京大岡山 3.8m 新技術望遠鏡 東アジア最大の望遠鏡計画 この望遠鏡で用いられる3つの新技術

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3.8m 望遠鏡用面分光装置 2010/08/18 光赤天連シンポ 尾崎 忍夫、岩田 生、神戸 栄治、沖田 喜一(国立天文台) 吉田 道利(広島大学)、岩室 史英、菅井 肇、太田 耕司(京都 大学)
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~ファーストスターを探 れ!~ 第 9 回きみっしょん A 班 相羽祇亮(高1) 栃木県立宇都宮高 校 飯田美幸(高2) 茨城県立竹園高校 栗原佑典(高2) 埼玉県立熊谷高校 小林千鶴(高2) 愛媛県立松山中央 高校 永井悠真(高2) 埼玉県立浦和北高 校 福本菜々美(高1) 私立済美高校.
2020 年( TMT 、 SPICA 時代)の すばる望遠鏡 高見英樹 ( 国立天文台) 年の光赤外の情勢 大きな流れ TMT 稼働開始 SPICA 打ち上げ、 JWST は? LSST 稼働開始、 HSC の役割は? Keck 、 Gemini は存続だが予算は厳しい、 VLT は着実.
コンピュータリテラシ インターネット検索 (中級) ◆ ログインしウェブブラウザで遊んでいて 下さい。 ◆ 本日は、授業開始後、他のクラスの実習 のために、ファイルサーバへの負荷が急 上昇することが予想されます。
日本学術会議マスタープランへの提案 ガンマ線バーストを用いた初期宇宙探査計画 HiZ-GUNDAM 主査: 米徳 大輔(金沢大学) HiZ-GUNDAM WG 光赤天連シンポジウム「光赤外将来計画:将来計画のとりまとめ」( 2016/02/09 – 10 国立天文台.
京都大学3.8m新技術望遠鏡計画 長田哲也 (0)概算要求を行うかどうか (1)学術的評価(概要とサイエンス) (2)緊急性
研削実験の状況報告 第17回新技術望遠鏡技術検討会 2009年7月25日 名古屋大学 所 仁志.
国立天文台 太陽系外惑星探査プロジェクト室 成田憲保
HETE-2のバースト観測ネットワーク マウイ 副地上局 パラオ 副地上局 シンガポール 主・副地上局 赤道
京都3.8m新技術望遠鏡の進捗状況 国立天文台 岡山天体物理観測所 沖田喜一
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
南極中口径望遠鏡計画 (AIRT) スーパーアースを持つ多惑星系のトランジット連続観測による系外惑星の大気構造の研究
望遠鏡制御関係現状報告 ナノオプトニクス・エナジー ナノオプトニクス研究所 下農 淳司.
セグメント鏡の研削加工 所 仁志 株式会社ナノオプトニクス・エナジー
大学共同利用機関と大学間連携による研究・教育協力の強化
みさと8m電波望遠鏡の性能評価 8m (野辺山太陽電波観測所より) (New Earより) 和歌山大学教育学部 天文ゼミ  宮﨑 恵 1.
南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
大学の研究教育基盤を強化し、すばる望遠鏡とともに日本の天文学を発展させます。 京都大学大学院理学研究科 宇宙物理学教室・附属天文台
3.8 m望遠鏡主鏡エッジセンサ 開発進捗 京都大学 理学研究科 M2 河端 洋人.
京大岡山3.8 m望遠鏡計画: 分割主鏡制御エッジセンサの開発
突発現象のToO観測 野上大作 (京大 花山天文台) 2011/09/07(Wed)
高周波観測 大田 泉 (甲南大学理工学部) 空気シャワー電波観測ワークショップ2014@甲南大
セグメント研削工程の改善 所 仁志 名古屋大学大学院 理学研究科 光赤外天文計測学研究室
京大岡山3.8m新技術望遠鏡の開発XV: 主鏡位置制御システム開発の進捗状況 各アクチュエータ軸の10往復試験によるセンサの値の変化
本間 希樹 Mareki Honma (水沢VLBI観測所)
鏡支持機構 分割鏡用センサ ドーム概算(内部のみ)
デジタルマニュファクチャリング ~モールドレス素形材製造技術~
物理学卒業研究 MOAデータベースを用いた 脈動変光星の周期解析
P01.埼玉大学55cm望遠鏡SaCRAの 制御システム開発 ~第5回 ~ ポスター説明
みさと8m電波望遠鏡の 性能評価 富田ゼミ 宮﨑 恵.
京大岡山 3.8m 望遠鏡 分割鏡制御に用いる アクチュエータの特性評価
目次 多重薄板型X線望遠鏡 レプリカ法とは 反射鏡の評価 現状と課題
2003年12月2日 課題研究ガイダンス (3分) S2 太陽物理 柴田一成 花山天文台 北井礼三郎 飛騨天文台.
京大極限補償光学 点回折干渉を用いた 波面センサの開発
(株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 2011/01/08 於: 国立天文台岡山天体物理観測所会議室
(株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 9/18 @京都大学
ーJapan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration-
坂本彰弘(岡山天体物理観測所) 栗田光樹夫(京都大学)
国立天文台 光赤外研究部 太陽系外惑星探査プロジェクト室 成田憲保
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 天文科学センター 伊藤洋一
岡山188cm望遠鏡時間の 割り当て状況 泉浦秀行 国立天文台岡山天体物理観測所 1/17/ 光赤天連シンポ@京都大学.
