中学校保健体育科 1 改訂の趣旨及び要点 新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業づくり 改訂の基本的な考え方 目標の構成の改善 内容の構成の改善

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 課題の洗い出し. 2 1.本日の日程 ①開会の挨拶 日程説明 ( 5 分) ②自己点検 ( 10分) ③情報モラル指導の必要性(プレゼン) (20分 ) ④課題の洗い出し ( 10分) ⑤全体計画についての協議Ⅰ (15 分) ⑥全体計画についての協議Ⅱ (20 分) ⑦全体計画についての協議Ⅲ.
Advertisements

情報科指導法Ⅰ 第 15 回 模擬授業と総括. 自由利用マーク 文化庁 2003 年~ プライバシーマーク.
キー・コンピテンシーと生きる 力 キー・コンピテンシー – 社会・文化的,技術的道具を相互作用的に活用する力 – 自律的に行動する力 – 社会的に異質な集団で交流する力 生きる力 – 基礎・基本を確実に身に付け,いかに社会が変化しようと, 自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え, 主体的に判断 し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力.
1.情報教育について 2 情報教育. 情報教育とは 児童生徒が自ら考え、 主体的に判断・表現・行動 児童生徒は主体的に学ぶ 「情報活用能力」を育成する教育.
生 活 科 (小) 福島県教育委員会 平成20年度小・中学校教育課程研究協議 会. Ⅰ 改訂の要点 1 学年の目標の改善 (1) 目標 (3) を加え、四つに増やした。 (2) 文言を加え、一人一人の児童に育 つことを期待する認識を明確にした。 ① 目標 (1) 「地域のよさに気付き」 ② 目標 (2)
平成21年度小学校外国語活動中核教員研修 小学校外国語活動基本理念 ~新学習指導要領等について~
平成19年度 「長崎県国語力向上プラン」 地区別研修会
平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 総 則(小学校) 福島県教育委員会.
平成19年度長崎県国語力向上プラン地区別研修会
教育の情報化に関する手引のポイント 平成21年6月 平成21年度情報教育担当者研修
5 情報モラル教育 4.道徳や各教科等における  情報モラル.
器械運動(マット運動)における技の系統性の整理と 教師の指導力の向上 ~誰もができる喜びを味わえるために~
徹底活用するための校内研修パッケージ これから、「子どもの学びを支えるヒント集2」を活用した校内研修を始めます。
情報モラル.
大分県教育庁佐伯教育事務所 学校改革担当指導主事 有田千香
富山大学教育学部 附属教育実践総合センター 助教授 小川 亮
マイクロティーチング 演習 指導案作成 模擬授業発表
マット運動における教師の指導力向上 ~デジタル指導書の活用を通して~
新しい学習指導要領 特別支援学校学習指導要領改訂、 移行措置等について
 テーマ別解説 情報モラルの5つの領域 岐阜聖徳学園大学 教育学部 准教授 石原 一彦.
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
学校薬剤師仕事(中教審/学校保健安全法)
教育課程研究集会資料 新学習指導要領の手引(保健体育科) 徳島県立総合教育センター .
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
平成21年度 特別支援学校新教育課程中央説明会 (病弱教育部会).
保健学習の進め方・指導案の書き方 さいたま市立三橋小学校   豊島  登.
ICT(情報通信技術)を 活用した体育教材の開発
大分県立宇佐支援学校 グランドデザイン (平成28年度版)
地域研修、校内研修実施カリキュラムの設計
統計リテラシー育成のための数学の指導方法に関する実践的研究
平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 国 語 科 (中) 福島県教育委員会.
情報科教育法第3回 普通教科「情報」の構成 理学部数学科 清 水 克 彦.
教育課程研究集会資料 新学習指導要領の手引(社会科) 徳島県立総合教育センター .
教育課程研究集会資料 新学習指導要領の手引(総則・中) 徳島県立総合教育センター .
基礎看護の授業を通して思考力,判断力,表現力,技能を育成する指導方法の工夫改善についての研究
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
校内研修プログラム 研修1 ~外国語教育についての理解を深める~
平成30年度 小中学校体育担当責任者会 新学習指導要領について     (小学校 体育).
小中連携を進めるために! 外国語教育における 三つのステップと大切にしたいこと 岐阜県教育委員会 学校支援課
 小学校外国語活動で    大切にしたいこと(指導の重点編) 岐阜県教育委員会 学校支援課.
【演習】 アクティブ・ラーニングの 視点を取り入れた 授業をデザインしよう
中学校における薬教育 大曽根清朗.
これからの音楽教育に       求められるもの 義務教育課 秋山 哲夫.
