ステンレス製ナノ・ニードル基板を用いた細胞操作デバイスの作製 -有機物質とのハイブリット化を添えてー

Slides:



Advertisements
Similar presentations

Advertisements

金属微細構造体製作のための 二相ステンレスの析出相生成場所制 御 田畑研究室 B4 田中 伸 治.
セラミックス セラミックスの製造法 2 第 8 回 6月 11 日 ( 水). [2]セラミックスの種々の焼結法 (1)ホットプレス法(Hot Pressing:HP法)[:図 参 照] :カ-ボン製の型に原料粉末を入れ、 高周波加熱によりカ-ボン型を加熱し ながら加圧して焼結する方法 圧力:200~400kg/cm.
2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 早稲田大学理工学部 電気・情報生命工学科4年 神保直史 熱音響管の解析とシミュレーション.
Superconductor corps. Sou Machikawa Hiroki Iwasaki Shooter Yufune 2003/11/22.
誘電泳動現象を利用した液体クロマトグラフィー用高度濃縮分離法の開発
石川,保坂,松下,丸山,宮地,信田 担当:宮野
川口則幸教授 退任記念ワークショップ 日通機における 電波天文機器の開発 2014年6月3日 日本通信機株式会社 武井 健寿.
Solid-in-oil(S/O®)化技術を利用した医薬品・化粧品に関する研究
研削実験の状況報告 第17回新技術望遠鏡技術検討会 2009年7月25日 名古屋大学 所 仁志.
色素増感太陽電池におけるフィルム 電極の2.45GHzマイクロ波焼成
単色X線発生装置の製作 ~X線検出器の試験を目標にして~
本時の目標 電気エネルギーの変換のしくみを理解し、適切な利用方法が選択できる。
共焦点レーザー顕微鏡 LSM800 with Airyscan システム紹介セミナーおよび取扱説明会のご案内
2016年度インターンシップ報告会2016/10/13 〇〇会社インターンシップ報告 機械工学科 学籍番号 4M〇〇 高専 太郎.
Keirin 生物 第1部 細胞の観察と大きさの測定 <細胞の観察と大きさの測定>.
3.8 m望遠鏡主鏡エッジセンサ 開発進捗 京都大学 理学研究科 M2 河端 洋人.
セグメント研削工程の改善 所 仁志 名古屋大学大学院 理学研究科 光赤外天文計測学研究室
キンギョにおける 全身性の炎症と免疫の誘導
文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業 「共用施設が拓くデバイスイノベーション」
酸化と還元.
色素増感太陽電池を作って 発電実験をしてみよう ーSPPでの授業実践を通してー
目次 多重薄板型X線望遠鏡 レプリカ法とは 反射鏡の評価 現状と課題
PTLV-1の起源と進化 ~ニホンザルに感染してるSTLV-1の系統学的位置の解明 ~
ステンレス製ナノ・ニードル基板を用いた細胞操作デバイスの作製 -有機物質とのハイブリット化を添えてー
マウス2細胞期胚のEFS溶液を用いたガラス化法による凍結保存の手順
佐藤勝昭研究室 OB会2003年11月22日  磁性MOD班.
「プラズマエッチングによるレジストパターン転写実習」
海洋生命・分子工学基礎実験 タンパク質の取扱い (3)
Fig. Crystal structure of Nd2Fe14B
遺伝子導入効率No.1を目指す ナノ・ニードル基板デバイスの開発
情報化社会を支える量子ビームと化学 大阪大学産業科学研究所 古澤孝弘 ナノサイエンス・ナノテクノロジー高度学際教育研究訓練プログラム
プラズモン共鳴を用いたC-dot-Ag ナノ粒子-シリカコンポジット 薄膜蛍光増強
テスラコイルの製作.
生物統計学・第3回 全体を眺める(1) R、クラスタリング、ヒートマップ、各種手法
ディジタル回路 5. ロジックの構成 五島 正裕.
2008年ノーベル化学賞について.
建築家の材料選定 -チタン外装- 9班 西村康一 畑中昌子  肥田和 福間晋一 藤木克則 堀内義人.
第3回 宮野Gr. MTGまとめ 【内容】 当面の課題: MTGの結論: 【 2 】 【 1 】 【 3 】 【 6 】 【 4 】
第12回(12月15日):遺伝子診断用マイクロデバイス
平成16年度 広島大学技術センター 研  修  会 技術発表 2004.11.19 .
Keirin 生物 第1部 体細胞分裂の過程 第1部 実験4 <体細胞分裂の過程>.
Sample ポスターのイメージ B1サイズ (728mm × 1,030mm)推奨 電子 太郎 (指導教員: 情報 次郎)
Mini-RT装置における 強磁場側からの異常波入射による 電子バーンシュタイン波の励起実験
液中通電法を用いたAu, Pt, Pdナノ粒子の作成
化学生命理工学実験 II アフィニティークロマトグラフィー (3)
ライフサイエンス支援センター・バイオ実験機器部門 高木 均
ウィルスって どの位感染しているのかな? 菊池研究室  小堀智弘.
「生えたかどうか確認できない」とのことでした。
1.細胞の構造と機能の理解 2.核,細胞膜,細胞内小器官の構造と機能の理解 3.細胞の機能,物質輸送の理解 4.細胞分裂過程の理解
金属歯冠修復物にできる皺襞 -その3- H26年12月7日 愛知学院大学歯学会.
ギャップ結合の機能評価 H27.8.1 体験学習.
赤外線反射 省エネルギー塗料 高機能セラミック系 IR2800 株式会社ハネリューコーポレーション.
ナノサイズの孔の作り方・使い方 岡山理科大学 理学部 化学科 高原 周一.
水ジェットキャビテーションによる 有機物分解効率の向上に向けた基礎研究 2002年12月26日
機械工作1 ~熱処理について~.
学習目標 1.細胞の構造と機能の理解 2.核,細胞膜,細胞内小器官の構造と機能の理解 3.細胞の機能,物質輸送の理解 4.細胞分裂過程の理解
レクテナ研究 T15E022 小林 幸弘 T15E022 齋藤 剛浩.
微細加工班 佐藤研OB会プレゼン資料 03.11.22 佐藤研OB 手塚 智之 (森下研所属;M1) 山本 尚弘(4年)
過熱水蒸気技術について トクデン株式会社 東京営業所 浦井 弘充 第一高周波工業株式会社 機器事業部 機器開発部 吉村 拓郎 1.
ポンプ軸封部の管理 1.軸封部 セルフ・フラッシングは、触手によってフラッシングラインの表面温度から内部流体が流れているか確認する。
ガスセンサーの製作 [応用物理研究室] [藤井新太郎]
バッチプラントから連続へ さらに無消泡へと連続煮沸装置の欠点を 克服しプラスαを目指します。
~昆布のダシについて~ 山口 梨紗子 横田 真紀
チョコッと知っとこ 有れば便利な簡易電界強度計 noー17
フィルター利用 対象物は何か? 細胞をフィルターにかけるという従来技術は? どういった点で勝てそうか?夢ある応用は?
於:宇都宮大学教育学部 理科教育学学生実験室
機械的特性向上 成形性向上 50. 加工・通電熱処理による アルミニウム合金板の機械的特性の向上 車両の軽量化 塑性加工学研究室 石黒 農
MEMS技術×金属組織学=新たな医療デバイス
微細流路中に合成したナノワイヤ構造体を用いた DNA解析(S-13-NU-0041)
Presentation transcript:

