原子核物理学 第5講 原子核の振動と回転
参考文献 「原子核の理論」 市村宗武,坂田文彦,松柳研一 著 岩波講座 現代の物理学9 岩波書店 2001 “The Nuclear Many-Body Problem Peter Ring and Peter Schuck Texts and Monographs in Physics Springer Verlag, 1980
変形パラメータ 原子核の中心から表面までの距離を次のように表す 原子核を非圧縮性流体と考えると,定数項( )は変形による体積の変化を補正する(体積を一定に保つ) の項は系の並進を表すので,原子核の重心が動かないように定める 一般に,低い次数の変形が特徴的に現れる ⇒ 次ページ
低い次数の変形
表面振動 球形な平衡状態のまわりの振動 を振動運動の変数と考え,時間の関数とする 古典的 Hamiltonian を振動運動の変数と考え,時間の関数とする 古典的 Hamiltonian 量子化した Hamiltonian 生成・消滅演算子は Boson の交換関係を満たす ⇒ 調和振動
2つの調和振動の例 調和振動であるので,励起エネルギーは等間隔
座標系 空間固定座標系 物体固定座標系 座標変換 Euler 角をもちいる
四重極集団運動 集団座標 四重極変形の主軸に一致するように「物体固定座標系」をとる 主軸系 独立な自由度は2 新しい変数を導入 5個の集団座標 と等価
β-γ平面での表示と変形 を考えれば十分 それ以外の領域は,主軸の取り方を変えればよい
ポテンシャル
軸対称変形した原子核の回転
振動から回転への遷移