介護予防・日常生活支援総合事業についての進捗状況 多治見市 高齢福祉課 高齢者支援グループ
はじめに岐阜県の人口動態 ~団塊の世代を中心に~
岐阜県の高齢人口の推移
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2025年問題の捉え方
担い手となる人口 30~34歳 10.6万人(現在)⇒9万人(2025年) 35~39歳 12.5万人(現在) ⇒8.8万人(2025年) 40~44歳 15.2万人(現在)⇒10.3万人(2025年) 45~49歳 13.4万人(現在)⇒12.2万人(2025年) ※30~40代の労働人口が、 51.7万人⇒40.3万人 2割も減少 ※介護人材の確保は今以上に難しくなるかも。
生活支援等に対する考え方を変える 今までの介護保険サービスは、「要介護状態」「要支援状態」の高齢者個々に対する支援をして、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部もしくは一部について支援。支援者は、プロが行ってきた。 総合事業では、地域の力を活用するなど支援者は「無資格者」でも対応できるよう拡大された。 要支援状態であっても地域で残存能力を活用して地域に貢献。 介護保険財源を地域づくりに利用して良いことに。 「運動」よりも「人とのつながり」・「居場所づくり」が重要視されるようになった。
未来の支援の方法について 買い物 支援者がスーパーで買い物 ⇒ネットや電話で注文・配達 掃除 支援者が掃除機で行う 買い物 支援者がスーパーで買い物 ⇒ネットや電話で注文・配達 掃除 支援者が掃除機で行う ⇒機械が自動で掃除・自動洗浄 食事 支援者が共同で下準備 ⇒カット野菜などを注文 入浴 デイサービスの利用 ⇒入浴だけするためのデイ利用 人とのつながり 支援者との交流 ⇒地域の住民との交流
総合事業に向けた準備事業 平成28年度開始の事業
総合事業に向けて28年度に取組む事業① 【福祉活動推進事業】 サロン活動支援:市内に約80箇所あるサロンのうち、高齢者の閉じこもり予防や介護予防に貢献している団体への活動支援 ※月2回以上の開催が必須、身近な地域での居場所づくりを目的とする。 ※内容をお茶飲み等の他に、介護予防等のテーマを持たせる ように、活性化やサロンの役割の向上を目指す。 ※将来的に要支援者のデイサービスに代わる存在として期待。 ・地域福祉協議会等事業支援:地域福祉協議会やサロン等に 運動事業の講師等を派遣。短時間(20~30分)くらいを目安に介護 予防教室を行う。一日に複数のサロン等で介護予防教室を実施すると いうイメージ。 ※サロン活動のマンネリ化を防ぎ、参加者にとって魅力的な活動となるような 工夫が必要。
総合事業に向けて28年度に取組む事業② 【総合事業準備事業】 ・訪問型サービス調整事業:地域の団体の拠点に常駐者を置き、地域住民が必 要とする生活支援サービスのうち、訪問型サービスの調整を行うもの。 ※28年度中は、総合事業に該当する住民主体の訪問型サービスは存在しな いため、29年度に移行可能な体制を構築するための準備事業。 ・認知症カフェ開催費:認知症高齢者等が地域で安心して暮らしていくために、 地域住民の認知症に対する理解を深めるとともに、介護者に至っては介護に 関する悩みや共感が必要とされる。そのために民間のサービスを活用し、 シニアカフェ街の灯等で認知症カフェを開催。
総合事業に向けて28年度に取組む事業③ ① 研修内容:高齢福祉課職員、地域包括支援センター職員、介護保険事業 【総合事業に向けた研修】 ・新しい総合事業の担い手となる地域のボランティアと介護保険事業所で緩和のサービスの担い手となる無資格者が必要最低限な知識を得るための研修を実施。 ① 研修内容:高齢福祉課職員、地域包括支援センター職員、介護保険事業 所職員による講義・演習で高齢者対応に必要な知識を取得するように担 い手を養成。 ② 研修時間:3時間程度×3日間 ③ 研修方法:1受講あたり約20人募集 ④ 研修回数:5回を予定(養成人員100人) ※ここに挙げた事業の他、地域人材育成に向けた取組みや徘徊高齢者捜索 模擬訓練事業、いわゆる「居場所」についての施設整備補助等を実施予定。