徹底活用するための校内研修パッケージ これから、「子どもの学びを支えるヒント集2」を活用した校内研修を始めます。
思考力・判断力・表現力等の育成に向けて 平成20年12月26日 徳島県立総合教育センター.
平成30年度 小中学校体育担当責任者会 新学習指導要領について   (中学校 保健体育).
学習指導要領改訂の方向性 これから、「学習指導要領改訂の方向性」についてお話しします。.
第60回 北海道小学校長会教育研究 宗谷・稚内大会
教育課程研究集会資料 新学習指導要領の手引 (美術科) 徳島県立総合教育センター .
課題研究ルーブリック評価の 活用マニュアル 平成30年1月10日 愛媛大学高大接続推進委員会 「課題研究」評価ワーキンググループ
学びの出発 学びの再思考 学びの獲得と新たな学びの創出
平成15・16・17年度 田辺市教育委員会指定研究校 『情報化社会を生きる児童の育成』
新しい学習指導要領 小学校学習指導要領改訂, 移行措置等について
単元の学習地図で目指す「深い学び」 ~「知識の構造化」の視点を取り入れた学習~
(中学校)学習指導要領前文 これからの学校は 子どもたちの育成 教育課程を通して =「社会に開かれた教育課程」の実現
平成30年度グランドデザイン 学校の教育目標 生きる力 佐伯市立宇目緑豊小学校 ふるさとを愛し、 豊かな心と自ら学ぶ意欲をもち、
「21世紀型コミュニケーション力の育成」研修モジュール A1 概要解説モジュール
資料3 誰もが親しめる 市民スポーツの充実 佐賀市教育委員会 スポーツ振興課.
平成29年度 名古屋市立日比野中学校グランドデザイン
平成23年度 大阪府学力・学習状況調査の結果概要 大阪府教育委員会
学習指導案の検討会を通し て、 本時の授業への見通しを持ち、 参観の視点をつかむ。
ICTを活用した授業づくり ①児童生徒によるICT活用
スライド資料 D4-2 授業での教員によるICT活用 ②児童生徒一人一人に課題を明確につかませるための教員によるICT活用
健康教育導入について 宮崎県薬剤師会 健康教育推進委員会  鈴木 啓子.
学びの出発 学びの再思考 学びの獲得と新たな学びの創出
Kinjo-Gakuin Univ. © 2007 Motohiro HASEGAWA
2019年度 すべての教職員のための授業改善研修 本研修の背景とねらい
学校における教育の情報化の推進と校内研修の企画運営
平成20・21年度 国立教育政策研究所・教育課程研究センター指定
学習指導要領の改訂 全国連合小学校長会 会長 大橋 明.
Presentation transcript:

中学校保健体育科 1 改訂の趣旨及び要点 新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業づくり 改訂の基本的な考え方 目標の構成の改善 内容の構成の改善 中学校保健体育科          © 岡山県マスコット ももっちとうらっちと仲間たち 1 改訂の趣旨及び要点 改訂の基本的な考え方 今回の改訂では、次の考え方を踏まえて、改善・充実が図られました。      ・主体的・協働的な学習活動を通して、課題を解決する学習などを引き続き重視し、保健体育科で育成を目指  す資質・能力を確実に身に付けるために、その関係性を重視した学習過程を工夫する。 ・小学校、中学校、高等学校を通じて系統性のある指導ができるようにする。 目標の構成の改善 保健体育科で育成を目指す資質・能力(下線部)を三つの柱で整理しています。      体育や保健の見方・考え方を働かせ、課題を発見し、合理的な解決に向けた学習過程を通して、心と体を一体として捉え、生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)各種の運動の特性に応じた技能など及び個人生活における健康・安全について理    解するとともに、基本的な技能を身に付けるようにする。 (2)運動や健康についての自他の課題を発見し、合理的な解決に向けて思考し判断す    るとともに、他者に伝える力を養う。 (3)生涯にわたって運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し、明    るく豊かな生活を営む態度を養う。 内容の構成の改善 保健体育科の内容の構成は次のように改善されています。 現行学習指導要領 新学習指導要領 【例】第2学年(3) ア 傷害の防止につ  いて理解を深める  とともに、応急手  当をすること イ 傷害の防止につ  いて危険の予測や  その回避の方法を  考え、それらを表  現すること 〔体育分野〕    〔保健分野〕  〔体育分野〕     〔保健分野〕 A 体つくり運動 (1) 心身の機能の         B 器械運動     発達と心の健康 C 陸上競技   (2) 健康と環境  D 水泳     (3)傷害の防止 E 球技     (4)健康な生活と  F 武道       疾病の予防  G ダンス         H 体育理論 A 体つくり運動  (1) 健康な生活と疾病の予防 B 器械運動    (2) 心身の機能の発達と心の健康   C 陸上競技    (3) 傷害の防止         D 水泳      (4) 健康と環境     E 球技        F 武道 G ダンス         H 体育理論   ※個人生活における健康  に関する課題を解決す  ることを重視する観点  から配列を見直した。  