The way towards global control of Trans-boundary Animal Diseases

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The way towards global control of Trans-boundary Animal Diseases 越境性動物疾病の世界的制御への道 The way towards global control of Trans-boundary Animal Diseases 鹿児島大学教授 獣医公衆衛生学 岡本嘉六 2010年4~7月に宮崎県で発生した口蹄疫は甚大な被害を出した。 292件の発生。疑似患畜の殺処分: 牛    37,314 豚   174,132 その他    64. 1066農場でワクチン接種後に殺処分  牛   30,854  豚   45,902  その他   279. 殺処分総頭数は 288,643頭。

報告されたデータと専門家の意見の重みづけに基づく、牛における口蹄疫罹患率 東北アジアにおける空白を埋めなければならない EUFMD 東北アジアにおける空白を埋めなければならない GFRAD RADISCON Mekong Delta PANAFTOSA SEAFMD SFMDP その他、「メコンデルタ地域の越境性疾病制御」など多くの国際プロジェクトがある EUFMD:  口蹄疫制御のためのEU委員会 罹患率 GFRA:  口蹄疫研究世界連合 PANAFTOSA:  汎米口蹄疫センター SEAFMD:  東南アジア口蹄疫制御活動 SFMDP: 南部アフリカ開発共同体口蹄疫プロジェクト RADISCON :  動物疾病の発生動向調査と制御の北アフリカ・中東・アラブ地域連携網

Global Framework for Transboundary Animal Diseases (GF-TAD's) 越境性疾病に対処する国際的枠組み Global Framework for Transboundary Animal Diseases (GF-TAD's) GF-TADsは、越境性疾病( TADs )に対する世界的戦いにおいて国連食糧農業機関(FAO) と国際獣疫局(OIE)の両組織の力を結合する合同活動である。 それは、FAO とOIEの本部段階の要素、ならびに、地域や地方の要素から構成される。この計画の最終目標は、人間に感染し得るものを含めて大半の重要な動物疾病を制御し、撲滅することである。 OWOH その方法は?

人類は地球規模での解決策を必要とする多くの課題に直面している。これらの課題の一つは、動物と人間およびそれらが住んでいる生態系との接点において発生(再発生)する感染症の蔓延である。それは、人口と家畜頭数の幾何級数的増加、急速な都市化、農業体系の急速な変化、家畜と野生生物の密接な接触、森林の浸蝕、生態系の変化、ならびに、動物と動物由来製品の取引の国際化を含むいくつかの趨勢によるものである。 OWOH 野生動物の間に存在していた病原体が家畜や人に感染する 野生動物が暮らす森 開発 人間の生活圏

6 取組むべき分野横断的な課題 OWOH原則を適用することは、ヒト、動物および生態系の衛生領域において部門を跨ぐ共通の課題を特定することを必要とする。 6.1 三つの衛生領域における広域調査と疾病情報 6.2 生物学的安全確保(biosecurity)を改善する必要性 小規模営農システム(小規模飼養形態) 企業営農システム 6.3 バイオテロ 6.4 社会経済上の阻害要因と取組むための仕組み 6.5 より広範な開発問題と取組む必要性 6.6 様々な集団における情報交換戦略 ● 一般市民の取組み ● 地域社会の事前対策 ● 共同体と社会からの動員 ● 国の国民教育活動 6.7 民間部門と公的部門の協力関係 6.8 定期検査と評価 OWOH

越境性疾病のリスク要因 家畜に関わるリスク要因 野生動物に関わるリスク要因 人の健康に関わるリスク要因 自然条件に関わるリスク要因 社会経済的環境に関わるリスク要因 OWOH

早期警戒と迅速な対処のための鍵となる三脚 獣医療を中心とする学際的研究 OWOH OIE事務局長 Dr Bernard Vallat 早期警戒と迅速な対処のための鍵となる三脚 獣医学 公的獣医師官 昆虫学 医学 野生動物学 民間獣医師 農業者/ 利害関係者 疫学 生態学 三脚 畜産学 環境学 水産学 農村社会学 農業経済学 法学 情報科学

越境性疾病予防に関する東北アジア学術ネットワークの イメージ図 行政機関 生産団体 中国 韓国 防疫活動改善の提言 共同研究 合同調査 定期的ワークショップ OWOH 恒常的情報交換 資金の獲得 日本 台湾

東北アジアにおける越境性動物疾病における学術ネットワーク(素案) 鹿児島大学の提案 東北アジアにおける越境性動物疾病における学術ネットワーク(素案)   我々、「東北アジアにおける越境性動物疾病における学術ネットワーク」を設立することに興味を持つ科学者は、「国際口蹄疫シンポジウム」開催の機会を利用して平成23年3月17日に鹿児島に集い、   越境性動物疾病は、国際的な経済活動の進展と気候変動が進む中でますます頻発することを憂え、 それぞれの国が越境性動物疾病の影響を削減しようと行っている防疫措置に貢献できるような国境を越えた学術機関の協力体制を緊急に築く必要性を認識し、

国際獣疫事務局(OIE)が提案している「世界は一つ、健康は一つ(OWOH)」の概念を思い起こし、 「東北アジアにおける越境性動物疾病における学術ネットワーク」を設立する考えに基本的に合意しながら、専門家会合への参加者としての個人的見解で以下の点に合意する。 1. ネットワークの活動に参加を希望する各組織が組織としてネットワークに参加できる方法を見出し、それを促進する。 2. 各参加組織は、複雑な越境性動物疾病の防疫を考えて、公衆衛生において必要な措置が取れるような分野横断的な科学的貢献が得られるようなシステムを構築する必要がある。 3. 越境性動物疾病のリスク要因を解明する。 4. それらのリスク要因に関して共同研究及び共同調査を実施することを考慮する。 

5. 各国のリスク管理の同等性を確保するために科学的基礎を確立する。 6. ネットワークの活動を通じて収集される情報の内容を確定する。 7. 越境性動物疾病の地域における発生を検知し、一刻も早い対策をとることができるように適切且つリアルタイムの情報を収集・分析・共有をする。 8. 情報の交換及び共有のために、適切なネットワークのホームページ及びデータベースを作成する。 9. 年間の活動計画及び中長期のプログラムを作成する。 10. 資金確保に応じて、ネットワークのメンバーの活動を交換するためのシンポジウム或いはワークショップを開催する。

11. ネットワークの事務局及びそれ以外のメンバーの機能を明確にする。 12. ネットワークの活動を充実させるために、それぞれの国でネットワークのメンバーの拡大に努力する。と; 13. それぞれのメンバーで或いはネットワークとしてネットワークの活動を継続するために資金確保に努力する。また、ネットワークとしての価値を外部資金を受託する際の学術的基礎として用いる。 14. 越境性動物疾病の防疫に関する各国の努力に対してネットワークとしての科学的提言を行う。 15. 「東北アジアにおける越境性動物疾病における学術ネットワーク」の一刻も早い設立に向けて、情報交換を密にし,適切な促進業務を通じることによって、最大限の努力を行う。