ステンレス製ナノ・ニードル基板を用いた細胞操作デバイスの作製 -有機物質とのハイブリット化を添えてー ステンレス製ナノ・ニードル基板を用いた細胞操作デバイスの作製 -有機物質とのハイブリット化を添えてー ナノメディシン融合教育ユニット 平成19年度 問題解決実習 船本、渡邊、安井、寺尾、小此木、興津 担当教官 宮野、寺村

ステンレス製ナノ・ニードル基板とは? ステンレス板を熱処理し内部に析出層を作りエッチングで母層を溶かし表面に出したもの

目標 ステンレス製ニードル基板とMEMS技術を組み合わせてハイブリッド型細胞操作デバイスを作製する。 例1:フィルター 例2:細胞膜に傷を付け内部に異物を導入出来るようにする。→細胞メス

このデバイスの利点 これまで不可能だったらアルガネラの選別ができる(かも) マイクロよりさらに微細なナノへ サンプルの必要量は少量でOK  これまで不可能だったらアルガネラの選別ができる(かも)  マイクロよりさらに微細なナノへ  サンプルの必要量は少量でOK  MEMS技術を使用するので  高い圧力でも操作出来る。  ステンレス基板を使用するので

構想図 細胞 こんな風になれば嬉しい ニードル基板 細胞が流れる流路はPDMSで製作する。

計画   理・エッチング マスクの作製 流路の作製 ステンレス基板の熱処 組み立て 実験1(水を流す) 実験2(細胞を流す) 評価・考察

製作するデバイスの仕様 流路の形状(3種類) 1.直線 2.ポートから流路までをなだらかに収束 3.蛇行 流路の幅(3種類)  1.直線  2.ポートから流路までをなだらかに収束  3.蛇行 流路の幅(3種類)  20μm、50μm、100μm 流路の高さ(2種類)  50μm、100μm 

製作1 マイクロ流路部の作製 流路部はPDMSを使いSU-8で作製した型から抜くことにした。

製作2 ステンレス基板の熱処理・エッチング SUS304を1300℃まで加熱し水冷、さらに900℃まで再加熱する。その後エッチング。

製作3 組み立て 組み立てた形状はこんな感じ

実験1 水を流す 組み立てた流路に着色した水を流してみた。 実験中の流路は 幅は100μm 高さは50μm

実験2-1 蛍光ビーズを流す 細胞を流す前に蛍光ビーズを流してみた。

実験2-2 細胞を流す 混濁液を流路に流し、出口から採取した後に蛍光顕微鏡で観察。 マウス赤芽球性白血病(MEL)細胞 流路通過量100ml 実験2-2 細胞を流す 混濁液を流路に流し、出口から採取した後に蛍光顕微鏡で観察。 マウス赤芽球性白血病(MEL)細胞 流路通過量100ml 導入物質IGG抗体+蛍光物質CY3 観察へ

観察例

まとめ

結果 ニードル有り基板を通した細胞には蛍光の発現が有り導入が確認された。 比較対象のニードル無し基板(ガラス)を通した細胞には発現が無く導入が確認されなかった。 この結果から、ニードルの効果により細胞内に薬液が導入されたと云える。

このデバイスの利点 導入の為にエネルギーを使わない →極めて省エネルギーのデバイス 連続処理が可能 →導入効率が飛躍的に向上する可能性  →極めて省エネルギーのデバイス 連続処理が可能   →導入効率が飛躍的に向上する可能性 他のデバイスへ容易に組み込むことが可能  →システム性に優れる

今後の確認事項 再現性の確認 流路、ニードル等の最適化 様々な物質の導入 特に遺伝子の導入実験 細胞融合への適応  などが考えられる。

謝辞 本課題解決実習の様々な過程において、懇切なる御指導と御鞭撻を賜った、宮野先生、寺村先生に心より感謝を申し上げます。 数々の御助言と御指導を賜りましたユニットOBの先輩方に深謝申し上げます。 ナノメディシン融合教育ユニットの皆様に感謝いたします。 ありがとうございました。