体育分野については、各内容項目の(1)が「知識及び技能」、(2)が「思考力・判断力・表現力等」、(3)が「学びに向かう力・人間性等」に関する内容構成としています。  保健分野については、アが「知識及び技能」、イが 「思考力・判断力・表現力等」に関する内容構成としています。「学びに向かう力、人間性等」については、目標に示しています。 学習内容の改善・充実 主に、次のような学習内容の改善・充実が図られました。 〇指導内容の系統性を踏まえた指導内容の体系化  ・体育分野では、学校段階の接続及び発達の段階のまとまりに応じた指導内容の体系化の観点から、「第1   学年及び第2学年」と「第3学年」に分けて指導内容を示している。 〇運動やスポーツとの多様な関わり方を重視した内容の充実  ・生徒が内容を選択して履修できるようにすることや生徒の困難さ(体力や技能の程度、性別や障害の有無   など)に応じた配慮の例を示している。  ・スポーツやオリンピック・パラリンピックの意義や価値等の理解につながるように内容を改善している。

2 中学校保健体育科における授業づくりのポイント 2 中学校保健体育科における授業づくりのポイント Point1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善をしましょう。                       中学校保健体育科では、自分だけでなく他者の課題について、多様な解決方法の中から適切な方法を選択・決定します。また、運動に関わる一般原則や事故の防止等の科学的な知識を活用する合理的な解決に向けた学習を行います。その中で、「体育や保健の見方・考え方」を働かせながら、育成を目指す資質・能力を育成することが求められます。 〈主体的な学びの視点〉  ・授業の導入では課題解決の見通しをもたせるために、自分や他者の課題を発見し、どのように解決してい   くと合理的に解決できるかを考える時間を確保する。  ・学習を振り返る場面では、課題解決の過程を振り返るとともに、自他の課題を修正したり新たな課題を設   定したりするようにする。 〈対話的な学びの視点〉  ・互いの考えを比較し、共通点や相違点について話し合う場面を設定する。  ・実技書や映像資料から手本となるポイントや留意点を調べ、自分や他者のよりよい動きについて考えるよ   うにする。 〈深い学びの視点〉  ・運動や健康についての自他の課題を発見し、合理的な解決に向けて試行錯誤や対話を重ねながら、思考を   深め、よりよく解決する学習過程(Point3参照)を単元の中に設定する。 Point2 「体育や保健の見方・考え方」を理解し、授業づくりに生かしましょう。                       保健体育科における「体育や保健の見方・考え方」について、「体育の見方・考え方」と「保健の見方・考え方」に分けて示されています。 「体育の見方・考え方」  運動やスポーツを、その価値や特性に着目して、楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え、自己の適性に応じた「する・みる・支える・知る」の多様な関わり方と関連付けること。 「保健の見方・考え方」  個人及び社会生活における課題や情報を、健康や安全に関する原則や概念に着目して捉え、疾病などのリスクの軽減や生活の質の向上、健康を支える環境づくりと関係付けること。 Point3 「自他の課題の合理的な解決に向けた学習過程」を単元の中に位置付けましょう。                       授業づくりの際には、自分や他者の課題を合理的に解決する学習を単元の中に設定しましょう。 自分や他者の課題の 合理的な解決に向けた学習過程 活動の具体例 (第3学年 器械運動[マット運動]) 〇運動や健康に関する自分や他者の課題を発  見する。 〇合理的な解決に向けて、思考、判断する。 ・自分や他者の技や演技などを比較し、動きの課題  を明確にする。 ・課題について、手本となる資料を活用して改善点  を考える。 〇仲間とともに、運動の一般原則や科学的な  知識を活用する。 〇多様な解決方法の中から適切な方法を選  択・決定する。 ・手本となる資料を活用して、仲間の課題や出来栄  えを分かりやすく伝える。 ・よりよい技を行うために、合理的な動き方のポイ  ントを踏まえた練習方法を選択する。 〇学習活動を振り返り、次の学びにつなげる ・学習活動について、自己評価や相互評価を行う。 ・運動のポイントや改善点などの学習の記録を学習  カードに書いたり、発表したりする。