(C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
1.実態調査の概要 2 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
2.妊娠中・産後に見られた症状 3 (複数回答) 一般的な働く女性よりも妊娠中・出産後に見られる症状として、 「切迫流産」「切迫早産」「腰痛症」の割合が高い。 この結果から、身体活動度の非常に高い看護業務の特徴から必然性の高い措置内容であることが伺える。ただし、これらは必ずしも過酷な労働の結果による症状悪化の割合が高いということではなく、もうひとつの看護業務の特徴として、自分の健康状態に気付きやすく、またお互いの状況や状態を理解し早めに対処できる体制にあるためという捉え方もできる。 3 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
3.母性健康管理の認知度 4 約60%の看護師が、第1子を妊娠・出産する時に母性健康管理措置を『知らなかった』と答えている。 これは、病院側の母性に関する規定状況の有無や情報の周知不足の問題と捉えるだけでなく、病院という特有の職場環境や男女雇用機会均等法改正以前より深夜業を含む交代勤務制度の該当職種であったことから生じる影響とも考えられる。 4 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
4.母性健康管理措置の申出状況 5 申出が少ない母性健康管理措置 (男女雇用機会均等法) (複数回答) 男女雇用機会均等法における母性健康管理措置のうち、「通勤緩和」や「休憩」は申し出が少ない。 5 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
4.母性健康管理措置の申出状況 6 申出が少ない母性健康管理措置 (労働基準法) (複数回答) 労働基準法における母性健康管理措置のうち、「時間外労働の制限」や「休日労働の制限」、「法定労働時間を超えた労働の制限」は申し出が少ない。 申出が少ない理由として、「申し出できることを知らなかった」という単に情報不足あるいは認識不足もあるが、「申し出る必要がなかった」「勤務体制や業務内容のため、措置が適応しづらかった」「周囲への仕事のしわ寄せが生じることがはばかられた」という、もともと交代勤務を前提とした看護師特有の勤務条件や、そのために病院の近隣に住むという居住環境の影響が考えられる。 6 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
4.母性健康管理措置の申出状況 7 申出が多い母性健康管理措置 (男女雇用機会均等法) (複数回答) 男女雇用機会均等法における母性健康管理措置のうち、「症状が軽快するまでの休業」「作業負担の軽減」は申し出が多い。 7 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
4.母性健康管理措置の申出状況 8 母性健康管理措置の申請方法 (複数回答) 母性健康管理措置の申請方法としては、切迫流産・早産以外は「口頭」による申請が多い。 この結果は自由な職場環境である印象を与えるが、これも看護師という医療知識を持った専門家集団の特徴として、お互いの状況に関し配慮し合える特性もしくは環境にあるということが考えられる。 8 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
5.母性健康管理における課題 9 妊娠・出産を機に看護師を辞める理由 (複数回答) 妊娠・出産を機に看護師を辞める理由としては、「勤務時間が不規則、労働時間が長いため仕事と育児の両立が難しい」が最も多く、その他、「子どもを預けるところが見つからない」、「上司・同僚等の職場の理解が得にくい」が多くなっている。 9 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ
妊娠・出産を経ても看護師を続けられた理由 5.母性健康管理における課題 妊娠・出産を経ても看護師を続けられた理由 (複数回答) 妊娠・出産を経ても看護師を続けられた理由としては、「子どもを預けるところがあった」の他に、「職場に継続している人(キャリアモデル)がいた」「看護師という職業に対してやりがいや誇りがあり、続けたいという 思いが強かった」などが多く挙げられている。 女性看護師の母性健康管理上の課題としては、妊娠・出産を経ても継続できた理由あるいは退職する理由を双方考えたとき、まず看護業務という心身共にかかる特殊な作業負荷・労働環境に対する妊娠中の負荷軽減の方策に対し、上司・同僚らの職業経験上の配慮からだけでなくもう少し一般化され整理された上でどの医療機関においても実行されていくことが大切となろう。 また、夜勤などの勤務体制に応じた保育環境の整備など育児との両立に適した労働環境を提供できるようになれば、再就業あるいは再就職の際にも比較的早期の職場復帰を目指すことができ離職期間が長くなることを避け、看護という特殊技能の維持にも役立つだろう。これにより女性看護師が安心して働けるだけでなく、医療機関の質的水準の安定維持につなげることもできるだろう。 10 (C)2011女性にやさしい職場づくりナビ