京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。

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Nagai laboratory.
X線で宇宙を見る ようこそ 講演会に 京大の研究
京都大学理学研究科物理第2 宇宙線研究室 中森 健之
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
実習B. ガンマ線を測定してみよう 原子核・ハドロン研究室 永江 知文 新山 雅之 足立 智.
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AOによる 重力レンズクェーサー吸収線系の観測 濱野 哲史(東京大学) 共同研究者 小林尚人(東大)、近藤荘平(京産大)、他
南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
ガンマ線連星LS 5039におけるTeVガンマ線放射とCTA
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新学術「宇宙の歴史をつむぐ地下素粒子原子核研究」 2015年度領域研究会@神戸大学 2015年5月16日 岸本康宏
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高木慎一郎(博士2回) X線天文学のこと X線の特徴と宇宙を観測すること 当研究室で研究していること
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SMILE35:陽子線を用いた 電子飛跡検出型コンプトンカメラによる 核ガンマ線イメージング実験
「すざく」衛星と日本のX線天文学 July 10, 2005
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小型JASMINE計画の状況       矢野太平(国立天文台)       丹羽佳人(京大).
京大理 身内賢太朗 平成19年度東京大学宇宙線研究所 共同利用研究成果発表会
暗黒加速器とパルサー風星雲 --HESSJ とPSR
NEWAGE実験7:地上実験まとめ 京大理 身内賢太朗 内容 DMはじめて10周年記念 イントロ 装置概要 実験・結果 まとめ
X-ray Group Suzaku NeXT 教授 小山 勝二 准教授 鶴 剛 助教 松本 浩典 NeXT
すばる望遠鏡による10GeV領域ガンマ線天体の観測
S5(理論宇宙物理学) 教 授 嶺重 慎 (ブラックホール)-4号館409 准教授 前田 啓一(超新星/物質循環)-4号館501
ダークマター検出器の だあくまたん 低バックグラウンド化・高感度化 京大理 中村 輝石 NEWAGE実験 暗黒物質 探索実験「NEWAGE」
宇宙線研究室 X線グループ 今こそ、宇宙線研究室へ! NeXT
Dark Matter Search with μTPC(powerd by μPIC)
平成 31 年度 P6 高エネルギー宇宙実験 担当: 物理学第二教室 宇宙線研究室の教員 谷森達 教授、鶴剛 教授、 窪秀利 准教授、
偏光X線の発生過程と その検出法 2004年7月28日 コロキウム 小野健一.
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京大理 身内賢太朗 平成20年度東京大学宇宙線研究所 共同利用研究成果発表会
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ガスの低圧化による ダークマター検出器の高感度化
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京大理 身内賢太朗 平成18年度東京大学宇宙線研究所 共同利用研究成果発表会
Introduction to the X-ray Universe
スターバースト銀河NGC253の 電波スーパーバブルとX線放射の関係
ようこそ Hot Universe へ Fes. 馬場 彩 Contents X線天文学とは?
京都大学 身内賢太朗 谷森達・窪秀利・株木重人 Jパーカー・西村広展・ 上野一樹・黒沢俊介・岩城智・高橋慶在
pixel 読み出し型 μ-PIC による X線偏光検出器の開発
Telescope Array ~Searching for the origin of the highest energy cosmic ray 私たちの研究の目的 宇宙線って何? 最高エネルギー宇宙線の数が、 理論による予想を大きく上回っていた! 現代物理学の主要な謎の1つ 宇宙空間を光に近い速度で飛び回っている非常に小さな粒子のことです。
COSMOS天域における赤方偏移0.24のHα輝線銀河の性質
宮本 八太郎(日大、理化学研究所) 三原 建弘、桜井 郁也、小浜 光洋(理化学研究所)
「大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの共同利用・共同研究拠点化」に向けた要望書・意見書のお願い
シンクロトロン放射・ 逆コンプトン散乱・ パイオン崩壊 ~HESS J は陽子加速源か?