新しい総合事業 要支援サービスの類型 見慣れた表ですが・・・
【参考】介護予防・生活支援サービス事業の類型(その1) (※国の資料を一部加工・修正) ○ 要支援者等の多様な生活支援のニーズに対して、総合事業による多様なサービスを提供していくため、市町村は、サービスを類型化し、それに併せた基準や単価等を定めることが必要。 ①訪問型サービス ※ 市町村はこの例を踏まえて、地域の実情に応じた、サービス内容を検討する。 ○ 訪問型サービスは、現行の訪問介護に相当するものと、それ以外の多様なサービスからなる。 ○ 多様なサービスについては、雇用労働者が行う緩和した基準によるサービスと、住民主体による支援、保健・医療の専門職が短期集中で行うサービス、移動支援を想定。 基準 現行の訪問介護(ホームヘルプサービス)相当 多様なサービス サービス 種別 ①訪問介護 ②訪問型サービスA (緩和した基準によるサービス) ③訪問型サービスB (住民主体による支援) ④訪問型サービスC (短期集中予防サービス) ⑤訪問型サービスD (移動支援) 内容 訪問介護員による身体介護、生活援助 生活援助等 住民主体の自主活動として行う生活援助等 保健師等による居宅での相談指導等 移送前後の生活支援 対象者とサービス提供の考え方 ○既にサービスを利用しているケースで、サービスの利用の継続が必要なケース ○以下のような訪問介護員によるサービスが必要なケース (例) ・認知機能の低下により日常生活に支障がある症状・行動を伴う者 ・退院直後で状態が変化しやすく、専門的サービスが特に必要な者 等 ※状態等を踏まえながら、多様なサービスの利用を促進していくことが重要。 ○状態等を踏まえながら、住民主体による支援等「多様なサービス」の利用を促進 ・体力の改善に向けた支援が必要なケース ・ADL・IADLの改善に向けた支援が必要なケース ※3~6ケ月の短期間で行う 訪問型サービスB に準じる 実施方法 事業者指定 事業者指定/委託 補助(助成) 直接実施/委託 予防給付の基準を基本 人員等を緩和した基準 個人情報の保護等の 最低限の基準 内容に応じた 独自の基準 提供者(例) 訪問介護員(訪問介護事業者) 主に雇用労働者 ボランティア主体 保健・医療の専門職 (市町村)
【参考】介護予防・生活支援サービス事業の類型 (その2) 【参考】介護予防・生活支援サービス事業の類型 (その2) (※国の資料を一部加工・修正) ※ 市町村はこの例を踏まえて、地域の実情に応じた、サービス内容を検討する。 ○ 通所型サービスは、現行の通所介護に相当するものと、それ以外の多様なサービスからなる。 ○ 多様なサービスについては、雇用労働者が行う緩和した基準によるサービスと、住民主体による支援、保健・医療の専門職により短期集中で行うサービスを想定。 ②通所型サービス 基準 現行の通所介護(デイサービス)相当 多様なサービス サービス 種別 ①通所介護 ② 通所型サービスA (緩和した基準によるサービス) ③ 通所型サービスB (住民主体による支援) ④ 通所型サービスC (短期集中予防サービス) 内容 通所介護と同様のサービス 生活機能の向上のための機能訓練 ミニデイサービス 運動・レクリエーション 等 体操、運動等の活動など、自主的な通いの場 生活機能を改善するための運動器の機能向上や栄養改善等のプログラム 対象者と サービス提供の考え方 ○既にサービスを利用しており、サービスの利用の継続が必要なケース ○「多様なサービス」の利用が難しいケース ○集中的に生活機能の向上のトレーニングを行うことで改善・維持が見込まれるケース ※状態等を踏まえながら、多様なサービスの利用を促進していくことが重要。 ○状態等を踏まえながら、住民主体による支援等「多様なサービス」の利用を促進 ・ADLやIADLの改善に向けた支援が必要なケース 等 ※3~6ケ月の短期間で実施 実施方法 事業者指定 事業者指定/委託 補助(助成) 直接実施/委託 予防給付の基準を基本 人員等を緩和した基準 個人情報の保護等の 最低限の基準 内容に応じた独自の基準 提供者(例) 通所介護事業者の従事者 主に雇用労働者 +ボランティア ボランティア主体 保健・医療の専門職 (市町村) ③その他の生活支援サービス ○ その他の生活支援サービスは、①栄養改善を目的とした配食や、②住民ボランティア等が行う見守り、③訪問型サービス、通所型サービスに準じる自立支援に資する生活支援(訪問型サービス・通所型サービスの一体的提供等)からなる。
介護予防・日常生活支援総合事業 をすすめる上での考え方① 「要支援のサービスが今後どうなる?市はどうするの?」ということは主題ではない。 介護保険サービス事業所(地域住民すべて)が近い将来の高齢者を取り巻く環境の変化を見据えて考え方を変えることが重要。 「身体介護」などプロが行うべきサービスはプロが行い、そうでないサービスは地域の支え合いサービス等で補完しないと担い手がなくなる。 地域のサービスがほとんどない状況においては、サービス提供を行うのは介護保険事業所となるので、実施可能なサービスを共に作り出す必要がある。 サービス事業所から何ができるか提案をしてほしい。
総合事業に向けての取り組み① 判定会議の開催:実際の要支援高齢者の予防プランを検証。状態像から「みなし」「緩和」等のサービスのどれがふさわしいかを判定。(平成27年1月~実施) 判定会議を通じて、プロ目線でどのラインなら緩和のサービスで可能かを見極め。基準の作成。 各事業所職員の会議への参加で意識の共有を図る。 是非、参加・協力をお願いします。
総合事業に向けての取り組み② 訪問介護事業所は新規従事者の獲得が難しい状況がある。担い手不足を認識。 緩和サービスは、無資格者でもサービス提供が可能。 緩和のサービス提供者として働きながら資格取得を促し、ステップアップさせる方法で人材を育てていくことが可能。 判定会議を通じて、このような新たな人材確保の可能性を投げかけ。
総合事業に向けての取り組み③ 事業提案のある事業所への戸別訪問。 提案内容の実施に向けた支援・事業実施の可能性の検討(単価や方法も含めて)。 緩和サービスの可能性について検討。全国一律の基準により提供されていたサービスが市の基準により実施可能。緩和とは、資格が必須でなくなるとか、人員配置等だけでなく、サービスの提供内容を拡大することも検討。
介護予防・日常生活支援総合事業 をすすめる上での考え方② 「要支援のサービスが今後どうなる?」については、現在サービスを受けている方は、そのまま「みなし」として継続されるか、サービスの中身によっては緩和サービスになる。 新規の要支援ケースは、緩和サービスがベースとなってプランを立てることになる。 緩和になれば、単価が基本的には下がる。 事業所にとっては、プロがサービス提供しても緩和と同一単価しか報酬がないことに。
緩和の判定基準 ~判定会議を通じて~