Mareki Honma Director, Mizusawa VLBI Observatory, NAOJ
C2 天体撮像 担当:冨田 良雄 4号館5階516号室 内線:3899、
磁気浮上領域での太陽ジェットと エネルギー解放
ANIRによるM型星まわりの トランジット地球型惑星の観測 国立天文台 成田憲保.
ガンマ線バースト観測用 面分光装置の紹介 岡山天体物理観測所 尾崎忍夫 共同研究者 吉田、岩田、神戸、沖田(岡山天体物理観測所)、
伊藤洋一(兵庫県立大学) 大朝由美子(埼玉大学)
ファイバー面分光装置KOOLS-IFU - 京大3.8 m望遠鏡との接続に向けて -
小型JASMINE計画の状況       矢野太平(国立天文台)       丹羽佳人(京大).
この絵はがきの収益は天体観望会をはじめとする
すばる望遠鏡による10GeV領域ガンマ線天体の観測
S5(理論宇宙物理学) 教 授 嶺重 慎 (ブラックホール)-4号館409 准教授 前田 啓一(超新星/物質循環)-4号館501
京大他、東大やアデレード大学など日豪の16機関が共同で、オーストラリアの砂漠地帯に望遠鏡4台を建設しTeVγ線を観測している。
研磨関係進捗報告 やといつき研磨セットアップ
大学間連携第1回キャンペーン観測: δ Sct型脈動星IP Virの連続観測
下降流(Downflow)の観測と磁気リコネクション
これまでの試験研削について 第8回新技術望遠鏡技術検討会 2007年1月6日 名古屋大学 板津、長尾、宇野、石井、本多 名古屋大 所 仁志.
S1 装置開発と観測 長田哲也 教授 栗田光樹夫 准教授 木野勝 助教 望遠鏡および可視光と赤外線の観測装置の開発を行います。
(株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 6/5 @名古屋大学
3.8m新技術望遠鏡を用いた 超新星爆発の観測提案 -1-2mクラス望遠鏡による成果を受けて-
京大岡山 3.8m 新技術望遠鏡 東アジア最大の望遠鏡計画 この望遠鏡で用いられる3つの新技術
MOAデータベースを使った セファイド変光星の周期光度関係と 距離測定
Telescope Array ~Searching for the origin of the highest energy cosmic ray 私たちの研究の目的 宇宙線って何? 最高エネルギー宇宙線の数が、 理論による予想を大きく上回っていた! 現代物理学の主要な謎の1つ 宇宙空間を光に近い速度で飛び回っている非常に小さな粒子のことです。
(株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 2/13 @(株)ナガセ インテグレックス
次世代の口径30m級超大型望遠鏡建設に必要な技術を開発するため、 そのプロトタイプとしての役割を果たす極めて斬新な望遠鏡計画です。
奥村真一郎(日本スペースガード協会)、 高橋英則、田中培生(東京大学)
望遠鏡技術検討会 (2013/2/9) 京大3.8m望遠鏡用 面分光装置開発 松林 和也 (京都大学)
教育学部 自然環境教育課程 天文ゼミ 菊池かおり
X線望遠鏡用反射鏡の 表面形状向上の研究 宇宙物理実験研究室 大熊 隼人.
HT Casの測光観測と モデルによる物理量の推定2
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京大岡山 3.8m 新技術望遠鏡 東アジア最大の望遠鏡計画 この望遠鏡で用いられる3つの新技術 Ⓒ2012 Google Ⓒ2012 国立天文台 建設予定地と外観 ↑ 建設予定地の国立天文台岡山天体物理観測所。国内有数の晴天率と観測条件に恵まれ、国内における天文観測の拠点の一つとなっています。右上の赤丸部分に 2014年に建設予定です。 ← 開発中の新技術望遠鏡の完成予想図。京大と国立天文台の関係機関、名古屋大学の光赤外天文計測学寄付講座、(株)ナノオプトニクス・エナジー社の協力による大学・国・民間の連携事業です。 望遠鏡の空白地帯 → 日本付近には口径 2.5m を超える汎用の望遠鏡がなく、日本上空で突発的に光る天体が出現した場合、詳細な観測を行うことができません。 次世代超大型望遠鏡 ← 次世代30m級超大型望遠鏡と東寺五重塔の大きさの比較。これほど大きな望遠鏡の建設には、「分割鏡望遠鏡」の技術が必須となります。 Ⓒ2012 TMT Observatory Corporation ← 遠方宇宙で起こる爆発現象は、ジェットの方向がたまたま地球の方向を向いている場合にのみ、短時間だけ非常に明るく見えます。 この望遠鏡で用いられる3つの新技術 分割鏡制御: 1万分の1ミリ以下の位置合わせ Ⓒ2012 NASA 軽量トラス構造: 軽い・安い・速い の3拍子 18枚の鏡を組み合わせて、全体として直径3.8mの1枚の鏡となるように配置します。望遠鏡が向きを変えても形が崩れないように、18枚の鏡を1万分の1ミリの精度で常に位置が保たれるように制御します。 研削による鏡面形成: 日本の超精密加工技術 新しい鏡の支え方とドーム建築などで使われている「トラス構造」により、全体を従来の1/5程度にまで軽くすることができました。これにより製作費を抑えかつ高速で動かすことが可能となります。完成すれば高さ8m、重さ20トンの望遠鏡になります。現在は鏡の代わりに鉄板が乗せられています。 鏡の形状は非常に高い精度で形成する必要があります。従来の望遠鏡の鏡の製作方法では困難な加工でも、金属加工で用いられる精密研削技術を用いて高速で複雑な形状の加工を行い、研磨で仕上げます。 この望遠鏡のドームの建設費5億円を市民の力で集めるプロジェクトが始まっています。皆様のご協力をお願いします。