研究紹介:山形大学物理学科 宇宙物理研究グループ 柴田研究室
ダークマター検出器の 地上実験進捗 だあくまたん 京大理 中村 輝石 ダークマターとは NEWAGE実験 ラドン除去(低バックグラウンド化)
高地におけるγ線エアシャワー地上観測のシミュレーション
S5(理論宇宙物理学) 教 授 嶺重 慎 (ブラックホール)-4号館409 准教授 前田 啓一(超新星/物質循環)-4号館501
シェル型の超新星残骸G からの非熱的X線放射の発見
X線天文衛星『すざく』の成果 1.5年経過 “すざく” (朱雀) 査読付専門雑誌 32 編 (日本の衛星、大型プロジェクトでは最多)
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NEWAGE実験16 原子核反跳飛跡の前後判定可能性
Presentation transcript:

京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。 http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp γ線グループ 教授: 小山 勝二 谷森 達 准教授: 鶴 剛 助教: 窪 秀利 松本 浩典 身内 賢太朗 γ線を観測するとパルサー・ブラックホール・活動銀河核などの高エネルギー現象を捉えることができる。γ線グループは大きく分けて、TeV領域に焦点を当てたCANGAROOグループと、主としてMeV領域に焦点を当てたμ-PICグループが活動している。 CANGAROOグループ 超新星残骸RX J0852.0-4622 2005年にCANGAROOグループにより世界で初めて超新星残骸からTeVγ線を発見し、このことは超新星残骸で宇宙線の加速が行われている有力な証拠となった。2006年にはステレオ観測により左のようなγ線の到来方向分布を得て、加速がシェル状の衝撃波面で起こっていることを確認した。 Collaboration of Australia and Nippon for a GAmma Ray Observatory in the Outback 他にも我々の銀河中心や活動銀河核などの巨大ブラックホール やパルサー風星雲からのTeVγ線放射を検出し、宇宙の新しい 超高エネルギー現象を明らかにしている。 京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。 CANGAROOグループでは宇宙からのTeV領域のγ線を、大気と相互作用して発生するチェレンコフ光を介して、いわば地球大気を検出器として利用し観測している。TeVγ線天文学ではTeVという地上では作り出すことが難しい超高エネルギーの物理現象を観測することで、物理学の最大の難問のひとつである宇宙線起源とその加速機構の解明などを目指している。当研究室では望遠鏡の回路系を担当しており、現在は主に観測データの解析を行っている。またX線、電波などの観測データと合わせて天体高エネルギー現象の総合的な研究も行っている。さらに次世代の国際共同計画に向け、新たなハードウェア開発を行っている。 μ-PICグループ ダークマター探索ーNEWAGE MeVγ線カメラ開発ーSMILE 神岡鉱山の地下で、 μ-TPCを用いた方向性に感度を持つ暗黒物質探索実験を行っている。研究室公開では、実験室において調整中の大型次世代装置を展示、デモンストレーションしている。 MeV領域での天体観測は、バックグラウンドの影響などからとても難しく、他のエネルギー領域に比べてあまり開拓されていない分野となっている。私達が開発中の新型MeVγ線カメラは、高いバックグラウンド除去能力と広い視野を持っている。また光子1つごとにその到来方向とエネルギーを決定することができ、今後のMeV領域での天体観測の開拓者となっていくべき存在である。2006年9月にはISAS/JAXAの協力のもと気球実験を行い、宇宙背景γ線検出に成功した。現在は2011年に予定されている、かに星雲やCyg X-1の観測を目的とした次期気球実験に向けて、γ線の検出感度を上げるなど更なる性能向上を進めている。そして最終的には、人工衛星などでの全天探査による未知のγ線天体の発見を目標にしている。 気球実験(2006.9/1@三陸) MeVγ線カメラのイメージ 朝日新聞2007.1/12(関東)          1/19(関西)  暗黒物質の風による 原子核の反跳のイメージ MeVγ線カメラで137Csか らのγ線を検出し、イメー ジングした。線源は左図の +印に置き、検出器面から 52cm離れた所にある。 左図のスケールはcm。 ※μ-TPC・・・当研究室が開発したμ-PICというガス 検出器を用いた三次元飛跡検出器 μ-PICグループではμ-TPCを利用し、新型MeVγ線カメラやダークマター検出器等を開発している。この他にも、ガスPMTの開発や、μ-PICを医療やX線物質構造解析に利用する等、幅広い研究をしている。 25