判定基準(ヘルパー) 種別 認定期間 対象者 サービス 基準 提供者 訪問介護 最長2年 認知・精神状況による日常生活に支障 状態の変化が著しく日常生活に支障 心疾患、呼吸器疾患、がん疾患により日常生活に支障 家庭環境で専門的なサービスの支援が必要なもの 身体介護サービスが必要な者 身体介護 生活援助(全般) コミュニケーション能力、認知、社会との関わり、行動・心理症状、介護力、住宅環境に支障があり、改善が長期になるか、みられないこと 呼吸器・がん等の疾患であること 身体介護サービスが必要であること 訪問介護事業所 短時間 20分未満 生活援助 緩和 状態の確認をしながら住民主体のサービス利用が可能な者 見守り・支援が必要な生活援助(一部介助、要観察) 調理・掃除・買い物同行・通院等 状態が安定し生活援助に一部介助もしくは要観察であること 一定研修を受けた組織・団体 住民主体 住民主体の活動範囲の生活援助 ・調理・掃除・布団干し・電球交換等 状態が安定し生活援助サービスが提供できること 一定研修を受けた組織・団体ボランティア 短期集中 3~6月 短期間で体力、健康管理、閉じこもり、ADL、IADLの改善が必要な者 身体介護・生活援助(全般) ・食事、排せつ、整容、移動、入浴等ADL支援 買い物や洗濯、掃除、金銭管理等のIADL支援 コミュニケーション能力、認知、社会との関わり、行動・心理症状、介護力、住宅環境に支障があるが、短期(3~6月)で体力健康管理、閉じこもり、ADL、IADLの改善が見込めること 保健・医療の専門職
現状で考えている単価等 ~確定した内容ではありません~
【介護予防訪問介護の1例】 (みなし) 1か月につき 週1回程度の利用 11,680円(1,168円) 週2回程度の利用 23,350円(2,335円) 週2回程度を超える利用(要支援2のみ)37,040円(3,704円) ⇓ 国が示す単価のとおり 1か月単位をやめて、1回あたり単価にする。 1回 2,660円以下(266円)が目安 (事業所・緩和) 1回 1,800円~2,000円(180円~200円)が目安 (住民主体・緩和) 1回 800円~1,000円(自己負担額未定)が目安 ※認定を持たない事業対象者は、週1回利用を想定しています。
【介護予防通所介護の1例】 (みなし) 1か月につき 要支援1 16,470円(1,647円) 要支援2 33,770円(3,377円) ⇓ 国が示す単価のとおり 1か月単位をやめて、1回あたり単価にする。 要支援1 1回 3,780円以下(378円)が目安 要支援2 1回 3,890円以下(389円)が目安(5~8回/月) ※認定を持たない事業対象者は要支援1相当と考えます。 (事業所・緩和) 1回 2,500円~3,000円(250円~300円)が目安 (住民主体・緩和) 300円程度を利用者が負担するなどの方法を検討
(要支援)認定の窓口対応 ~認定手続を省略するために~
手続の簡略化 (現在 申請から認定まで) 要介護(要支援)認定の申請 認定調査・主治医の意見書 審査・判定 認定結果の通知 (現在 申請から認定まで) 要介護(要支援)認定の申請 認定調査・主治医の意見書 審査・判定 認定結果の通知 ※申請から認定まで1か月はかかる。 (総合事業の場合の申請) 窓口で相談。チェックリストで判断。調査等不要(費用削減) ※窓口での技術が重要。 ※サービス利用開始までの手続が簡略化。
住民主体サービスへのアプローチ ~地域づくりをすすめていくために~
これまでの取り組み 笠原地域包括支援センター増設(H27.4~) 精華地域包括支援センター増設(H28.4~) 多治見市生活支援等サービスに係る協議体設置準備委員会の立ち上げ(第1層の協議体) 市内の地域福祉協議会の活動実態の把握
これからの取り組み 北栄地域包括支援センターの増設 各地域包括支援センターに第2層(小学校区に1つ)の協議体設置 生活支援コーディネーターの設置 地域福祉協議会への支援 地域の各サロンの活性化支援 住民主体サービスの立ち上げ支援 住民への周知
総合事業とは? 総合事業は、要支援のサービスが市の事業になるという狭い意味の事業ではない。 高齢者にとって住み良い環境を介護保険の財源を上手に活用しながら、地域を作っていくということ。 介護事業従事者にとっては、より介護の必要な人への人的資源が移行。 生活支援サービスは、地域の活力を利用して従事者のすそ野を広げていく。
おわり ご静聴ありがとうございました