排出量取引について ~日本から見る排出量取引の意義~ 早稲田大学 地球環境班 外山公一 柿澤和哉 佐々木圭 川谷絵美 川上かおり 排出量取引について ~日本から見る排出量取引の意義~ 早稲田大学 地球環境班 外山公一 柿澤和哉 佐々木圭 川谷絵美 川上かおり
1.はじめに
2.排出量取引とは
2005年 京都議定書 発効 ⇒温室効果ガスの削減が 取り決められる
京都議定書 制度実施のための柔軟性措置 ⇒京都メカニズム ・排出量取引 ・クリーン開発メカニズム ・共同実施
排出量取引とは 各国家・企業ごとに温室効果ガスの排出枠を定め、排出枠を超えて排出した国・企業と排出枠が余った国・企業との間で排出量を取引する制度である
排出量取引の仕組み 排出枠100万トン 排出枠100万トン A国 B国
排出量取引の仕組み 実排出量110万トン 実排出量90万トン 超過 余剰 支払い A国 B国
3.排出量取引の現状
日本の現状 CO₂排出量取引に関する国内統合市場の試行的実施が正式発表 →自主的参加の企業からなる国内排出量取 引市場ができる 2008年10月22日 CO₂排出量取引に関する国内統合市場の試行的実施が正式発表 →自主的参加の企業からなる国内排出量取 引市場ができる cf.佐川急便 独自で実施
千趣会 消費者 配送量 (消費者1円+ 千趣会1円) 日本政府 佐川急便 佐川急便HPより作成
世界の現状 EU諸国 EUETS 全世界排出量取引の3分の2を占める アメリカ 州単位で京都議定書に批准 全世界排出量取引の3分の2を占める アメリカ 州単位で京都議定書に批准 北東部10州 地域温室効果ガスイニシアティブ シカゴ気候取引所 企業団体 USCAP(27団体、6社) その他、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどが排出量取引制度導入を検討
4.排出量取引の仕組み (1)EU-ETSの仕組み (2)日本の国内排出量制度の仕組み
出典:環境省HP
EUETS(第一期:2005~2007年 第二期:2008~2012) キャップアンドトレード型 A国 B国 クリーン開発 メカニズム事業 政府 政府 排出枠返却 排出権配分 排出枠返却 排出権配分 共同実施事業 購入 企業 企業 購入 排出量取引市場
排出権の配分 グランド・ファザリング方式による配分 目標値 総配分量
全社に昨年比90%のCO2排出を許可する権利を与えます グランドファザリング方式 全社に昨年比90%のCO2排出を許可する権利を与えます 政府機関 10% 昨年実績 10% B社 A社 10% C社
グランド・ファザリング方式 過去の排出実績 などをもとに排出権を無償配布 これまで排出削減努力をしてきた企業などにとっては不公平 過去の排出実績 などをもとに排出権を無償配布 これまで排出削減努力をしてきた企業などにとっては不公平 オークション方式だと有償だが不公平感は出にくい
EUETS(第一期:2005~2007年 第二期:2008~2012) キャップアンドトレード型 A国 B国 クリーン開発 メカニズム事業 政府 政府 排出枠返却 排出権配分 排出枠返却 排出権配分 共同実施事業 購入 企業 企業 購入 排出量取引市場
EUETS成功要因 ・企業にとって無理のない範囲の排出権配分 ⇒EUETSの第一歩を後押し ・生産量の増える場合や新規参入にも対応できる仕組み 排出権を可変的な活動許可証といった性格にしたことが大きな成功要因
国内取引制度試行実施 ・試行排出量取引スキーム ※自主参加 国は強制力を持たない ⇒参加企業が自主的に排出削減目標を設定 との違い EUETS(グランドファザリング方式) との違い 自らの削減努力に加えて、達成のための排出枠・クレジットの取引を認める ※自主参加 国は強制力を持たない
5.考察
排出量取引をはじめとする経済的手法を取り込んでいく必要性 政府が各企業に削減を命令 ⇒企業側のモチベーションがあがらない 排出量取引をはじめとする経済的手法を取り込んでいく必要性
削減目標設定方法の違い 自主設定 メリット デメリット グランド・ファザリング方式 オークション 方式 初期の費用負担が小さい ・不公平感が生まれる ・過去の努力が反映されにくい オークション 方式 公平感が得られやすい 初期の費用負担が大きい 自主設定 ・公平感が得られやすい ・初期の費用負担が小さい 排出効果が得られるか疑問
削減目標の設定方法は? 試行排出量取引スキームと同様に各企業に設定を任せる ⇒経済界からの反発が抑えられる 第三者機関による監視
6.まとめ
地球環境問題 政府 企業 結節点 市民
排出量取引 ・排出量全体の削減に貢献 ・市民の環境問題に対する意識を高め、自発的な行動を促す手段になる ⇒企業にとってだけでなく市民にとっても 有益