傾圧不安定の直感的理解(2) ー低気圧軸の西傾の重要性ー

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傾圧不安定の直感的理解(2) ー低気圧軸の西傾の重要性ー 三重大学・大学院生物資源学研究科 共生環境学専攻 気象・気候ダイナミクス研究室 教授 立花義裕

今日の目標 その理由を数式を使わずに理解する。 上空と地上の低気圧の中心がずれている時、低気圧は発達する。 (地上の低気圧が東、上空の低気圧が西) その理由を数式を使わずに理解する。 これが理解できると、地上天気図と高層天気図の二枚の天気図を見ることによって、低気圧の発達をある程度予知することが出来る。

発達する高・低気圧の典型的なパターンを図示したもの 地上付近の方が上空に比べ位相が進んでいる。 図は、Holton著 An Introduction to dynamic meteorologyから引用 低気圧 高気圧 地上 西 東 発達する高・低気圧の典型的なパターンを図示したもの 地上付近の方が上空に比べ位相が進んでいる。

上空(500hpa)の低気圧が発達していく様子(a→b→c) (強く発達する典型的パターン) 北 温度;低 トラフ (500hpa) 低 (地上) 温度;高 東 点線;等温線 太い実線;500hpaでの等高線 細い実践;1000hpaでの等高線 図は、Holton著 An Introduction to dynamic meteorologyから引用

上空(500hpa)の低気圧が発達していく様子(a→b→c) (強く発達する典型的パターン) 北 温度;低 低気圧発達 トラフ 強まる トラフ (500hpa) 基礎知識;  静水圧方程式  より   温度が高い⇒ΔZ;大   温度が低い⇒ΔZ;小 低 (地上) 温度;高 500hpa 1000hpa 東 小 地上に低気圧がある左側では等温線を横切り  北風が吹いている。 ⇒結果、ΔZは小さくなる。 上空で低気圧発達

上空(500hpa)の高気圧が発達していく様子(a→b→c) (強く発達する典型的パターン) 北 高気圧発達 温度;低 基礎知識;  静水圧方程式  より   温度が高い⇒ΔZ;大   温度が低い⇒ΔZ;小 リッジ 強まる 低 (地上) リッジ 強まる 温度;高 500hpa 1000hpa 東 大 地上に低気圧がある右側では等温線を横切り  南風が吹いている。 ⇒結果、ΔZは大きくなる。 上空で高気圧発達