今後めざすべき基本目標 ―「ケアの流れ」を変える― 今後めざすべき基本目標 ―「ケアの流れ」を変える― ○ 「認知症の人は、病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる 限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現をめざす。 ○ これまでの「ケアの流れ」を変え、むしろ逆の流れとする標準的な認知症ケアパス(状態に応じた適切なサービス提供の流 れ)を構築することを、基本目標とする。 適切なサービスとコーディネートの 仕組みづくり 早期診断・早期対応の仕組みづくり 地域での生活を支える医療・介護サービスの仕組みづくり 認知症と疑われる症状が発生した場合に、住み慣れた地域の中で、いつ、どこで、どのような医療や介護サービスを受ければよいか理解できるよう、標準的な認知症ケアパスの作成と普及を推進する。 地域の医療機関の認知症対応力向上を図り、専門職のアウトリーチによって早期に対応し、的確な診断と包括的な支援につなげることができる支援体制を構築する。 多職種の連携を促進し、円滑な退院・在宅復帰を支援するとともに、適切な医療提供体制の確保と介護、福祉サービスの充実を図る。 気づき~診断まで 日常在宅ケア 急性増悪期ケア 日常在宅ケア 自宅・家族 自宅・家族 老健施設・特養等 短期入所等施設を利用したサービス 自宅・家族 居宅サービス 地域密着型サービス等 急性 憎悪期 気付き かかりつけ医 認知症 疑い 日常診療 認知症行動・心理症状悪化時 などの急性増悪期診療 日常診療 確定診断 認知症疾患医療センター 短期治療 (精神科医療機関等) 地域での日常生活・家族支援の強化 認知症の方は環境の変化に弱いという特性があるため、住み慣れた地域のよい環境で安心して暮らし続けられることが大切である。認知症に関する正しい知識と理解の普及、見守り、相談支援など、地域による支援体制の構築を図る。 若年性認知症施策の強化 若年性認知症の方の状態に応じた適切な支援が受けられるよう、情報を集約し、相談窓口の明確化や就労等を含めた支援体制の充実を図る。 医療・介護サービスを担う人材の育成 認知症の方への医療・介護に関する専門的かつ実践的な研修を実施することにより、認知症ケア技術の向上を図り、地域の認知症対応力向上を推進する。