ディジタル信号処理 Digital Signal Processing

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ディジタル信号処理 Digital Signal Processing 第23講 IIR digital filter (1) IIRディジタルフィルタ(1)

周波数特性によるフィルタの分類

IIRフィルタの種類と特徴 http://www. digitalfilter

チェビシェフ型IIRフィルタは,通過域にリプルを持つが,減衰域の傾きはバタワースに比べて急峻になる。

逆チェビシェフ型IIRフィルタは,減衰域にリプルを持つが,減衰率は設定した値以下に抑えられる。   また傾きは比較的急峻である。

6.5 IIRフィルタの特性近似 標準型構造ディジタルフィルタについては既に学んだ。 ブロック図と伝達関数を次に示す。 6.5 IIRフィルタの特性近似 標準型構造ディジタルフィルタについては既に学んだ。 ブロック図と伝達関数を次に示す。 その図において,再帰(帰還)部を持たない非再帰形フィルタは,インパルス応答が有限時間で終結するのでFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)と呼び,前回までその設計法を学んだ 再帰部を持つ再帰形ディジタルフィルタは,インパルス応答が無限に継続するので,IIR-フィルタと呼ぶ。 IIR-ディジタルフィルタの設計法について学習しよう。

6.5.1 双1次変換法

・ バイカッド(biquad : biquadratic)   [形]《数》4乗の, 4次の.   [名]  1 quartic=四次多項式, 四次方程式       2 4累乗 biquadratic function   双二次関数       az2+bz+c G(z)= pz2+qz+r biquad filter バイカッドフィルタ:伝達関数が双二次関数の形式のフィルタ

双2次フィルタ 伝達関数の分母・分子ともに2次のフィルタを,  双2次フィルタ(biquadratic filter、または biquad filter)という。 quad- という接頭語は “4” という意味を表す。 quadratic は“四角形の”という意味合いから“2次元の”という意味で使われる。 bi- という接頭語は “2” という意味を表す。 biquadratic は文字通り解釈すると、“2つの2次元”であり,“4次元の”という意味と,“分母・分子ともに2次元”という意味で使われる。 4(quad)なのに2次, 2×4(biquad)でもやっぱり2次・・・・・

標準形構造のIIRディジタルフィルタ

バイカッド構造 ao+a1z-1+a2z-2 G(z) = 1+b1z-1+b2z-2

バイカッド2段縦続構造 A0+A1z-1+A2z-2+A3z-3+A4z-4 G(z) = 1+B1z-1+B2z-2+B3z-3+B4z-4

伝達関数の比較 結論:伝達関数は同形式 標準形 バイカッド縦続構造 A0+A1z-1+A2z-2+A3z-3+A4z-4 G(z) = 1+B1z-1+B2z-2+B3z-3+B4z-4 結論:伝達関数は同形式

伝達関数から構造を考えるとき 考え方はいろいろ 標準で考えてもよい バイカッドで考えてもよい

6.5 IIRフィルタの特性近似

6.5.1 双1次変換法

すなわち 係数はいずれも実数だけであり 次数が偶数の場合にはすべてバイカッド形縦続構造を示し 次数が奇数の場合はバイカッド形縦続構造に1次形を縦続した構造を示している

参考 N=5,Ωc=0.6 のIIR-LPFの設計 バイカッド2段+1次形 振幅2乗特性

z-1平面の極を求める z-1平面の極を求める・・・xi とyi を計算する Nは奇数だから,i=0とi=Nについては次式を使う

・ xiとyiが求まった

単位円外の極(|zi-1|>1となる(xi,yi ))を選び, i=3,4,5 を選ぶ(k=0,1,2に対応) 式(7.19b)を用いて,係数を求める k=0 k=1 k=2

k=0の場合であることを示すためa00~a02,b01~b02と表記する 伝達関数 G0(z)=A/B において, C=x02+y02 A=K0’(1+2z-1+z-2) B=1+(2x0/C)z-1+(1/C)z-2 を計算してa0~a2,b1~b2を求める k=0の場合であることを示すためa00~a02,b01~b02と表記する K0’はΩ=0(z-1=1)において|G0(z)|=1となるように決定する

k=1(x0=-1.34018,y0=-2.42440)の場合の係数を求める 伝達関数 G1(z)=A/B において, C=x12+y12 A=K1’(1+2z-1+z-2) B=1+(2x1/C)z-1+(1/C)z-2 を計算してa10~a12,b11~b12を求める K1’はΩ=0(z-1=1)において|G1(z)|=1となるように決定する

k=2(x2=-6.31375,y2=0.00000)の場合の係数を求める この場合は1次形で, G2(z)=K2'(1+z-1)/{1-(1/x2)z-1} に当てはめて計算する

設計されたIIR-LPRの周波数特性

各段の単独周波数特性