BIのデータ解析法と 高エネルギー側の検出効率

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BIのデータ解析法と 高エネルギー側の検出効率 2005/2/25 XIS Meeting @Osaka Univ. 山口 弘悦

データ解析法について Grade法 ‥ split thresholdを最適化する必要 spthが小さい → 検出効率が低下   FI ‥ 20 (高エネルギーイベントを基準に決定)   BI ‥ 7 (低エネルギーイベントを基準に決定) FIチップでは‥‥ 波高値  イベント閾値 スプリット閾値 低エネルギー        高エネルギー 幅(⇔の長さ)が小さく、 洩れた電荷量(■の面積)も少ない 幅(⇔の長さ)が大きく 洩れた電荷量(■の面積)も多い

ところが‥ 一律spth=7とした場合のgrade分岐比 予想に反して高エネルギーの方がGrade7が多かった! Grade7 Grade0 (しばらくは電荷洩れ補正をしていないデータが続きます。) 一律spth=7とした場合のgrade分岐比 Grade7 Grade0 予想に反して高エネルギーの方がGrade7が多かった!

電子雲の広がり自体はやはり低エネルギーの方が大きい Al 1.5keV Fe 6.4keV Cl 2.6keV Se 11.2keV 電子雲の広がり自体はやはり低エネルギーの方が大きい

つまりこういうこと。 BIチップでは‥‥ 低エネルギー 高エネルギー Grade7のイベント 幅(⇔の長さ)は大きいが、 波高値  イベント閾値 スプリット閾値 低エネルギー        高エネルギー 幅(⇔の長さ)は大きいが、 洩れた電荷量(■の面積)は少ない 幅(⇔の長さ)は小さいが、 洩れた電荷量(■の面積)は多い Grade7のイベント 低エネルギーイベントを基準に決定した spth=7では明らかにまずい。 低エネルギー側のエネルギー分解能を 犠牲にするわけにもいかない。   → spthを一定にした従来の Grade法は不適切 2×2ピクセルよりやや広がりが大きい

案その1: 可変spth方式のGrade法 最適なspthはエネルギーごとに異なる。 Cl 2.6keV Zn 8.6keV 最適なspthはエネルギーごとに異なる。 例えば ‥ spth = 0.004×sumph + 7 (@修論)  → 検出効率が ~13% @2.6keV、 ~40% @8.6keV向上    ΔEの増加率は 1~2%程度 要相談:この方式を採用する場合、どのような基準でspthを決めるか

案その2: Fitting法 中心ピクセルの周囲 5×5ピクセルの波高値を 2次元Gaussianでフィッティング 合計波高値を決定  → 検出効率が ~28% @2.6keV、 ~46% @8.6keV向上    ΔEの増加率は 2~3%程度  注: 可変spthでも厳密に最適化を行えば この程度の検出効率が達成可能 スペクトルの比較は後ほど行います。

XIStrailCorrectionを適用した場合 Grade法 ‥ Grade7の一部が救出 → 検出効率UP Fitting法 ‥ 電荷分布が2次元Gaussianに近づく → エネルギー分解能改善 Cl (2.6keV) Zn (8.6keV) 洩れ補正 検出効率 ΔE spth=7 × 1 ○ 1.068 0.984 1.160 0.983 spth=13,17 1.209 1.041 1.425 1.018 Fitting 1.268 1.029 1.457 1.269 1.024 1.015 Gainも解析法やspthにsensitiveなので要注意

スペクトルの比較 Znのスペクトル 赤:Grade法 緑:Fitting法 Fitting法だとtailが約2倍

55Feのスペクトル 赤:Grade法 緑:Fitting法

可変spth vs. Fitting法 Grade法 Fitting法 検出効率 ○ ◎ エネルギー分解能 レスポンス パラメータ決定の容易さ 5×5mode以外 ソフトウェア 解析時間 経年変化への対応 個人的には可変spthのGrade法がbetterかと思うのですが‥

なおもCTIは残る 縦転送のCTI ~ 1.9×10-6 @5.9keV

検出効率とレスポンスについて 阪大の結果    検出効率    Energy (keV) Fitting法メインピークイベント  のみから算出した検出効率

Al, Clについては再試験が必要です。

メインピークの強度に対するエスケープの強度 :FIチップ(中嶋修論2004より) :BIチップ メインピークの強度に対するエスケープ成分の強度 BIではエネルギーにほとんど依存しない傾向