発泡プラスチック系断熱材の 留意事項について 2018年(平成30年)9月25日 JUII日本ウレタン工業協会
発泡プラスチック断熱材とは ビーズ法ポリスチレンフォーム 押出法ポリスチレンフォーム 硬質ウレタンフォーム フェノールフォーム 断熱材には素材の種類やその形状で多くの種類があり、それぞれに固有の特性をもっています。一般に住宅で使用されている断熱材は、大きくは発泡プラスチック断熱材と繊維断熱材の2つに分類されます。繊維の断熱材が細い繊維の間に空気を閉じ込めているのに対し、発泡プラスチック断熱材は、独立した小さな気泡の中にガスを閉じ込めて断熱性能を発揮しています。 発泡プラスチック断熱材は、素材別に次の4つに分類できます。 ビーズ法ポリスチレンフォーム 押出法ポリスチレンフォーム 硬質ウレタンフォーム フェノールフォーム 発泡プラスチック断熱材連絡会(PIC)ホームページより
1.ビーズ法ポリスチレンフォーム 2.押出法ポリスチレンフォーム 発泡プラスチック断熱材連絡会ホームページより ビーズ法ポリスチレンフォームはEPS(Expanded Poly-styrene)とも呼ばれ、ポリスチレン樹脂と炭化水素系の発泡剤からなる原料ビーズを予備発泡させた後に、金型に充填、高温の水蒸気で加熱することによって約30倍から60倍に発泡させて成形した断熱材です。一つ一つの発泡粒子の中に独立した気泡構造を持ち、水や湿気を通しにくく、軽量で加工性と施工性に優れており、金型成形で形や厚さを自由に選ぶことができます PIC会員団体 : 発泡スチロール協会(JEPSA) 2.押出法ポリスチレンフォーム 押出法ポリスチレンフォームはXPS(extruded poly-styrene)とも呼ばれ、ポリスチレン又はその共重合体に発泡剤及び添加剤を溶融混合し、連続的に押出発泡成形したもの、若しくは押出発泡成形したブロックから切り出した板状の製品です。 建築用及び住宅用の断熱材や畳用芯材として広く使用されており、吸水性が小さく軽量で耐圧縮性が大きいため、基礎や土間床断熱にも使用されています。 PIC会員団体 : 押出発泡ポリスチレン工業会 発泡プラスチック断熱材連絡会ホームページより
3.硬質ウレタンフォーム 4.フェノール 発泡プラスチック断熱材連絡会ホームページより 硬質ウレタンフォームは、ポリオール成分(ポリオール・発泡剤・整泡剤・触媒・難燃剤等を予め混合したもの)とポリイソシアネートを反応、発泡させた断熱材です。 代表的な製品として、各種面材と一体成形したボード状の断熱材と、現場で発泡機によるスプレーまたは注入する現場発泡品があります。より難燃性を付与した製品として、ポリイソシアヌレートフォームがあります。 PIC会員団体:ウレタンフォーム工業会 4.フェノール フェノールフォームは、フェノール樹脂に発泡剤と硬化剤を混合し、発泡・硬化させた断熱材で、製造方法によりレゾール型とノボラック型に大別されます。 国内で多く使用されている製品は、レゾール型で、ポリエステル不織布・加工紙等の面材の間で発泡させて成形した面材付きのものです。高い断熱性能の他、耐薬品性・熱硬化性樹脂のため耐熱性・難燃性にも優れている等の特長があります。 PIC会員団体:フェノールフォーム協会 発泡プラスチック断熱材連絡会ホームページより
発泡プラスチックの火災事例 「発泡樹脂の火災事例と危険性」(危険物等事故防止技術センター)より
ウレタンフォームの火災事例 日本ウレタン工業協会ホームページより
火災事故を受けた対応 建築工事現場における火災予防 年月 発行者 タイトル 厚生労働省 基発第42号の4 1996年(平成8年) 1月29日 厚生労働省 基発第42号の4 建設現場における発泡プラスチック系断熱材による火災災害の防止の徹底について 1998年(平成10年) 基安発第25号の4 硬質ウレタンフォームの吹付けによる断熱工事における酸素欠乏症の防止について 2004年? 危険物等事故防止技術センター 発泡樹脂の火災事例と危険性 2015年(平成27年) 5月28日 日本ウレタン工業協会 吹付け硬質ポリウレタンフォーム施工施設における火災防止対策のお願い 2015年(平成27年) 6月2日 北海道労働局 北労発基0602第4号の3 建築工事現場等における発泡プラスチック系断熱材による火災災害防止の徹底について 2018年(平成30年) 8月29日 吹付け硬質ウレタンフォーム施工現場における火災防止対策のお願い
火災防止啓蒙資料 建築工事現場における火災予防 1987年6月30日 日本ウレタン断熱協会 1996年1月 建設業 労働災害防止協会 1999年10月 (社)建設業協会 2013年 日本ウレタン協業協会
建築工事現場における火災防止対策 建築工事現場における火災予防 ア 使用する断熱材の種類及び燃焼性について確認を行うこと。 建設現場における発泡プラスチック系断熱材による火災災害の防止の徹底について(基発第42号の) 平成8年1月29日 抜粋 (1) 元方事業者等統括管理義務者の実施すべき事項について ア 使用する断熱材の種類及び燃焼性について確認を行うこと。 また改修工事等にあっては、使用されている断熱材の種類及び燃焼性について確認を行うこと。 イ 発泡プラスチック系断熱材を使用する、又は使用されていることを確認した場合には、当該場 所に、その旨と火気厳禁についての表示を行うこと。 ウ 当該作業場所に立ち入ることとなる関係請負人のすべての労働者に対し、新規入場時教育等に おいて、発泡プラスチック系断熱材を使用する作業及び使用されている場所並びにその危険性に ついて周知するための教育の実施状況の確認を行うこと。また、必要に応じて自ら教育を実施す ること。 エ 発泡プラスチック系断熱材を使用する作業又は使用されている場所における作業を実施させる に当たっては、火気管理を含む内容の作業計画を策定するとともに、関係請負人にその内容を周 知すること。 オ 発泡プラスチック系断熱材を使用する場合は、当該作業中及び作業実施後において、当該場所 において火気を使用することとならない作業計画を策定し、その徹底を図ること。 カ 発泡プラスチック系断熱材を使用している場所でやむを得ず火気を使用する作業を行う場合に は、発泡プラスチック系断熱材を使用している場所を不燃性のボード、シート等で遮蔽するとと もに、あらかじめ適切な消火器を配置する等消火のための対策を講じさせること。
(2) 発泡プラスチック系断熱材を使用する作業又は使用している場所において火気を取り扱う作業を (2) 発泡プラスチック系断熱材を使用する作業又は使用している場所において火気を取り扱う作業を 行う関係請負人の実施すべき事項について ア 作業に従事する労働者に発泡プラスチック系断熱材の危険性、火気管理対策等について十分な 教育を実施すること。また、その結果について元方事業者等に報告すること。 イ 作業を行うに当たっては、火気管理等を含む作業計画を策定すること。当該作業計画の策定に 当たっては、元方事業場等に報告し、必要な調整を行うこと。 ウ 発泡プラスチック系断熱材を使用する作業及び使用されている場所で火気を使用する作業を行 う場合には、当該作業を指揮する者を定めるとともに、その者に直接作業を指揮させること。 エ 発泡プラスチック系断熱材を保管している場所には、仮置場所を含め、その旨と火気の使用を 厳禁する旨の表示を行うこと。 オ 現場の整理整頓を行い、原材料等を放置しないこと。
ご静聴ありがとうございました。