AR5実験デザイン案とポスト共生 河宮未知生.

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AR5実験デザイン案とポスト共生 河宮未知生

次期全日本温暖化モデル研究 30年先の定量予測 300年先の定量予測 不確実性の低減・定量化 全球雲解像温暖化実験 日本モデル開発 by 統合地球環境(炭素循環)モデル 30年先の定量予測 by 「高」解像度結合モデル 社会産業変数化 季節予測もできるモデルで 日本モデル開発 Plug-in compatible ~ coupler開発 Community化~parameterization schemes 全球雲解像温暖化実験 不確実性の低減・定量化 高解像アンサンブル 物理アンサンブル~EnKF 2006.2.20 K-1→文科省提出資料に基づく

Post共生? 30年後の定量予測~信頼性情報の付いた「使える」情報の発信 300年後の予測 不確実性の低減、定量化 全球雲解像温暖化実験 顕著現象~高解像モデルアンサンブル 社会産業変数化(応用分野との連携) 季節予測もできるモデルで(seamless prediction)~データとモデルの融合技術の本格開発 300年後の予測 統合地球環境モデル(次期IPCCの主役)による20~23世紀の予測 動態植生の効果?氷床? 不確実性の低減、定量化 気候感度問題の徹底究明 高解像アンサンブル 物理アンサンブル アンサンブル手法の高度化(アンサンブルカルマンフィルターなどの導入) 全球雲解像温暖化実験 世界で日本だけ 「日本モデル(群)」開発体制の確立 カップラー開発、次世代力学コア導入、並列化支援などのプログラミングサポート体制 精力善用~分散したモデル開発努力の効率的組織化~指導体制? 温暖化研究は「プロジェクト」。成功にはしかるべき戦略が必要 パラメタリゼーション開発等への研究コミュニティの参画推進(plug-compatibilityの確保等)

AR5向けに提案された実験デザイン1 (@アスペンワークショップ) 短期予測(2005-2030):極端現象の変化について確率情報提供 大気水平解像度 1/2-1° 簡略版化学、エアロゾル、植生 アンサンブル:10メンバー程度 20世紀後半のある年から積分:海洋データの初期化に問題あり オプション 大気汚染物質排出シナリオ 地球工学実験(エアロゾル人工散布、海洋鉄散布)

Model Center:/Aerosols 短期予測向けエアロゾル・化学スペック Model Center:/Aerosols Chemistry Within about 1 year (ready to run for next IPCC) GISS: Sulfate / BC / OC / dust / sea-salt Hadley: bulk, sulfate /BC / OC / dust driven from DGVM / sea-salt / SOA climatology NCAR: Both bulk and modal approaches are available and being considered MPI: A seven-category modal approach predicting total number and species mass in each category (M7) Limited ability to represent aerosol indirect effect processes, especially in mixed phase, ice and convective clouds. Cost is under evaluation for all groups. At least snapshots / asynchronous coupling will be done with full chemistry (tropospheric and stratospheric) with a coupling every 5/10/20 years? Beyond AR 5 Full aerosol scheme Comprehensive mixed and ice phase cloud microphysics Full chemistry

AR5向けに提案された実験デザイン2 (@アスペンワークショップ) 長期予測(2005-2300?):各種フィードバック過程の定量化、安定化シナリオの検討 高排出(A2タイプ)、低排出(B1タイプ)シナリオについて、次に説明する3ステップの実験を行う。 DGVM入り CO2以外の化学組成、エアロゾルは外から与える。

地球システムモデルによる人為起源CO2排出「逆計算」 Socio-economic variables Emissions Surface temperature Concentrations Forward approach: start with socio-economic variables Reverse approach: start with stabilization scenario concentrations

Carbon Cycle sees increasing CO2 Concentrations and T; Experiment #1: Carbon Cycle sees increasing CO2 Concentrations and T; Land/Ocean CO2 fluxes saved to derive emissions for WG3 CO2 Temperature T Land/Ocean CO2 fluxes are NOT interactive with atmosphere CO2 fluxes saved CO2 seen by carbon cycle and atmosphere *アンサンブルは1メンバーだけでも可

Land/Ocean CO2 fluxes saved to derive emissions for WG3 Experiment #2: Carbon Cycle sees CO2 Concentrations from Experiment #1; atmospheric CO2 and T are constant; Land/Ocean CO2 fluxes saved to derive emissions for WG3 Temperature CO2 from experiment #1 seen by carbon cycle CO2 T~ 0 Constant CO2 seen by atmosphere CO2 fluxes saved Land/Ocean CO2fluxes are NOT interactive with atmosphere

Experiment #3 (optional): Derived emissions in the absence of climate change from Experiment #2 are used to drive carbon cycle-climate model from Experiment #1  ((CO2 CO2 emissions from experiment #2  ((T

「逆計算」アプローチの利点 炭素循環入りモデルを持たないグループも途中まで参加可能 基本シナリオをもとにしたWG1による人為排出計算→WG3による新たなシナリオ作り というサイクル確立 ステップ1で得られた予測はWG2による影響予測に利用可能 → WG1,2,3の協力の枠組提供

アスペン会議からの勧告 AR5に向けた地球システムモデル開発:海陸の炭素循環は含む。エアロゾル・化学はオプション。シナリオ作りはこれらのオプションにも対応すべき。 地域的予測にはエアロゾルやshort-lived trace gassesの格子データが必要。包括的な取り組みが要求される。 長期予測の実験デザインでは、WG1とWG3の仕事に2年程度のラグができる。時期をずらして報告書を出版するか? WG2,3向けにもPCMDI的な機関が必要 WG2,3から、(とくに炭素循環について)解析テーマのインプットが望まれる。

ポストK2/K1 に当てはめたときの問題 CHASERを高解像度で→「サボり方」? (高解像度版→海の解像度) 一般性のある「サボり方」の提案 (高解像度版→海の解像度) (海洋データ初期化→ポストK7との関係?) 各々の研究機関でデータをつくるのか?共通のデータか? 低解像度版:T63? 海は? 土地利用変化どうあつかう? 2009年に実験開始?→DGVM導入可? 20世紀再現ランはポストK2の枠組? シナリオ作成者との協力をどうするか?