ユーザコンテキストを反映した セマンティックキャストの基盤技術 ユーザコンテキストを反映した セマンティックキャストの基盤技術 立命館大学大学院理工学研究科 西尾研究室 首藤幸司、西尾信彦
従来の情報配信 インターネット 家庭やオフィスなど屋内利用 最近では携帯電話で屋外利用 ユーザが意識的に情報を取りに行く → ユーザ側からサービス側へ それに加えてこれからは・・・ ユーザコンテキストを活用 ユーザは無意識 各ユーザに見合った情報をサービス側から配信 → サービス側からユーザ側へ
情報配信における基盤技術 情報の配信方法 基盤技術 想定環境 ユーザに配信される情報を有意なものにする PULL型 PUSH型 ユーザの要求に対する配信 PUSH型 サービス側の一方的な配信 基盤技術 ユーザの要求の出し方 配信対象の決定 配信対象までの情報伝搬 想定環境 多人数(1~n)を対象とした情報配信 ユーザに配信される情報を有意なものにする
ポスター閲覧支援システム(1) 発表開始を通知する 配信対象の決定 誰に通知するべきか? どのように発見するか? どのように配信するか? 発表開始を通知する 誰に通知するべきか? ポスターの前に来ていない人 来てもすぐ帰った人 どのように発見するか? ポスター前の通過履歴をとる ユーザの予約履歴を参照する ユーザが誰かに依頼し、 その依頼先を探す どのように配信するか? ユーザ間のアドホックネットワークを用いる 複数の基地局で全ユーザを管理(ローミング) 配信対象の決定
個人の専門と関係あるポスター情報を提示する ポスター閲覧支援システム(2) 個人の専門と関係あるポスター情報を提示する 誰に提示すべきか? ポスター情報と関連のある人 どのように発見するか? ユーザが基地局などに個人情報を登録しておく 登録情報を元に、情報を配信 どのように配信するか? 複数の基地局で全ユーザを管理(ローミング) ユーザが嗜好や個人情報を公開することは重要
ポスター会場想定図 :ポスター
セマンティックキャスト 情報を受け取って意味のある人々に配信する 共通コンテキストでグルーピング ↓ ↓ ↓ ↓ グループコンテキスト セマンティックグループ ユーザコンテキスト 物理空間コンテキスト 位置情報 = 公的な情報 駅、空港、店舗 非物理空間コンテキスト 嗜好情報 = 私的な情報 興味、好物 非物理空間コンテキストの扱い方が難しい
閉ざされた空間を考えた場合・・・ 似たような目的を持った人々が集まる 空間を限定して情報を配信する 空間例 遊園地、学校、ポスター発表会場 喜ばれるサービス、意味のあるサービスを想定しやすい サービス対効果が高い 街中は一見閉ざされた空間とは言い難いが、区画ごと(店舗ごと)に注目すれば、街中は閉ざされた空間の集合体 空間を限定して情報を配信する 物理空間コンテキストのみでも有効な情報配信が可能
ユーザコンテキストの扱い方 サービス側が推測した嗜好情報などの非物理空間コンテキストは厳密性に欠ける → 適切なサービスを提供することは困難 → 適切なサービスを提供することは困難 それならば・・・ 非物理空間コンテキストはユーザが意識的に公開する サービス側がユーザコンテキストを予測する技術 ではなく ユーザの嗜好情報や個人情報をセキュアに扱う技術 ※個人情報をどこまで保護するかも課題である
IPv4(or v6)ネットワークで通信を行なう グループコンテキストとIPアドレスの対応付け機構 属性ベースルーティング 従来のTCP/IP通信 IPアドレス → ホストベース セマンティックキャスト通信 グループコンテキスト → 属性ベース 情報を適切なユーザに適確に配信する and IPv4(or v6)ネットワークで通信を行なう グループコンテキストとIPアドレスの対応付け機構
予備考察 関連研究 - Content Cruising System 人の移動に便乗して、情報に方向性を持たせる 意思を持った情報の伝播モデル コンセプトは「憑依性と地縛性」 発信者のポリシー = 意思 応用例 映画の口コミ情報を、映画館の周りに集める 人の移動に便乗して、情報に方向性を持たせる ある方面への情報の伝播 団体の誘導