感度解析の必要性) モデル中身の議論・地域的な議論が不足 窒素循環の考慮 生態系モデルが十分に成熟していない 様々な検証・フィールドデータの取り込みが不十分

4. 今後の計画 MATSIRO (+GCM) Sim-CYCLE 現在 C→FORTRAN 生態系変動 予測モデル 03年1-3月 結合 海洋炭素循環 モデル等 03年4-6月 ・検証 ・過去-将来 ・感度解析 オフライン試験 統合モデル① 結合 ・SRESシナリオ ・感度解析 オフライン試験 統合モデル②

Sim-CYCLEとMATSIROの結合 Canopy T Phenology LAI Soil moisture Soil T Stomatal conductance MATSIRO Sim-CYCLE(remove H2O cycle) Canopy water interception, transpiration, T, albedo Phenology (LAI) GPP, AR, HR Canopy T, Soil T Stomatal conductance Soil moisture GPP GPP, HR

Sim-CYCLE/MATSIRO結合モデルのオフライン試験 ポイントデータ 実測NPP,バイオマス等 Flux data (Asia Flux, Ameri Flux, etc.) 広域データ リモートセンシング(LAI (or FPAR, NPP)) 時系列データ リモートセンシング(LAI (or FPAR, NPP)) エルニーニョ等短期変動に伴うCO2収支変動 オフラインラン(過去~将来) CO2濃度・気候を外部入力 素過程の感度解析 (バイオマス・土壌その他) DGVM相互比較との比較 Global mapping of NPP trend (1982-1999)

統合モデル②に向けて 人為的プロセス・窒素循環等の導入 生態系変動予測モデルとの結合 感度解析 土地利用変化・火災等 様々なフィールドスタディーの結果の適用 生態系変動予測モデルとの結合 サブグリッドスケールの物質・エネルギー循環の導入 感度解析 異なるアルゴリズムの利用 様々なフィールドスタディーの結果の適用