第8回 生産プロセスの管理
生産システムの2類型 システム 注文を受けてから、その仕様に合わせて製造を行う システム 見込みや計画に応じて製造を行うシステム
餃子の王将で考えよう プロセス 野菜を刻む 野菜と肉を混ぜて餡を作る 餃子の皮に餡を包む 冷蔵庫にしまう 注文の受けた分を焼いて出す
プロセス 受注 製造指図 製造報告→在庫(製品○○/各種原価○○) 出荷(売掛金○○ /売上○○ ) 設計 プロセス 受注 設計 発注→入荷 (仕入○○/買掛金○○ ) 製造指図 製造報告→在庫(製品○○/各種原価○○) 出荷(売掛金○○ /売上○○ )
プロセス 需要予測 出荷予測 製造予測 製造指図 製造 製造報告→在庫(製品○○/各種原価○○) 出荷(売掛金○○ /売上○○ ) プロセス 需要予測 出荷予測 製造予測 資材手配予測 発注→入荷(仕入○○/買掛金○○ ) 製造指図 製造 製造報告→在庫(製品○○/各種原価○○) 出荷(売掛金○○ /売上○○ )
システム間のメリット・デメリット 生産システム システム 大量製造による製造コスト 削減が可能 品質・納期の均質化 生産システム システム 大量製造による製造コスト 削減が可能 品質・納期の均質化 注文から市場投入までの時 間が短い ニーズとは一定ずれる 廃棄ロスがほぼ避けられない 見込み違いによる売り逃しの 可能性 顧客のニーズに合わせたき め細やかな対応が可能 製造コストがかさむ 品質にばらつきが出やすい 注文から販売まで時間がか かる
システムの調整 完全な見込み生産システムも個別注文システ ムも今時存在しない 餃子の王将で言えば 手間がかかるところまでは見込み生産 最後に個別注文システムを混ぜて、需給を調整 見込み違いによる売り逃しや廃棄ロスを減らす ために、個別注文の多寡によって、見込み生産 をいつどの程度開始するかを柔軟に対処
多品種少量生産と原価計算 自動化がなされていない大量生産時代 自動化され多品種少量生産 自動化がないので、人件費はほとんど直接費で生産 量とほぼ比例 製品の種類が少ない → 自動化され多品種少量生産 製造の多くは機械が自動で行う。つまり生産に直接 ひとが関わらない→ 人の手が関わるのは品種を変えるとき→ そもそも製品の種類が多い →
たとえばこんな風に餃子を作っていたら Activity Based Costing(ABC:活動主義原価計算)の登場 餃子の餡と皮をセッティン グしたらあとは自動で餃子 の形を作ってくれる機会が あるとする 人の手は餡と皮をセッティ ングするときに必要 餡と皮の組み合わせを変え て多数の餃子ができる 材料費や光熱費は生産量に 比例しそう 人件費は、いつセッティン グを変えるかに依存する 通常運転時よりセッティン グを変えるときの方が機械 は摩耗しひゃすいかも つまり、どんな活動がどこ に行われているかに応じて コストがかかっているはず Activity Based Costing(ABC:活動主義原価計算)の登場
Abcとは コストドライバーの例 原価作用因(コストドライバー)の特定が重要 (従来の)直接費 (従来の)間接費 直接作業時間 新製品の開発・導入→ ラインの切り替え時間 → 機械の摩耗しやすさ → ロット当たりの大きさ →
例えば前回の例 A製品1万個。B製品2万個。C製品3万個。月初に在庫は0 このとき製品一個あたりの原価は? A製品は特注のため 間接労務費 12万円 間接経費 18万円 このとき製品一個あたりの原価は? A製品は特注のため 他の製品の製造中に割り込んで製造することがほとんどのため、段取 り費が多額発生する 一回当たりの生産量が少なく運搬費がかかるかも 機械に負担のかかる製造法のため、減価償却費を多額負担すべきかも
JITとは 工程間の同期をはかり、後工程の必要とするものを必要 とするタイミングで提供し、同時に後工程が必要としな いものは提供しないようにする考え方 さらに自動化を図ることで、「異常の発見と対処」が容 易となる https://www.jsme.or.jp/kikaiisan/data/images/no016.jpg
http://www.toyota.co.jp/pages/contents/jpn/company/vision/production_system/images/p_2_zu.gif
JITとほかのシステムの関係 Pullシステムともよばれ、受注からシステムスタート。 受注があって在庫がはけると、部品などを注文する 部品は必要な時に必要な量だけ納入される 結果として、システム内における仕掛品は最小化される リーン生産システムともよばれる サプライヤーは必要な時に必要な量の納入が要求されるのでアセ ンブラーとの協調が極めて重要