「すざく」でみた天の川銀河系の中心 多数の輝線を過去最高のエネルギー精度 、統計、S/Nで検出、発見した。 Energy 6 7 8

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「すざく」がみた銀河中心の活動性 : 衝突励起か電子捕獲か :広がっているか、点源の集まりか? (2) 超新星残骸の発見
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「すざく」でみた天の川銀河系の中心 多数の輝線を過去最高のエネルギー精度 、統計、S/Nで検出、発見した。 Energy 6 7 8   「すざく」でみた天の川銀河系の中心 多数の輝線を過去最高のエネルギー精度 、統計、S/Nで検出、発見した。 6 7 8 Fe24+Kα Fe25+Kα Fe24+Kβ Fe Kα Ni26+Kα Fe24+ Kβ Fe25+Kβ Ni27+Kα Ni Kα Si12+Kα Si12+Kβ Ar16+Kβ Ar16+Kα Si13+Kα Ca18+Kα Ca19+Kα Ar17+Kα S14+Kα S15+Kα S14+Kβ Energy

Red:6.7 keV: Blue:6.4 keV: Green:2.45 keV ① 広がった大規模超高温プラズマ球(7000万度)(赤) ② 多数の超新星残骸候補を発見(緑) ③ 大質量ブラックホールの数100年前の時間変動(青)

なぜ銀河中心?最近傍の巨大ブラックホール       最も確実なブラックホール物理 なぜ「すざく」? 最高のエネルギー精度と統計             原子物理に立脚した確かな物理 (1) 6.7/6.9 keV Lines の起源は?  : 衝突励起か電子捕獲か (2) 新超新星残骸 / Super-bubbleの発見    (3) 6.4 keV Line の起源         : X線 か電子起源か         : 6.4 keV clumps の時間変動

1) 6.7/6.9 keV Lines の起源は? : 衝突励起か電子捕獲か He-like Ka 複合線 r f 3S1 1P1 2s 2p 1s He-like Ka 複合線 Collisional Excitation  6680-6685 eV Charge Exchange  6666eV f r i r i f l l He-like Fe Ka = 6680 (+-1) eV:           衝突電離の6680-6685eVにより近い

衝突電離(高温プラズマ)が 最も可能性高い6.7/6.9 keV輝線の起源 H-like Ka is very narrow Fe velocity < 1000 km/s Lyman Series n>8  n=1 衝突電離(高温プラズマ)が 最も可能性高い6.7/6.9 keV輝線の起源

6.7keV-Map 電荷交換 か 衝突励起 ? 6.7 keV Mapと 6.4 keV Cloudには (分子雲:H2が多い) 30 pc Sgr A* 電荷交換 か 衝突励起 ? 6.7 keV Mapと 6.4 keV Cloudには (分子雲:H2が多い) 空間的相関がない

2) 新超新星残骸 / Super-bubbleの発見 (D~30pc, D~100pc の107KのShellがS-lineで見つかる)        (狭く深い観測 > 広く浅い観測)   3-5 keV band 2.45 keV band

3) 6.4 keV clump群の発見 その起源は? 中性鉄の内殻電離は 電子か X線か ? 6.4 keV Map              その起源は?   中性鉄の内殻電離は 電子か X線か ? 6.4 keV Map SgrA*(銀河中心)

--------------------------------------------- 内殻電離          電子 vs   X線 --------------------------------------------- Lineの等価幅 (keV)    0.3 - 0.6 1 - 1.5 最大反応断面積の エネルギー (keV) 10-100 7.1 平均自由行程 NH (cm-2) ~1021   ~1024 1021 1024

K-edge: 1.8 – 9.6 x 1023 cm-2 >> 1 x 1023cm-2 Sgr B1 Radio Arc Sgr C M359.5-0.2 Sgr B2 M0.74-0.09 Kα/ Kβ : 0.1 (中性鉄から期待される値) 等価幅 : 1.1 – 2.1 keV K-edge: 1.8 – 9.6 x 1023 cm-2 >> 1 x 1023cm-2       X-ray による電離がもっとも可能性高い

ASCA(1994) Chandra(2000) XMM(2004) Suzaku(2005) 10pc 大発見 X線反射星雲 10年の変動

X線前線 Sgr B2 M0.74-0.09 Sgr B2 と M0.74-0.09の 10年間にわたる時間変化 Suzaku 2005 X線前線 Sgr B2 XMM 2004 Chandra 2000 ASCA 1994 M0.74-0.09 Suzaku XMM 30光年 Sgr B2 と M0.74-0.09の 10年間にわたる時間変化   過去(300年前)の大爆発

反応の断面積のZ依存性は:光電離はZ-2.3 衝突電離 はZ-4.3 反応の断面積のZ依存性は:光電離はZ-2.3 衝突電離 はZ-4.3  ( 反応断面積に寄与する入射X線、または電子線、のエネルギーはZにより異なる。 X線吸収の断面積 Z5 は同じエネルギーのX線に対するもの)                   衝突電離 電子(個数スペクトルE-2)が厚いガス雲に衝突、各元素の等価幅は O,Ne, Si, S, Fe : 360, 110, 70, 40, 290 eV 等価幅比は(Fe=1): 1.2: 0.38: 0.24: 0.14: 1 (Tatischeff et al.2002)

大発見: XRNの時間変動 2pc X線反射星雲(光電離)