天体核実験用の窓無しガス標的と ガス循環系の開発

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天体核実験用の窓無しガス標的と ガス循環系の開発 天体核実験用の窓無しガス標的と ガス循環系の開発 九大院理 松田沙矢香、相良建至、寺西高、藤田訓裕、 谷口雅彦、岩淵利恵、大場希美、山口祐幸、 Maria Theodora Rosary  内容 ○天体核反応測定用では世界最高厚さの    窓無しHeガス標的を開発した。 ○標的厚さを、ビーム散乱を用いて測定した。 ○標的が十分厚いので、ポストストリッパーは要らない。 ○ガス流量が多いので、ガス循環系を開発中である。

4He+12C16O+g 反応断面積測定 4He (target) は、windowless (窓なし)でなくてはいけない。 真空中 膜有 真空中 実験:  12C (beam) + 4He (target)  16O (detect) + g Ecm = 2.4 ~ 0.7 MeV (星では0.3 MeV) E(12C) = 9.6 ~ 2.8 MeV E(16O) = 7.2 ~ 2.1 MeV  4He (target) は、windowless (窓なし)でなくてはいけない。 4He (target) の厚さは、15 Torr x 4.5 cmが目標。 Windowless & thick He gas targetの開発は、1993年から始まった。 1993 Proto-type (10torr x 3 cm)の製作に成功。  1997 真空排気システムを備えて(予算必要)、テスト実験開始。 2000 冷却ベンチテスト開始 2005 冷却標的製作→厚さ測定 2006 真空排気系強化 2008 常温型に戻し、形状最適化 2009~2010 標的厚さ測定  世界一の厚さ(24Torrx4.5cm)を達成 He 12C beam 膜無 低エネルギー 大強度ビーム He 12C beam また、反応断面積が小さいため

実験セットアップ 15Torr×4.5cm の厚さが目標 12C+4He →16O+g 窓無しガス標的 12C 窓無し4He気体標的 16O 12C beam 窓無しガス標的 12C+4He →16O+g 16O 12C タンデム加速器 イオン源 窓無し4He気体標的 15Torr×4.5cm の厚さが目標 検出器

吹き込み型窓無しガス標的 He He P1 is 24 Torr. f4.3 f2.5 12C beam P1 44 mm Monitor Si-SSD 44 mm P1 P1 is 24 Torr. f2.5 f4.3 He 12C beam

差動排気系 P2,P3,P4の排気速度を強化 12C beam MBP 12C beam Target f2.5 f4.3 RMS MBP DP 3000 ℓ/s TMP 520 ℓ/s f2.5 f4.3 f20 f10 f6 f4 f10 f12 f20 f30 12C beam RMS P2 P7 P5 P6 P8 P3 P4 TMP 350 ℓ/s TMP 520 ℓ/s TMP 520 ℓ/s MBP 330 ℓ/s TMP 1500 ℓ/s MBP 330 ℓ/s MBP TMP Target 12C beam

標的厚さ測定 結果 膜無し標的は、膜有り標的の1.5倍 3.0cm×1.5倍=4.5cm 1.5倍 Al(p,p’) He(p,α)H p-beam C-foil He beam monitor RMS 標的厚さの比 Al(4μm) 3.0cm 10Torr Al(p,p’) He(p,α)H p-beam NHe beam monitor He(p,α)H NHe 結果 1.5倍 Nhe/beam 膜無 膜無し標的は、膜有り標的の1.5倍 3.0cm×1.5倍=4.5cm 膜有 標的の圧力(Torr)

Windowless He targetの厚さ比較 ポストストリッパーは 必要無し 九大 のwindowless target 24Torrx4.5cm=108Torr・cm Kyushu CalTech Ruhr TRIUMF 平衡分布厚 標的厚さ (Torr・cm) 100 TRIUMF のwindowless target ~6Torr×11cm=66Torr・cm (6Torr×12cm=74Torr・cm) 8倍 CalTech のwindowless target ~5Torr×10cm=50Torr・cm Ruhr U. のwindowless target ~3Torrx4.5cm=13.5Torr・cm 平衡分布厚 4+ 5+ 2+,6+ 3+ 12C beam 4He gas target He Ar   ポストストリッパー 非平衡状態 Ruhr大学 12C beam 4He gas target He 16O(平衡状態) 16O(非平衡状態) 九州大学

