地震の基礎知識
1 地震の起こる場所 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子 1 地震の起こる場所 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子 これは世界のどんなところで地震が起こっているのかを示す図です。 赤い点々の1つ1つがこの30年間でマグニチュード5以上の地震が起こった場所を表しています。 日本は世界でも地震の多い国であることが分かります。 マグニチュードについては,後で説明します。 © 東京大学地震研究所・㈱東京カートグラフィック・文科省防災教育支援事業
地震の正体は地下で岩盤が割れること。 岩盤のずれにより,断層ができる。 2 地震とは 地震の正体は地下で岩盤が割れること。 岩盤のずれにより,断層ができる。 ずれの量 断層の長さ 地震の正体は,地下で岩盤が割れることです。このとき,岩盤のずれによって断層が生じます。 図の緑色の線は断層の長さ,断層の幅,ずれの量を示しています。 断層の幅
3 プレートの運動の様子 陸のプレート 海のプレート アメリカ地質調査所(USGS)より 3 プレートの運動の様子 アメリカ地質調査所(USGS)より 岩盤が割れる理由は,日本列島が海のプレートから押されていることが関係しています。 プレートは,1年間に8㎝ほどの非常にゆっくりとした速度で動いているので,普段は気が付くことができません。 以下補足 Office2010版のスライド型資料には動画があります。 陸のプレート 海のプレート http://m.youtube.com/watch?v=4Xebwzb3dDE&desktop_uri=%2Fwatch%3Fv%3D4Xebwzb3dDE
4 断層の大きさとマグニチュード 1995年 兵庫県南部地震 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子 4 断層の大きさとマグニチュード 1995年 兵庫県南部地震 1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では,長さ50km,幅20kmに渡って断層が生じました。 (実際は鉛直方向の断層面を上向きに投影した図です。) 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
4 断層の大きさとマグニチュード 宮城県に当てはめてみると・・ 石巻市 名取市 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子 4 断層の大きさとマグニチュード 宮城県に当てはめてみると・・ 石巻市 名取市 長さ50km,幅20kmの断層を宮城県に当てはめてみるとこうなります。 およそ石巻市から名取市くらいまでの大きさだということが分かりますね。 (実際は鉛直方向の断層面を上向きに投影した図です。) 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
4 断層の大きさとマグニチュード マグニチュード 7 東京では・・・? 武蔵増戸駅 新宿駅 4 断層の大きさとマグニチュード 東京では・・・? マグニチュード 7 武蔵増戸駅 新宿駅 長さ50km×幅20㎞の断層を,東京に当てはめてみるとここまで大きく見えます。 人間にはこんなに大きな範囲で,岩盤を割る力はありません。しかし,地震はこういう大きな力を持っています. このパワー,エネルギーのことを,マグニチュードと言います。 この四角を割るくらいのエネルギーは,マグニチュード7です。 マグニチュード8,9,と大きくなるほど大きなエネルギーであることを表します。 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
4 断層の大きさとマグニチュード 1923年 関東大震災 マグニチュード 8 マグニチュード 7 4 断層の大きさとマグニチュード 1923年 関東大震災 マグニチュード 8 マグニチュード 7 1923年には東京で約マグニチュード8の地震が発生しました。大正関東地震(関東大震災)です。 火事が起きて10万人の人が亡くなりました。 では,マグニチュード8の断層はどのくらいの大きさになるのでしょうか。このくらいの大きさになります。長さ130km×幅60kmです。 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
4 断層の大きさとマグニチュード 宮城県に当てはめてみると・・ マグニチュード 8 マグニチュード 7 4 断層の大きさとマグニチュード 宮城県に当てはめてみると・・ マグニチュード 7 長さ130km×幅60kmの断層を宮城県に当てはめてみるとこうなります。 およそ宮城県の北の端から南の端までの大きさであることが分かりますね。 マグニチュード 8 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
4 断層の大きさとマグニチュード 2011年東日本太平洋沖地震(東日本大震災) マグニチュード 9 4 断層の大きさとマグニチュード 2011年東日本太平洋沖地震(東日本大震災) マグニチュード 9 2011年には,宮城県でマグニチュード9の地震が発生しました。東北地方太平洋沖地震,東日本大震災です。 では,マグニチュード9の断層はどのくらいの大きさになるのでしょうか。このくらいの大きさになります。だいたい長さ500㎞×幅200㎞です。 これほど大きな岩盤を割るエネルギーがマグニチュード9なのです。 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
1分以上揺れてたら高台へ避難! 5 揺れの長さ 揺れている時間が1分以上続いたら,津波の可能性大. 断層が割れるのに時間がかかる 5 揺れの長さ 1分以上揺れてたら高台へ避難! 揺れている時間が1分以上続いたら,津波の可能性大. 断層が割れるのに時間がかかる 断層面積が大きい 断層面積はマグニチュードに対応 マグニチュード 大 ならば津波 高 ! マグニチュードが大きな地震であるほど,断層面積が大きいので,割れるのに時間が掛かります。 つまり,揺れている時間が長い地震ほど,マグニチュードの大きな地震である可能性が高いということです。 ただし,地盤によってはいつも長めに揺れる場所もあります。 揺れている時間が1分以上続いた場合,非常に大きな地震が発生し,津波が発生する可能性が高まります。 ただし,地盤によって,いつも長めに揺れる場所もあります 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
5 揺れの長さ 5 揺れの長さ 地震 断層の長さ 7.3 兵庫県南部地震 (阪神・淡路大震災) 50km 9.0 東北地方太平洋沖地震 5 揺れの長さ 5 揺れの長さ マグニチュード 地震 断層の長さ 揺れていた時間 7.3 兵庫県南部地震 (阪神・淡路大震災) 50km 13秒程度 9.0 東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災) 500km 2分40秒以上 兵庫県南部沖地震では揺れの時間は約13秒ほどだったという記録があります。 一方で,東北地方太平洋沖地震では2分40秒以上も揺れが続き,大きな津波が発生しました。
6 マグニチュードと震度 マグニチュード 7 震度6! 震度5 震度4 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子 6 マグニチュードと震度 マグニチュード 7 震度6! 震度5 震度4 マグニチュードは地震のエネルギーの大きさを示すのに対して,震度はその場所がどのくらい揺れたかを示します。同じ大きさのマグニチュードの地震であっても,居る場所によって震度は異なります。例えば,過去最大のマグニチュードを記録したチリ地震はマグニチュード9.5の超巨大地震で,チリでは震度7を計測しましたが,日本では体に感じる揺れを計測していません。これは,マグニチュードを電球のW(ワット数),明るさを震度とすると,W(ワット数)のより大きな電球は離れていても明るく照らせるのと同じように,たとえることができます。 資料作成協力 慶應義塾大学環境情報学部准教授 大木聖子
<終わり>