2018年度 植物バイオサイエンス情報処理演習 第13回 メタゲノミクス 2018年度 植物バイオサイエンス情報処理演習 第13回 メタゲノミクス 2018年7月13日 機能ゲノム科学 尾形 善之
ギガシーケンサーIllumina GAIIx 次世代シーケンシング(NGS) ライブラリ配列 平均200 bp リード配列 (paired end) 75 bp + 72 bp コンティグ配列 200 bp以上を選出 発現量評価 アセンブリツール Velvet 0.7.63 200bp 72bp 75bp トランスクリプトーム解析 ゲノム解析 ゲノム構築・マッピング 各種ツール 遺伝子発現・機能推定 BLAST+ 2.2.23 シロイヌナズナ TAIR9 全生物 nr ギガシーケンサーIllumina GAIIx DNA試料 RNA試料 土壌試料 微生物叢の 定量評価・系統分類 16S rRNA, 18S rRNA メタゲノム解析
メタゲノミクスとは… 従来の微生物のゲノム解析 メタゲノミクス(メタゲノム解析) 単一菌種の分離・培養を経てゲノム入手。 メタゲノミクス(メタゲノム解析) 分離・培養せずに、微生物の集団から直接そのゲノムDNAを調製し、そのヘテロなゲノムDNAをそのままシーケンシングする。 環境サンプルから直接回収されたゲノムDNAを扱い、定量的に評価する。
メタゲノムの環境 土壌・水圏環境 分解者が中心 腸内環境・口腔内環境 乳酸菌など、プロバイオティクス
メタゲノミクスの目的 環境中の微生物叢を把握する。 環境中で働く遺伝子群を把握する。 微生物が分かれば、どのような働きをするか予測できる。 微生物が分からなくても、環境が示す機能を予測できる。
従来の微生物ゲノム解析法 変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法 DGGE 変性剤の濃度勾配があるゲルを使い、二本鎖DNAを電気泳動する。 主要な微生物の検出には適している。 定量的な評価は難しい。
メタゲノミクスの手法 次世代シーケンシング 16S rDNA遺伝子配列 全遺伝子配列 微生物種の特定ではなく、そこで働く遺伝子の機能を評価する。その後で、検出された特定の遺伝子を持つ微生物を特定する。
16S rRNA解析の研究例 目(order)ごとに集計したデータの例(Sudarikovら2017)
最近の研究例・1 イヌの腸内フローラ NCBIからの1131サンプル 丸:各サンプル 線:微生物群の傾向が似ている グループ内は同様の微生物群をもつ
最近の研究例・2 ヒト口腔内フローラ
チェックポイント・I メタゲノミクスの目的と方法について説明しなさい。
メタゲノム解析の実際 QIIME そこで、GUIツールの開発を目指す もっとも使われているソフトウェア Macintosh (Linux)で開発 Windowsでは使いづらい コマンドでの作業 馴染みづらい よく失敗する そこで、GUIツールの開発を目指す
一般的なメタゲノム解析の手順 クエリーファイルの準備 データベースの準備 解析前処理…… 解析の実行 解析後処理…… 次世代シーケンサーからのFASTQファイル データベースの準備 ツール内のコマンドで取得 解析前処理…… 解析の実行 解析後処理……
MagicSuiteの開発 Magic-BLAST by NCBI MagicSuite 次世代シーケンサーのショートリード用に開発 欠点:出力ファイルの解釈がやや困難 MagicSuite Magic-BLASTを組み込んだパイプラインツール GUIで実行でき、操作が簡単 出力ファイルが解釈しやすい
MagicSuiteの準備・1 インストール ActivePerl MagicBLAST WindowsでPerlを使えるようにします この部屋では、入っています MagicBLAST NCBIのFTPサイトからダウンロード~インストール この部屋では、まだ入っていません
MagicSuiteの準備・2 用意するファイル クエリー:FASTQまたはFASTAファイル これだけ メタゲノム用のデータベースは内蔵されている
MagicSuiteの実行 クエリーファイル群のフォルダを指定 いくつかの項目を入力(デフォルト値でもOK) Startボタンを押す これだけ、Finishが表示されるのを待つ
MagicSuiteの解釈 各サンプルの結果ファイル PCoA(主座標分析) サンプル間の関係をグラフ化 主成分分析と似ていて、同様に解釈できる ただし、要素と変数の関係は明らかではない 各サンプルの結果ファイル 属ごとの降順のデータ PCoAの結果と合わせて解釈
本日の実習 イヌの4消化器官(胃、十二指腸、回腸、結腸)と糞便の腸内フローラ解析 消化器官と微生物叢との関係を解明する。 MagicSuiteの疑問点や感想を書いてください。