平衡荷電分布 16O 荷電分布 今後、16O 荷電分布を 測定予定 12C beam 12CビームがHeガスを通過すると・・・ 4He gas target He 16O2+,16O3+,16O4+,16O5+,16O6+ 色々な電荷の16Oができる 標的の上流の方で反応した16Oは平衡状態になるが 下流の方で反応した16Oは非平衡状態のままである  16O 荷電分布 3+ 2+ 5+ 4+ 6+ 0.7 1.5 2.4 Ecm(MeV) TRIUMPデータ+九州大学データ(7.2MeV) Charge fraction (%) 16O energy 平衡分布厚 4+ 5+ 2+,6+ 3+ 測定予定 今後、16O 荷電分布を          測定予定

Heガス循環系 95%のHeガスを回収!! 現在、 ガス循環系の設置を 計画中 現在、Ecm=1.5MeVで 1日にHeボンベ約2本           計画中 95%のHeガスを回収!!

Target Beam Line top図 MBP Beam Line 断面図 MBP TMP 12C beam 95%のHeガスを回収 流量調整 95%回収 MBP RP TMP Target Balloon Cooling trap He 5%供給 Beam Line 断面図 流量調整 50K

まとめ 今後の予定 ●差動排気系の強化やアパーチャーの設置などによって 24Torr×4.5cmの分厚い膜無しガス標的の開発に成功!!      ただし、Ecm=0.7MeVの測定では厚すぎる              15Torr×4.5cm ●今後のより低エネルギーでの 測定に備えて、 ガス循環系の設置。 ●Heガス通過後の16Oの荷電分布  測定。 世界一!!  今後の予定

Energy loss Ecm=0.7MeVの場合 標的の厚さが ●24Torr×4.5cmの場合 Ecm=0.7MeV→0.65MeV

粒子分析器(RMS) p/q∝Bρ 12C3+⇔ 16O4+ Bρが同じ Magnetic deflector (p/q∝Bρ) 4He ガスターゲット Si SSD 16O3+ 3m Electric deflector (E/q) Magnetic deflector (p/q∝Bρ) v ∝(E/q)/(p/q) m/q ∝ (p/q)/v F1 F2     p/q∝Bρ 12C3+⇔ 16O4+    Bρが同じ

4He+12C16O+g 反応断面積測定 分厚い窓無しガス標的が必要!! 恒星のエネルギー(Ecm=0.3MeV)での4He(12C,16O)γ反応断面積は非常に小さい  →Ecm=2.4MeV~0.7MeVまでを測定し、    Ecm=0.7MeV~0.3MeVまでを外挿する さらに、エネルギーが低く、反応断面積が小さいため Ecm =0.7 MeVで 反応断面積は1 pbarn 分厚い窓無しガス標的が必要!! Ruhr U. Kyushu U. extrapolation stellar energy Total S-factor of 12C+4He  16O+g

平衡荷電分布 16O 荷電分布 12C beam 12C beam 12CビームがHeガスを通過すると・・・ 4He gas target 16O2+,16O3+,16O4+,16O5+,16O6+ 色々な電荷の16Oができる 標的の上流の方で反応した16Oは平衡状態になるが 下流の方で反応した16Oは非平衡状態のままである  16O 荷電分布 3+ 2+ 5+ 4+ 6+ 0.7 1.5 2.4 Ecm(MeV) TRIUMPデータ+九州大学データ(7.2MeV) Charge fraction (%) 16O energy 十分に分厚いガス標的ならば・・・ 非平衡16Oの割合は Ecm = 2.4 MeV で 約9% Ecm < 2.4 MeV で 9%以下 12C beam 4He gas target He 16O(平衡状態) 16O(非平衡状態)